読書記録 『焼きそばうえだ』さくらももこ
あらすじ
筆者たちはくだらないノリだけの集まり「男子の会」を結成する。その会でのくだらない話の中で、メンバーのひとり「植田さん」がバリで焼きそば屋でもやったほうがいいということになり、くだらないノリだったはずがそれを実現すべく奔走することになる。物件探しから焼きそばの試作、実際にオープンした話。
感想
さくらももこさんのエッセイ。独特の言い回しやリズムが小気味良い。
さくらさんは、どんなにくだらないことでも、くだらないからこそ真剣に、という意気込みで取り組むのでおもしろい。男子の会のメンバーは、会社も職業も別の人が混ざっているが、だからこそ個々の伝手やスキルを駆使してこのミッションを達成できたのだと思う。
自分は根っからのインドアで、普段はできるだけ人と関わらないように気をつけながら生きている(疲れてしまうので)。長所も短所も受け入れて人と関わっていくさくらさんの姿勢がうらやましく思えた。もちろん、そう生きることが良いことも悪いことも連れてくるのだろうが、悪いことも、人と分かち合って笑い話にすると良いことに変わるのかなという気もする。
ストレスのアンテナや感じ方、解消の仕方は人によって異なるから、このような関わり方を自分がするのは無理だろうが、人と関わることの良さを再確認したように思う。また、行動することで新たに人との関わりが生まれるということも、当たり前だが忘れがちだと再認識したような気がする。