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インド、台湾のウイスキーから沖縄、宮古の泡盛、ウイスキー、そしてラム、ジン…
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先週月曜日(25日)にインドのポールジョンのテイスティングセミナーを、日本橋の国分本社で行い(社内の営業担当社員向け)、一度夕方、事務所にもどって、一週間の留守の間の段取りなどを決め、26日の火曜日は12時に新宿のパークハイアットホテルに行き、1時からこんどはカバランのローンチイベントでトークショーを行う。
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これはカバランの日本での代理店が日本酒類販売に変わったことを記念するイベントで、台湾からはリー総経理も駆けつけていた。私が担当したのは、途中のトークショーで、20分ほどカバランの印象や、カバランウイスキーについて、そして4月に台湾でリリースされる、初のヴィンテージ表記のボトルについて、テイスティングをするというもの。
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これはバーボン樽とオロロソシェリー樽の2種で、どちらも2009年蒸留のヴィンテージもの。いわば現時点でのカバランの、ひとつの到達点といえるものかもしれない。会は3時過ぎに終了し、その後マスコミや招待客はフリーテイスティングとなったようだが、翌日から沖縄・宮古の取材が入っていたため、すぐに羽田に直行。夕方5時10分のフライトで一路那覇へ。
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27日の水曜は朝からレンタカーで、まずは久米仙酒造。そして午後いちに糸満のまさひろ酒造。さらに高速で北上し、ヤンバルの許田にあるヘリオス酒造を訪れた。どこも泡盛造りのかたわらウイスキーやジンなど洋酒も造っている会社で、非常に興味深かった。もちろん取材は泡盛と洋酒の両方で、ヘリオス以外は主として泡盛取材。昨年11月の石垣島6ヵ所、那覇の瑞泉さん以来、このところ泡盛の取材が続いているが、この1~2年で、とりあえず琉球泡盛の全46蔵を回ってしまいたいと思っている。
やはり百聞は一見に如かずで、何度も取材しているうちに、泡盛の造り、各蔵の違いなどもわかってきた。毎回新しい発見があるのだから、これはこれで止められない。もちろん、ウイスキーやコニャックなどの洋酒の視点から見た泡盛である。
ヘリオスさんでは懐かしい再会もあった。20年近く前に一度、古巣の新潮社の『週刊新潮』の取材でヘリオスに来ていて、その時案内してくれたTさんとの再会だった。当初は泡盛についてもラムについても知るところはほとんどなかったが、今回は国内のほとんどのラム蒸留所、焼酎、泡盛、そしてジンやクラフトウイスキーの蒸留所を回っているので話がはやい。もちろん、ヘリオスさん自身の変化もある。本格的にウイスキーを造り始めていて、すでに許田ブランドの各種のウイスキーをリリースしているし、会社の原点に戻って、自らサトウキビを栽培し、アグリコールラムも造っているのだとか。最後に15~16種類の製品をテイスティングさせてもらったが、どれも美味い。非常に興味深かった。
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で、その日はうるま市までもどってホテルに一泊。翌28日の木曜は午前中に新里酒造の洲崎蒸留所を取材し、稼働しはじめたばかりのフリッリ社製の2基のスチルも取材できた。その後、新里さんを後にして空港に向かい、2時のフライトで宮古島へ。4時から『バーシンク(Bar THINK)』でセミナー。世界のウイスキー事情について1時間ほど話をする。夜は、宮古島の釣友のUさんと久しぶりに居酒屋へ行き、しめはバーシンクで、マスター自慢の泡盛カクテルとタリスカーを。
29日の金曜は朝から、宮古島の池間酒造、沖の光酒造、そして午後には菊之露、多良川を回る。多良川さん以外はすべて泡盛で、多良川は取材するのは3回目くらいだったので、今回はラムのマクガンと、ジンのミヤコジンの2つの造りを取材させてもらった。ラムは多良川製糖の廃糖蜜を使ったもので、その造りが非常に興味深かった。しかも使う酵母は、そのサトウキビ畑で採取されたMY-17という野生酵母だという。
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ジンのベーススピリッツはもちろん多良川の泡盛だが、それをケミカルプラント社のロイヤルスチルで、もう一度蒸留し、それにボタニカルを加えて、再度ジンとして蒸留するというもの。つまり3回蒸溜していることになる。このスチルは新しく導入したもので、今はラムもこのスチルを使っているという。ごく小型のステンレス製常圧蒸留機だ。
これで日本でラムを造っているナインリーブス、ヘリオス、伊江島ラム、そしてマクガン(多良川)の4か所も回ったことになる。まだまだ泡盛、焼酎、そしてラムの取材が続くのだ。
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