見出し画像

しょうがない、生きてやるか。

宮本浩次の「PS I love you」を初めて聞いたのは、偶然アップルミュージックのプレイリストを流していたときだった。歌詞から漂うどこか諦めと前向きさが入り混じったこの曲の雰囲気に、不思議と引き込まれた。もしかしたら的外れかもしれないけれど、「生きづらい世の中だけど、まぁしょうがない、生きてやるよ」という控えめなポジティブさを、この曲から感じ取った。私は音楽の専門家ではないが、素人だからこそ自由に解釈できる楽しさもあると思う。

世の中には「頑張れ」「大丈夫」という励ましの言葉が溢れている。それはそれで力になることもあるが、どこかで疲れてしまうこともある。実際、私もその一人だ。全力で走り続ける毎日の中で、ふと立ち止まる瞬間がある。「これ以上頑張れないかもしれない」と思うことも少なくない。そうした日々の中で、「無理して頑張らなくてもいいよ。でも、それなりに生きてやろうよ」とでも言ってくれるような、この曲のメッセージが胸に響いた。宮本浩次の声が語りかけるように、何かに全身全霊を注がなくても、生きること自体が一つの価値なんだと教えてくれるように感じた。

もうすぐ2月に入る。お正月ののんびりした時間が終わり、また日々の忙しさに飲み込まれていくのだろう。でも、今年は少し肩の力を抜いて、「それなりにやってみよう」と思う。「生きてやるよ」という気持ちには、無理しない強さがある。全力疾走することを求められ続けて、その大切さも分かっているし、全力疾走が報われた経験もあるけれど、時には歩くペースで進むことも大切だということも分かっている。この曲を思い出すと、そうした生き方も悪くないと思える。

時には控えめなポジティブさが一番の励ましになる。生きていることそのものが一つの選択であり、価値だと感じさせてくれるこの曲に感謝しつつ、この一年を過ごしたいと思う。


いいなと思ったら応援しよう!