みんなが優しくほっといてくれる世界。
先日最終回だった、「作りたい女と食べたい女」。すごく好きなドラマでした!
料理を作るシーンが毎回あるドラマが好きで、買い物のシーンや食べてるシーンがあればもっと好き。なのでこれはもう、タイトル見ただけで好き決定じゃないですか。
わたしがこのドラマを知ったのは、シーズン2の放送に先駆けて、シーズン1の再放送をしている途中でした。これは!と思って、NHKプラスで最初から遡って、ああやっぱり好き!ってなりました。
料理が趣味の野本さん(比嘉愛菜)は、山盛りのチャーハンとかを作るのに憧れてるけど、自分は少食。マンションのエレベーターでファストフードのパックをたくさん持ってる春日さん(西野恵未)と出会う。パーティーですか?って声をかけたら、いえひとりで食べますって。
となりのとなりの部屋に入ってく姿を確認して、後日お裾分けを持ってくところから、関係が始まるんだけど、シーズン1では、作りたいと食べたいの需要と供給?が合ってて、ふたりが仲良くなってくのがおもしろかった。
料理が好きでいつも手作り弁当ってだけで「いい奥さんになる」とか言われることに抵抗があったり、、ってところも、確かにー!って思ったりしたけど、とにかく、料理を作るとこと美味しそうに食べるとこ(春日さんが本当に美味しそうに食べるの!)が見れればよかった。
シーズン2になって、野本さんは春日さんに恋愛感情を持ってることに気づく。あ、これそういう展開なんだ!って初めて理解しました。
野本さんがSNSで親しくしている矢子さん「ともさかりえ)も、恋愛対象が女性で。
そして、ふたりのお隣に引っ越してきた南雲さん(藤吉夏鈴)は、小学校の居残り給食や親の「いっぱい食べれば元気になる!」みたいな教育のせいで、人前でご飯を食べられない。
(そっか。これはいろんなマイノリティを取り上げてるドラマなのかもしれない。)
その4人が矢子さんのお家でカレーパーティーを開いたきっかけで、仲良くなっていく。
わたしがこのドラマですごく好きだったとこは、みんながみんなそれぞれの特徴に干渉しないところ。
カレーパーティーで矢子さんが用意してたのはいろんな種類のレトルトカレー(矢子さんは料理をしない)。野本さんは手作りナンの生地を持っていく。
このシチュエーションでも、必要以上に卑下したり大げさに褒めたりしないのがよかった。
南雲さんが飲み物しか飲んでないのに、理由を知らない矢子さんもなにも言わない。誰もそのことに気を使わずにもりもり楽しく食べてるのがすごくよかった。
その次のたこ焼きパーティーのときに、南雲さんも食べられたんだけど、その時も誰もそのことに触れず、それぞれがわいわい食べ続けてたのもとてもよかった。
原作ではわからないけど、どう見ても南雲さんがいちばん年下なのに、全員に対してタメ口なのとか、春日さんが付き合ってる相手の野本さんのことをずっと「野本さん」って呼んでるし、いつも敬語なのとかも、だれも何も気にしてない。
春日さんがいつも黒トレーナー着てて、おしゃれとかに興味無さそうなことにも、特に説明もないのもいい。
前にやっていた「恋せぬふたり」っていう、アロマンティック・アセクシャル(恋愛感情も性的欲求も持たない人)のドラマのなかで、結婚=幸せみたいな「当たり前」を押し付けてくる人たちに対して、「こういう人もいるって思ってもらえませんか」って高橋一生さんが言うセリフを、わたしはいつも思い出すんだけど、ほんとにそれ。わかってくれなくてもいいから、ほっといてくれ。てゆうか、ほっといてくれるのがいちばんの思いやりだったりすることもある。変に騒がないでくれって、思うことよくあるんだよね。
あとね、会社の同僚や取引先のパートさんとか、まわりの登場人物が普通にいい人たちなのもいい。少数派の人たちに対して、異常に感じ悪く接することで、その人たちの生きづらさを説明するみたいな表現がよくあるけど、わたしはいつも、こんな意地悪な人そんなにいなくない?単純に意地悪な人に出会っちゃっただけじゃない?とか思ってしまうから。普通にいい人な方が自然に感じる。
なんだか熱くなってしまったけど、ほんとに好きなドラマだった。原作マンガも読んでみようかな。
春日さん役の西野さんは、俳優さんではなくてミュージシャンなんですねー。
春日さんの、「美味しいです。」って言い方が大好きで、目がいつもキラキラしててきれいで、すごく好きなタイプ。春日さんならわたしも一緒に暮らしたいかも。