今後のアニメ作品の取捨選択方法について、真剣に再考してみた
クリエイターページの自己紹介でも述べているが、自分は主に各クールのアニメ&アニメ映画のランキング記事の投稿をメインに執筆活動をしており、ことここ5年ぐらいは、各クールにつき30本程度のTVシリーズ作品を視聴している。
それ以前はもう少し控えめだったのだが(とはいえ20本程度は視聴していた)、昨今の深夜アニメの放送本数の増加傾向に伴い、実生活になんとか組み込める「各クールにつき30本程度」という数字に頑張って絞るようにしてきたというのが実情である。
もう少し各クールの放送本数そのものが少なかったら視聴作品を絞る必要すらないのになと思ってしまうのは偽らざる本音であるが、この辺りは大人の事情が大いに絡むのだろうから、現在のアニメ市場はそうならざるを得ない状況なのだとひとまずは納得しておく。
今回の記事では、この先実生活とのバランスをとっていくに当たって、これまでのように「30本程度」という数字を維持していくのが難しくなるかもしれないことに備え、どうにか「20本程度」あるいはさらに飛躍して「10本程度」に各クールの視聴作品を絞るにはどうすればよいのかについて、真剣に再考してみた。
【第一部】これまでの視聴作品の取捨選択のスタンスの整理
まずは、これまでの自分のスタンスの整理を行い、今後の視聴作品の優先順位の付け方を再考してみたい。
各クールについて、自分はどのような信条で視聴作品の取捨選択をしてきたかという自己分析を行った結果が以下になる。
①あくまでも自分の価値観を尊重する
自分は視聴作品の取捨選択時に限らず、その放送中もできるだけ他人の評価や感想は目にしない、耳に入れないことを信条としている。
もちろん、各作品の公式Xは(返信欄には極力目を伏せながら)しばしばチェックしているし、オタク仲間と現在の注目作品などについて意見交換を行う機会はあるのだが、各クールのランキング記事をメインの執筆活動にしている以上、その評価や感想の純度は可能な限り高くあるべきだと考えている。
その分、各クールのランキング記事の投稿が終わった後しばらくは、他のクリエイターの方々の記事などを貪るように読ませていただいているのだが、自分の評価や感想との類似点や相違点を思う存分味わえるこの瞬間は、いつ何時も至福の一言に尽きる。
なので、例えば「世間で話題になっている作品に絞って視聴する」というのは、昨今のアニメ市場を取り巻くオタクの方々の審美眼を鑑みれば、実はかなり合理的な選択肢ではあるのだが、これまでの自分にとっては非常に難しい選択肢だったということになる。
②「今やっている作品を今見られるのは今だけ」
「なぜそんなにも多くの作品を視聴しているのか」と人に聞かれた時に、まず第一声として伝えているのがこの言葉である。
もちろん、これは深夜まで起きていてリアルタイムで視聴するということまでを指すのではなく、あくまでも現在放送中の作品を同クール中に視聴するという程度の意味合いである。
とはいえ、各クールにつき30本程度という作品数を追っていこうとする以上、あまり溜め込むわけにはいかないのだが、実際のところ、放送当日か遅くとも翌日までには視聴を終えているというのが実情である(なお、自分はどうしても視聴環境が整わないときを除いて原則録画勢である。)。
なぜ、そこに拘るのかと聞かれたら、①とは一見矛盾するものの、やはりオタク界隈の盛り上がりをなんとなくではあるものの実感しながら、鉄が熱いうちに感想を共有したいと思ってしまうというなんともめんどくさい心理からである。
そして、自分は逆張り気質のあるオタクであるので、「世間では注目されていなかったが自分には刺さった」という作品に出会えた喜びは何物にも代えがたいというのは、これまで幾度も実感してきたところであるし、これは自分が多くのアニメ作品を視聴している意義にも直結する概念である。
そうしたいわゆる”掘り出し物”に、後追いで出会える機会はそうそう多くないだろうということは、ご想像いただけるかと思う。
③視聴した作品は必ず感想も執筆したい
これについては、以前も単独記事として自分のスタンスを提示したことがあるが、正にその言葉どおりの意味である。
簡単に要点をまとめるなら、少々極論にはなってしまうが「(あくまでも自分にとっては)感想を書かないのであれば、アニメを視聴する意味は無い」といったところだろうか。
これに関しては、これからも譲りたくはない。
どうしても感想を執筆する時間がとれないのであれば、感想が執筆できる本数まで視聴数を絞りたいというのが、そもそもの本記事の主旨でもある。
もし、当該記事に興味を持ってくれた方がおられたら、併せてご覧いただければ僥倖である。
以上の①~③に加え、無視できないのが「シリーズ作品」の存在である。
ここでの「シリーズ作品」の定義は、狭義ではいわゆる2期や3期、分割2クール作品の後半クールといった続きものを示し、広義ではスピンオフ作品やリメイク作品などもそれに当てはまる。
これらの「これまで視聴してきたのだから無条件に視聴することとなる作品」は、各クールにおいて限られた視聴作品枠を常に圧迫し続けている。
参考までに、直近1年間に自分が視聴した「(狭義の)シリーズ作品」の実数を示してみる。
★2023夏アニメ (全31作品中)12作品
★2023秋アニメ (全30作品中)11作品
★2024冬アニメ (全31作品中)8作品
★2024春アニメ (全32作品中)12作品
そして、ここには新規の2クール作品の後半クールは含まれていないので、それらを含めれば、残された視聴作品枠はさらに限られたものになる。
今後において、「20作品程度」ましてや「10作品程度」まで視聴作品数を絞ろうとするのが、いかに険しい道のりになるかがお分かりになるかと思う。
【第二部】これからの視聴作品の取捨選択のスタンスの再検討
以上を踏まえ、今後において視聴作品のさらなる取捨選択に迫られた場合に、何を優先してそれを行うのかを再検討していきたい。
①「20作品程度」を目指す場合
現在の視聴作品数が「30作品程度」であるので、従前よりも10作品程度を減らすことになる。
究極の理想を言えば、各クールにおいて下位の評価になった10作品程度を最初から視聴しなければいいわけであるが、これは結果論でしか語れないというのは自明の理である。
であるので、まずは視聴作品枠を圧迫しがちなシリーズ作品についての取扱いから定めていきたい。
それに当たり参考となるデータとして、実は直近の2024春アニメについては、下位の21位~32位の作品の中に(狭義の)シリーズ作品が4作品含まれている。
つまりこれに関して言えば、【第一部】②における放送クール中の視聴に拘らなければ、1期は視聴したもののそこまで自分の評価は高くなかったなど、ある程度割り切ってふるいに掛けられる作品が高確率で存在する可能性が示されている。
【第一部】②における”掘り出し物”という要素にしても、シリーズ作品であれば掘り出し物も何もないので全く問題にはならない。
よって、シリーズ作品については、どうしても続きを放送クール中に視聴したいという作品を除き、(後から視聴する時間がとれるかは別として)その他は全て後追いの視聴分に回すのが妥当であろう。
そして、これまでの自分は第3話辺りまで視聴継続した作品については、概ね最終話まで視聴してきたのだが(逆に言えばそれまでに「30作品程度」に絞るようにしてきたということ)、視聴取り止めの判断基準の時期を終盤付近まで延長することが考えられる。
つまり、【第一部】③に対する抜け道のようになってしまい心苦しくはあるのだが、要は「最後まで視聴していないのだから最初から視聴していないのと同義」と強引に自分を納得させてしまうのだ。
これを許容すれば、「ひょっとしたら後半化けるかも…」といった理由で視聴継続していた作品が、思いの外期待外れであった場合などにも対応することができ、いわゆる”掘り出し物”を取り逃してしまうリスクも最小限に留めることができるだろう(最終話で大どんでん返しがある可能性も否定はできないが)。
もうお察しかもしれないが、自分がこと日々の忙しさが増すに当たって、最も時間的・精神的な負担に感じてしまうであろうことは、「視聴した作品の感想を執筆すること」であり、本項目で目指している「20作品程度」(≒一日平均3本程度)なら、おそらくよっぽどのことがない限り視聴すらままならないという状況には陥らないだろうと考えている(そもそもアニメ作品の視聴自体が日々の重要な癒し要素でもあるので優先度は高め)。
以上の点をもってすれば、各クールの終盤までにおいて「20作品程度」にまで作品数を絞ることは十分可能なのではと考える。
②「10作品程度」を目指す場合
ここまで来たら、何を除くかという減点方式よりも、何を残すかという加点方式で考える方が早いだろう。
本項目における「10作品程度」という数字は、自分の中ではランキング記事を執筆する際の最低限度の作品数であり、「ベスト10」を下回る場合は個別の作品記事とするのが相応しいと考える。
上記①ではあえて触れなかったが、結局のところ【第一部】③における「視聴した作品は必ず感想も執筆したい」ということに拘らなければ、この先どんな状況になろうとも(視聴するだけなら)これまでの視聴作品数に近い数字は維持できるかもしれない。
しかし、これはもはや自分のオタクとしての矜持であり、譲れない意地であり、そしてこれまでの生き様でもある。
それを無くしてしまえば、少なくともアニメオタクとして自分は死んでしまったと同義になるだろう。
それらを踏まえて、本気で「10作品程度」を目指すなら、「(自分にとって)絶対に見逃してはならない作品」を見出す審美眼を本気で手に入れるしかない。
オカルトめいた発言にはなるが、近年では継続して年間120本程度の作品を視聴してきた自分には、なんとなく「作品から漂うオーラ」というものを感じられるようになってきたのではと自負している。
実際のところ、各クールの序盤における視聴作品の取捨選択の段階では、その感覚に頼っているところが大いにあり、これは世間の評価に頼らずにあくまでも自分の判断基準を信じて戦ってきたからこそ得られたものだと分析している。
何を言っているかは分からないとは思うが、それを乗り越えて生き残った10作品は、それこそ「一騎当千の十傑」と称するに値すると割と本気で信じている。
【おわりに】
今回の記事は、各クールの視聴作品数が「30本程度」という極めて個人的な事情を踏まえた内容であったがいかがだったろうか。
おそらく同じような状況で共感をしていただけるケースは稀であると思われるが、世のアニメファンの方々が各クールにおいてどれぐらいの作品数を視聴しており、どのような判断基準でその取捨選択をしているのかは非常に興味のあるところである。
そして、今回の記事で自分が「険しい道のり」と表現した10作品程度(あるいはそれ以下)の視聴数を実現している方々は世の中に大勢いて、その各々が己の審美眼を育んでいるのが紛れもない現実なのだ。
もしよろしければ、それらについて「自分の場合はこうである」というようなコメントをいただくことができれば望外の喜びである。
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