連休後半もTWSCの審査とコニサー教本スコッチ編の校正…
この連休はどこへ行っても人だらけで閉口した。広島から帰って2日の木曜はウイ文研事務所でたまった事務仕事とミーティング。夜には久しぶりに鎌倉に帰り、4・5・6日と、コニサー教本の中巻、スコッチ編の全面改訂版の校正作業に明け暮れた。スコッチ編が出たのは2020年。すでに4年以上が経ち、エキスパートやプロフェッショナルの対策セミナーの度に、最新のデータを用意し、それを受講生に配布していたが、それも限界にきていたので、5年ぶりの改訂作業に着手したというわけだ。
世界のウイスキーは今激動の時代に入っていて、日本だけでなくスコットランドも、毎年10を超える新しい蒸留所が誕生している。大手のメーカーは現在の蒸留所の改修、増産を急ピッチで進めていて、そのため4年前のテキストでは、まったく間に合わなくなってきている。エキスパートもプロフェッショナルも、最新の情報を知ってもらいたいとの思いでセミナーをやっているが、そのためには本来、ジャパニーズのようにイヤーブックを出すべきだと思っている。スコッチモルトウイスキーは幸い、本家本元の『モルトウイスキーイヤーブック』が存在する。ただし、これではブレンデッドはカバーされてないし、やはり英文なので、いつかはスコッチのイヤーブックを出す必要があるかもしれない。せめて、このコニサー教本は2年に一度か、3年に一度は出したいと思っていたが、今回ようやく、その時間を捻出する目途が付いたというわけだ。
といっても、これだけをやっている訳にもいかず、連休の午前中は教本の校正、そして午後はオフィスに行ってTWSCのテイスティングを行う。今回私がやるのは2次審査のシングルモルト編20種と、焼酎・泡盛の21本、計41アイテム。それをそれぞれ2回ほどテイスティングして、100点満点で採点してゆく。さすがにこの量だと1回では無理で、連休の前半と後半、両方を使ってそれぞれ2回ずつ、つまり82種をテイスティング審査したことになる。どれも度数が高いので、これはこれで大変で、しかもすべてブラインドテイスティング。体力も集中力も使い果たすことになって、夜はソファでテレビを見ながら寝落ちという日々が続いた…。
それ以外にも、依頼された新聞の連載原稿や、琵琶湖、天鏡、バカルディ―のインタビュー、さらに京都のセミナー、蒸留所取材、井川蒸留所ツアー、6月のウイスキートーク福岡のセミナー、その後の長崎取材とテンコ盛りのスケジュールで、その準備も連休中にできるところまで、やり続ける日々だった。6月の最終週の大阪フェスが終われば、7月4日からは久しぶりのアイランド取材が待っている。航空券は連休前に取ってしまったが、これからその準備も待ったなしだ。とにかく、1日たりとも気を抜くことができないが、今のウイスキー業界の動きは早く、毎日のように新しいニュース、そしてウイ文研や私にも外部からの依頼が相次いでいる。
果たして気力・体力がもつのか…。それだけがもっかの心配だ。