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『清らかな光と、2階の境界線で』 3分で読める超短編小説8
はじめに:僕の原文 x ChatGPT x 村上春樹の文体
この短編小説は僕の書いた原文を元にChatGTPに加筆修正してもらい、さらに僕自身が加筆修正をして完成したものです。文体と作風は村上春樹というプロンプトを入れました。「僕 x ChatGPT x 村上春樹の文体・作風」を楽しんでいただけると嬉しいです。(Claude 3.5にも加筆修正してもらっています)
『清らかな光と、2階の境界線で』
彼女と出会ったのは、僕がまだグリーフに包まれ、深い闇に沈んでいた時期だった。考えを言葉にするエネルギーが減衰していた僕にとって、人との会話はまるで水の中で息をしようとするようなものだった。
波のように打ち寄せるグリーフに翻弄され、幸せを模索していたある日、幸せについてのオンラインワークショップに参加した。そして、ブレイクアウトルームで彼女と出会った。人と話す必要がないと思って参加したが、聴くだけのセミナーでなく、グループ対話が組み込まれていた。
4、5人での対話の時間、僕の口数は極端に少なく、言葉が舌先でちぐはぐに絡まっていくのを感じていた。 何がきっかけだったかは覚えていないが、彼女は大学で法学を教える教授で、人の「気が読める」と言った。不思議な組み合わせだな、と思った。そして、話の文脈は忘れてしまったが、彼女が僕に対して「清らかな」という言葉を使ってくれた。その一言に、僕は驚きと、どこか深い部分が呼び覚まされるような衝撃を受けた。「清らか」なんていわれたこともなかったし、自分が「清らか」だなんて考えたこともなかった。ただ、以前の僕と違っていたのは、最愛の妻がいるあの世に行きたいという願望だったから、その願望と「清らか」がつながっているような気がした。そう感じてもらえたことは新鮮で、彼女に対する好奇心が胸の奥から湧き出てきた。
ワークショップが終わると、メンバーの一人がメッセンジャーのグループを作ってくれた。彼女とまた話せる機会ができたことが心の隅で嬉しかった。そして、勇気を出してメッセージを送り、彼女に「清らか」と感じた理由についてもう少し説明してもらえないかとお願いした。それが僕たちの縁の始まりだった。
彼女の愛犬の誕生日が僕の誕生日と同じだと知った時、心が踊ったことを覚えている。僕たちは時に、4時間も続けて話すこともあった。彼女はバートランド・ラッセルの哲学や、自分の見た夢を詳細に書き残した鎌倉時代の僧侶のことも教えてくれた。彼女の語り口は穏やかでありながら瑞々しい知性が感じられた。
ある日、突然、彼女からメッセンジャーで電話がかかってきた。いつもはお互いの予定を調整してZOOMで話していたから、突然の電話に驚いた。彼女はどこか疲れた声で、最近見た夢の話を始めた。「体調が良くなくてベッドで寝ていたら、誰かが私の様子を見に来た。その人がどうやらあなたのようだったの」と。その夢の中で、彼女は1階で眠っていたらしく、僕に「あなたの家は2階建てなの?」と尋ねてきた。「そうだよ」と答えた僕の胸の奥に、何かが不思議に繋がる感覚が生まれた。そのうち、彼女の 話すスピードが次第にゆっくりとなり、声は途切れがちになり、まるで赤ちゃんに話しかけるような表現に変わっていった。そして彼女はそのまま寝てしまったのだ。彼女が目を覚ましたのは1、2分後だったか、それとも5分後だったか、覚えていない。ただその数分が一瞬として、何か特別な時間として、僕の心に刻まれた。目が覚めると彼女は「寝てしまったなんて…」と、どこか恥じらうようにそっと言った。
そんな出来事の後、彼女とのおしゃべりは数回続いた。他愛ない会話を重ねるうちに、僕の心の中にひとつの真実が静かに降り積もっていくのを感じた。それは、彼女と共有したこの不思議で曖昧な、夢と現実の狭間にある時間こそが、僕にとっての「救い」の一つだったということだ。誰かに「清らかだ」と言ってもらえたことで、僕は自分の中の何かを取り戻した。まるで凍りついた湖面の下から、長い眠りについていた記憶の断片が、ゆっくりと光を浴びて浮かび上がってくるように。
彼女とのやり取りは、僕に人との繋がりの奥深さを再び教えてくれた。その繋がりは、言葉や見かけの仕草の奥、意識の深い部分で育まれるものだと。彼女が夢で僕を「呼んだ」ように、僕もまた、無意識の中で彼女を求めていたのかもしれない。彼女との出会いが、偶然でありながらもどこか運命めいたものであったように。
彼女との距離は、出会いの時に急速に近づいたのと逆に、階段を降りていくように少しずつ少しずつ遠くなり、いつの間にか途絶えてしまった。それは残念なことではあるが、僕は彼女にいつも感謝している。なぜなら彼女は僕に、潜在意識の海に沈んでいた自分をもう一度見つける機会をくれたからだ。暗闇にひっそりと埋もれ、誰も気がつくことがなかった「清らかさ」を、彼女はそっと掬い上げてくれたのだ。そして、それが僕を癒し、再び歩き出す力になった。 「清らかさ」というのは、他人から見出されてはじめて存在するような、儚くも確かなものだ。それは自己の外にある他者のまなざしによってようやく定義される、ある種の光のようなもの。僕はこれからも、その光を携えて歩いていこうと思う。彼女が僕に教えてくれた「清らかさ」を胸に刻んで。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
❤️ この短編小説は友人の中川麻里さんの投稿に刺激を受け、背中を押されて誕生しました。中川さんに心から感謝いたします。
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