「好き」を綴る365日、236日目。
鰻をいただくのが好きです。
言わずと知れた、昨日は土用の丑の日。
もっちろん、鰻を食しましたとも!
だって、堂々と鰻をいただく大義名分がある日なんだもの〜。
お高いから、おいそれとは手が出せない鰻。
それでも!
ここぞというとき。
頑張りたいとき。
よく頑張ったとき。
オノレへのご褒美として、鰻を食べます。
土用の丑の日でなくても、食べます。
亡き父は闘病中、よく鰻を欲しました。
他のものは食べられずとも、鰻なら!と言うのです。
父が好んで訪れていた鰻屋さんへ行き、持ち帰りの鰻重をあつらえていただき、入院していた病院で一緒に食べたっけ。
嬉しそうに鰻を頬張る父、そんな父を嬉しそうに見つめる母。
あの日の鰻の味は、束の間の団欒の味。
取材で訪れた町にある有名な鰻屋さんで、取材対象の医師にご馳走していただいたことがあります。
恐縮しながらいただいたので、そのときの鰻の味はおぼろげなのですけど。
台風の日で、医師の個人所有のイカした外国製のクルマで、医師ご自身の運転で取材先へ向かいました。
「オレのクルマ、水深50センチまでなら大丈夫だから!
今日みたいな日にうってつけのクルマなんだよ、あー、スゴいことになればいいのに!」
などとおっしゃっる医師……
スゴいことなんて望んでいないんですが!と、取材クルーみんなで笑いながら取材先へ。
台風は医師のご希望に反して全くスゴくありませんでしたが、かわりに?!スゴいおいしい鰻にありついた、というわけです。
……食べ物も、ですし。
音楽や香りなんかも、そうなんですけど。
それを食べると、聴くと、匂うと、思い出がバーン!と蘇ることがあります。
わたしが鰻を欲するのは、鰻そのものの魅力はもちろんあるのですが。
思い出も含む〝味〟だから、なんだろうな。
逆もまた然りで。
何か特別なこと、殊更に嬉しいことがあったとき。
その記憶を五感で覚えておきたいから、何かを食べるんでしょう。
その料理を食べることで、幸せの記憶を胸の内の宝箱から取り出せるから。
ところで、我が家の次女だけ、家族の中で鰻を好みません……
ということで、次女には「うなぎパン」。
今日は次女のご希望により、ハッシュドビーフをこしらえる予定。
わたしのハッシュドビーフは、彼女の幸せの記憶になりうるか?!
乞うご期待!(笑)
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