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2024秋アニメ感想まとめ

2024秋アニメの感想をランキング形式でまとめています。


<30位> 株式会社マジルミエ

評価:B-

お気に入りキャラ:桜木カナ 二子山和央

なんとなく絵柄が気に入って、内容は全くご存じなかったがLINEスタンプだけはけっこう前から愛用していた作品。ただ、いざ視聴を開始してみるとシナリオ面で惹かれることはほとんどなかった。それは思うに、”職業としての魔法少女”を妙齢の女性に嬉々として語らせるのは痛々しい描写になってしまうので、その部分が社会的使命のような理屈的な動機で説明されたことにより、さしたるフェチズムも感じられずギャグ描写としても非常に弱くなってしまったのが原因かと。単純に話を盛り上げるなら二子山のような男性のオタク目線からのロマンを前面に押し出すことが必要だったはずなのだが、変に真面目ぶった”ベンチャー企業”としての物語が中核とあっては心に訴えかけるものは少なかったと言わざるを得ない。せめてもっと恋愛描写に注力していたならまだ見やすかったのだが、今更それを挿入されてもどこぞの馬の骨が相手になりそうで手遅れ感は否めない。


<29位> 魔法使いになれなかった女の子の話

評価:B-

お気に入りキャラ:ユズ=エーデル

『リトルウィッチアカデミア』然り、少しレトロで暖かい雰囲気の絵柄による表現が光るのがこの手のジャンルの作品の特長よね。これが深夜アニメである必要は全く無いと思うが、こういう作品が無くならない限りはまだまだ大丈夫だと思えてしまうのが嬉しい。とはいえ、良かったのは本当にその雰囲気だけに留まり、主人公のクルミが秘めた”古代魔法”の才能を発揮するのが終盤にしかもほんの少しだけだったというのがあまりにも痛く、いくらなんでも助走期間が長すぎた。肝心の”古代魔法”の描写にしても、ようやくこれから何かが起こるかもといった段階で話が終わってしまいカタルシスも何もあったものではなく、最終話でも今後の不穏な展開を匂わせただけ。(あるかどうかは不明だが)2期からが本番と言われようとも現段階では厳しい評価にならざるを得ず、”夢に敗れた少女が新たな夢を見つける”という1点のみで押し切るのは無謀だったのではなかろうか。


<28位> 多数欠

評価:B-

お気に入りキャラ:国後依恋くなしり・えれん

まさかの大団円ハッピーエンドに収まったのは至極意外だったが、最終話があまりにも急展開すぎて話の流れに頭が付いて行かなかった。確かに前半戦の主人公である実篤と紗綾が復活しそうな兆しを見せた時から終盤の熱い展開を期待してしまってはいたが、最後の最後でいきなり二人が復活してなんか良い感じに過去を改変して敵味方全員が救われて良かったねではポカーンである。自分の察しが悪かったと言われればそれまでなのだが、後半戦の主人公の頼音らいおんの真の狙いがこの結末でありそこに向かって話が進んでいたという実感が全く無く、作者が最後に方向転換したのかと疑ってしまったぐらい。なんにせよ、女王サイドとの総力戦も粛々とタスクをこなしていく感じで盛り上がりには欠け、真のラスボスとして暗躍しそうだった八木橋も雰囲気を匂わせだけ、待望の実篤と紗綾の復活もさしたるカタルシス無しと色々勿体無かった感は否めず、原作勢の意見も気になってしまった。


<27位> 戦国妖狐 千魔混沌編

評価:B-

お気に入りキャラ:灼岩しゃくがん

全3クールに渡る戦国絵巻も無事完結。なにはともあれ、こうしてそれなりの長編でありながら原作の最初から最後までの完全アニメ化を果たすことができたのは、くどいようだが絶大な価値がある。個人的には、遂に最後まで千夜よりは真介が主人公である意識は抜けきらなかったのだが、その分灼岩との再会は胸がいっぱいになったので良しとしよう。欲を言えば、そんな二人のイチャコラをもっと見ていたかったのだが、最後は数十年後に時が飛んで少し物哀し気な締め括りになったのは水上先生なりの美学なのかしら…。思い返せば、迅火とたま、千夜と月湖(そして雪女の“せつ”)、そして真介と灼岩の関係性然り、ラブコメ成分を摂取できた場面の数々がなんだかんだ一番楽しかった思い出。千夜VSムド、神雲VS道錬のような”漢の戦い”も悪くはなかったが(特に後者)、水上先生のキャラはやはり”好きな女”のために命を賭して戦っている姿が一番カッコよくて魅力的だ。


<26位> Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season 襲撃編

評価:B

お気に入りキャラ:レム

クール終盤に唐突に再放送が続いた時は万策尽きたのかと思ったが、各クールに8話ずつの変則的な2クール放送とのこと。相も変わらずマゾっ気のある人には堪らない苦痛と絶望に塗れた展開のオンパレードであり、その中にありながらエミリアの純真さとあくまでも”普通の人間”であるスバルの彼女の騎士としての必死な振舞いは一条の光として眩しく輝き、涙がちょちょぎれそうになる。これだけそういうことが繰り返されてきたなら、今回もなんとか乗り切ったとしても束の間の平穏なんだろうなあ感はどうしても滲み出るが、「暴食」の大罪司教を遂に倒した暁にはきちんと”そういう時間”を用意してくれると願って止まない。ホント、冗談抜きでそろそろ彼女の色んな表情も忘れかけてきたのは嘘じゃないので、言うほどMじゃない自分にも分かりやすいご褒美を与えて欲しい。こうした作風に根強いファンが付いているからこそだというのは分かってるんだけどねぇ…。


<25位> 君は冥土様。

評価:B

お気に入りキャラ:雪(シュエ)

「メイド」→「冥土」→「殺し屋」というのは古典的な発想だが、可愛ければそれでヨシ!『SPY×FAMILY』のヨルさん然り、殺し屋のヒロインに日常生活でのギャグをやらせてもいいんだという風潮は市民権を得ている気はするが、こういうのを見る度に法治国家での立場はどうなっているのかなとも考えてしまうのは少数派なのかしら…。メイドなのに家事が不得手なのはお約束ではあるが、これも可愛ければそれでヨシ!別居している妹が頻繁に遊びに来るのも解釈一致というか、主人公とヒロインのどっちに絡んでも良い仕事しかしないのでもっと増えてもいいぐらい(『僕の妻は感情がない』では少し物足りないぐらいだったので)。というか、最終話の締め括りはさすがに主人公は曲解が過ぎるのでは?部屋で泣き出した時は何事かと思った件。その時の雪の気持ち然り、まだ見ぬ彼女の妹の存在然り、1クール作品としては消化不良感は否めなかったのはマイナス点かな…。


<24位> トリリオンゲーム 

評価:B

お気に入りキャラ:―

ミリオン→ビリオン→トリリオン=「1兆」である。頭脳全振り系男子とコミュ力全振り系男子のデコボココンビが世界を相手にハッタリまみれのマネーゲームでのし上がっていく様を軽快に描いた作風は、ファンタジーが過ぎる内容ながらも地道にコツコツと稼ぐことしかできない小市民の自分にはあまりにも眩しくて見入ってしまう。こういうのって世の中そんな上手くいくわけないだろと嘲笑しがちだけど、誰しもが密かに憧れてしまう夢の人生のシナリオでもあるんだろうな…。そういう意味でより感情移入できるのはガクなんだけど、現代社会において本当に貴重な替えの利かない人材っていうのはハルなんだと思う。リスクを恐れないというよりは、失敗してもまたやり直せばいいって前だけを見て進める人物にはカリスマ性がついて回るし、その背中を追いたくなるもの(胃に穴が空きそうではあるが…笑)。これはもちろん、世界の頂点トリリオンまで描いてくれるんだろうな~(圧)


<23位> BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-

評価:B

お気に入りキャラ:くろつちマユリ 毒ヶ峰リルカ

滅却師クインシーサイドの面々が理不尽な能力任せに盛大にイキり散らかしてボコってくる展開はワンパターンだしお世辞にも面白いとは言い難いのだが、こういうのを見ていると終盤の『BLEACH』だなあ…と謎の感慨に耽った気分にもなる。そんな中で(物理的な意味でも)光っていたのはマユリ様であり、死神サイドの理不尽担当として唯一まともに張り合えていたのは特筆に値する。人道的観点からはとんでもない外道なはずなのだが、「それでもマユリ様なら…」と絶大な信頼を寄せたくなるのはなんとも不思議で、ネムとの関係性なんか父性に溢れすぎていてむしろちょっと感動してしまったぐらいでこれが噂のヤンキー傘理論なのか。ホント、良いキャラだ…(絶対に十二番隊には入りたくないけど)。そういえば、いわゆる「巻頭ポエム」は「巻頭歌」という正式名称があったらしい。アニメに則して新規ポエムも増えているけど、全話放送後にはまとめ記事も作ってみたい(未確定)。


<22位> らんま1/2

評価:B+

お気に入りキャラ:久遠寺右京(未登場)

高橋留美子先生の往年の名作のリメイク第2弾。物語冒頭で「80年代都内某所」とわざわざ表記する辺り、これが許されるならマジで『めぞん一刻』のリメイクもあるんじゃないか?正直、そこが一番の課題であったろうし…。そして、「放送冒頭の恒例のやり取り」が忠実に再現されており懐かしすぎてニヤリ。昔はそこらでもサラリとtkbが描かれていた気がするが令和の時代ではやっぱ難しいようで。キャラデザは『うる星やつら』こそが至高だったという主張は譲る気は無いが、こちらも一瞬で目が慣れてしまったのはちょっと悔しい。旧アニメと声優が(ほぼ)変更無しというのも懐かしさは否定できないけどもといったところで、やはり勢いは物足りなく感じる場面もあったので、『うる星やつら』のように一新していても特に文句は無かったかな…。満を持して登場のシャンプーはさすがの人気キャラだけあって扱いは一級品。推しキャラのウっちゃんの登場も切に待たれる。


<21位> るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱

評価:B+

お気に入りキャラ:高荷恵

おそらく原作の最盛期であろう「志々雄真実ししお・まこと編」。『ドラゴンボール』で例えるなら「フリーザ編」に当たると思われ、当時の原作界隈の盛り上がりが自ずと窺われ目に見えぬパワーを感じてしまう。繰り返し、自分は大学時代に後追いで原作を一回読んだだけなので(旧アニメも未視聴)、そういやこんな話だったなを継続中なのだが、操がこんなにもかいがいしく剣心に付き添っていたのは改めて薫じゃなくともヒロイン交代の危機を感じてしまうだろう(どう考えても可愛いし)。どちらかと言えば、留守を預かった恵のいじらしさの方にグッときてしまった派ではあるのだが、この時のヒロイン論争も肌で感じてみたかったなという気はする。さらに、一時代を築いた「二重の極み」を左之助が会得したり、剣心が「逆刃刀・真打」を手にしたりと満を持しての展開が目白押しでさあいよいよというところまで来たので、このまま当時の時代の熱量を再現してくれることを期待している。


<20位> 来世は他人がいい

評価:B+

お気に入りキャラ:深山霧島

今期の序盤では視聴継続のボーダーラインにいたがなんやかんやしっかり楽しんでしまった枠①。とにかく登場人物たちの暴力描写が割とシャレにならないレベルであり、これぞ深夜アニメという醍醐味は存分に味わえた。さすがに『凍牌』のガチ描写には及ばなかったものの、深山霧島がフォークで相手の○を突き刺した時は思わずヒエッと息を飲んでしまった。主人公が女性なのでおそらく女性向け作品なのだと思っていたら、掲載誌は「アフタヌーン」で作者も男性らしい。絵柄や話の展開からしても女性作者っぽかったのでかなり意外で、貴重な才能がまた一人現れてしまった。主人公の吉乃が(性格的に)男前で肝が据わっているので、どんなに無茶苦茶をやらかそうとも深山霧島がヒロイン枠であり、石田彰氏のベテラン味溢れる演技の妙に浸りながら彼が”攻略”されるのを見守るという自分のスタンスはおそらく世の共通認識であると想像するのだがいかがだろうか。


<19位> 甘神さんちの縁結び

評価:A-

お気に入りキャラ:甘神朝姫あさひ

今期の序盤では視聴継続のボーダーラインにいたがなんやかんやしっかり楽しんでしまった枠②。巫女三姉妹のハーレムものというのはいかにも自分が好みそうな作風ではあるが、想定以上にありがちな作風であったというのが序盤の評。しかし、徐々に三姉妹からの矢印が主人公に向けられるようになるとコロッと手のひら返しをしてしまった笑 『ダンダダン』然り、若山詩音さんの好演がここでも光り、その効果も相まって三女の朝姫が推しキャラになったのだが(良い意味で)甲乙付け難いところはある。こうなるとどうしても誰エンドになるかに意識が向きがちになるが、おそらく三姉妹作品の定番としては次女の夕奈ゆなが本命であるとは思われる(こう考えると『らんま1/2』は例外だったんだなと)。2クールでそれぞれのヒロインのターンを順番に描いてくれるようなので待機中だが、その”決着”まで描き切ってくれたならググッと評価がうなぎ上りになることは間違いない。


<18位> 合コンに行ったら女がいなかった話

評価:A-

お気に入りキャラ:琥珀

今期の序盤では視聴継続のボーダーラインにいたがなんやかんやしっかり楽しんでしまった枠③。タイトルからBLものであることを憂慮し、もしそうだったら遠慮しようかなと考えていたが、しっかり男装女子の話だったので一安心。そして、本作品ならではの視聴感としてやはり「琥珀✕萩」のお互い不器用カップリングは外せない。琥珀の男装状態に目が慣れ過ぎていていざ女の子の姿で出会ってしまうと戸惑ってしまうという萩の心理が滅茶苦茶理解できてしまい、シンクロ度がハンパなかった。琥珀の本来の姿にドキドキする一方、いつもの男装状態でないことに一抹の物足りなさを感じてしまうのって俺ってそっち系?とかこれって二股では?とか悩む姿はカッコ悪くもさもありなんであり、「だって、その人だから好きなんでしょ?」という彼女の言葉に一緒に救われてしまうのは致し方なしなのだ。なんだかんだ、今期でトップクラスにお気に入りのヒロインだったなあ…。


<17位> チ。―地球の運動について―

評価:A-

お気に入りキャラ:オクジー

現代では世界の常識となっている「地動説」について、かつて「天動説」が世界の常識とされていた時代にそれを異端者扱いされながら唱えることがいかに命懸けの行為であったのかを残酷なまでに描いた怪作。人の想像力や好奇心は止められないという真実をこれほどまでに重く感じたことはなく、その教育的観点からもNHKでの放送も然りといったところか。登場人物たちの言動は当然フィクションであろうが、こうして「”受け継がれる意志””人の夢””時代のうねり”——人が『自由』の答えを求める限り それらは決して——止まらない」という有名すぎる言葉の生々しさを目の当たりにすると、けして目を背けてはいけないと思いつつも過剰なまでの画面演出の暗さに幾分ホッとしてしまう自分がいるのもまた真実。彼らの”生き方”を通じて”信仰”の輪廻と壮大さに震えつつも、この常識に塗れた世界に疑いを持つことを忘れてはいけないと改めて思い直した次第である。


<16位> シャングリラ・フロンティア 2nd season

評価:A-

お気に入りキャラ:エムル 秋津茜

今期の主力イベントの一つだったビィラックに「古匠」のジョブを習得してもらい、「規格外エーテルリアクター」を修理することでウェザエモンの遺産を満を持して運用する件がひとまずは肩透かし…と見せかけてからの展開はようやくといったところ。しかし自分もリュカオーンの呪いのせいで装備ができないかもという発想に至らなかったのは謎だ。そんな中、見逃せないのが”秋津茜”という新たなプレイヤーの登場であり、なんとサンラク同様に「七つの最強主」の一角に認められてマーキング(呪い)を付けられているとのこと。つまり、「兎の国からの招待」の発生条件は、リュカオーン戦に限らず「七つの最強主」と戦うことでヴォーパル魂を示すことにあると思われ、遂にサンラクの独占状態では無くなってしまった。ヒロイン的観点からはくのいちっぽくて期待大なビジュアルなのだが、その辺りの”独占状態の心地よさ”とのバランスは重要なので今後注目して見守りたい。


<15位> 転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

評価:A

お気に入りキャラ:シャーロット・レイス

これを「なろう系」の一言で片づけてしまうのはもったいなさすぎる作品。相変わらず、シャーロットは14歳とは思えないバディと年相応の内面とのギャップがたまらなくて、メタ台詞で最近出番が少ないことを嘆いていたがほんとそれ。一方、シナリオが大局的な国家単位の話になっていくにつれて、どうにもご都合主義で雑な展開だなあと思える場面も増えてきて、キャラの魅力に注力できた1期に比べると何段階か評価は下がってしまった感は否めない。アルスが論功行賞にて任じられたカナレ軍長の前任であったルメールの言葉にもあったように、規模は小さくとも愛着のある故郷で統治を行いたいというのは彼の紛れもない本音だろう。そしてきっと、本来ならアルスもそちら側の人間であるように自分は感じている。アルスが順調に上り詰めていくことへのワクワク感ともっと彼と臣下らの交流(そしてラブコメ成分)を楽しみたいという天秤はなんとも贅沢な限りであった。


<14位> ダンダダン

評価:A

お気に入りキャラ:モモ(綾瀬桃)

「幽霊は信じているが宇宙人は否定派」のモモと「宇宙人は信じているが幽霊は否定派」のオカルンの男女のバディによるホラーでハチャメチャなドタバタ劇。「高倉健」というオカルンの本名にまつわるモモの反応やアニメのテロップには思わずクスリ。怪異としては知名度抜群の「ターボババア」を主要キャラに抜擢してコミカルに扱うというのもなんとも新鮮であり、高倉健ネタと合わせてこの辺りは作者のセンスだなあと。さすがのサイエンスSARUであり作画・演出上のクオリティも申し分なく、現在絶好調の若山詩音さんの好演も相まって世間では今期の覇権候補として注目されていたのも納得である。個人的には怪異要素にはあまり食指が動かないのでそこでのブーストは働かなかったのだが、あくまでもラブコメとして捉えた場合には”オタク男子とギャル”という近年市場を広げている要素まっしぐらであり、片翼でも戦えたのはその純情の解像度の高さに他ならない。


<13位> 凍牌~裏レート麻雀闘牌録~

評価:A

お気に入りキャラ:アミナ

『ぽんのみち』に続いて定期的に麻雀作品が供給されるのは嬉しい限りであるが、こちらはそのギャンブルの闇をとことんまで突き詰めた裏世界まっしぐらの内容であり描写は過激そのもの。正に「勝利と破滅を容易に天秤に掛けられる者でなければギャンブルは支配できない」という作中の言葉通りに、一歩間違えば破滅はこちら側だったというギリギリの勝負が繰り返され、それに敗れた者の絶望と悲鳴が毎回のように響き渡る。これぞ深夜枠というべき過激な内容はかなり人を選ぶだろうが(モザイクもほとんど無し)、麻雀のギャンブル性の魅力を少しでも理解できる者なら背中に冷たい汗を感じながらもその”本質”から目を離せないのは必然である。(その経緯はともかくとして)数少ない作中の癒し要素であるケイとアミナの関係は、正に”飼っている”という表現が一番近いと思っていたら、公式サイトのキャラ紹介でもそう記載されていてゾクリ。とことん攻めてるなあ…。


<12位> ラブライブ!スーパースター!!

評価:A

お気に入りキャラ:唐可可 マルガレーテ

悔しいけど面白かった。かのんとLiella!がライバル関係になる展開はむしろ想定内だが、マルガレーテまできちんと可愛く思えるようになってしまったのは想定外(完全に真姫ちゃん化よね笑)。前年度に優勝したLiella!の新たな目標ライバル及びシナリオ上のスパイスとしてのトマカノーテの存在は大いに意義のあるものであり、2期における2期生の加入とは化学反応の度合いが雲泥の差。どうしてこれを2期でやれなかったし。3期の個人的最熱ポイントは上海編で、「好きなことを頑張ることにおしまいなんてあるの?」とかつての可可の至言をそのままかのんが返した場面では不覚にも感涙。っぱ、かのくぅが原点にして頂点なんだよなあ…(異論は認める)。その他、存在がほぼ空気になっていた2期生のテコ入れ(特にきな子)も順当に行われ、あのラストの留学詐欺の絶望感からよくここまで持ち直したものだと花田先生を労いたい…ていうか、これができるなら最初からやれ。以上。


<11位> ブルーロック VS. U-20 JAPAN

評価:A+

お気に入りキャラ:潔世一 國神錬介

現在『アオアシ』の原作にドハマりしている身としては、ストライカーだけでチーム編成して世代代表に喧嘩売るとかなめてんのかと疑心暗鬼だったが、いざ試合が始まってみるとやっぱり熱くてそんなちっぽけな感情はどこかに行ってしまった。前線のポジションに配置されなかった選手たちが腐らずに自分の役割に徹していた描写も素晴らしく、特にGKの我牙丸、CBの二子、ボランチの烏の働きは実に見事であった。ここに来て曲がりなりにも絵心と選手たちの信頼関係が築かれている描写も心地良く、なんだかんだ”才能の原石共”の予想を超えた成長に魅了されているのは十分すぎるぐらい伝わってきた。そして最後の最後でかつての推しキャラだった國神がカムバックしたかのような描写は驚きであり、これは期待してよさそう。作者も最初からその予定だったのかは不明だが、彼の脱落は急で残念すぎたし人気もあったろうから読者の声の後押しもあったのかな…?


<10位> ネガポジアングラー

評価:A+

お気に入りキャラ:鮎川ハナ

まずはヒロインのハナの髪のボリューム感が非常に良き。2次元すぎる(ある意味3次元だが)といえばそれまでだけど、こうやって釣られた人間がいる時点で成果(釣果?)はあったといえるだろう。ていうか、なにげにアニオリ作品だったのね。サラッと冒頭で発覚した余命2年という主人公の設定は激重だが、ほとんどスルーされていたのでこのままなし崩し的に無くなるのかなと思っていたらやっぱりそんなことはなくて、きちんと消化はされたものの別にこの設定は不要だった気もする。というのも、”釣り”というミドルの男性が好みそうな趣味を女子高生が…というのはお約束だが、それに加えてコンビニのバイト仲間同士で和気藹々と釣りを楽しんでいる描写だけで自分はご飯が何杯でも食べられたのよね。欲を言えば、ラブコメ描写がほぼ皆無だったのは残念で、常宏とハナのロマンスとか勘違いさせやすいタイプのこずえが巻き起こす騒動なんかも見てみたかった。


<9位> 2.5次元の誘惑リリサ

評価:A+

お気に入りキャラ:753♡

引き続きコスプレ愛に溢れた描写が非常に勉強になり、夏コミの過酷さや「合わせ」の醍醐味や難しさなど、なるほどなと思わされる場面は非常に多かった。自分のように予備知識が無い層だからこその感想なのかもしれないが、こうやって(主にオギノやまゆりを通じて)丁寧に解説してくれるのはありがたい。特に合わせの場面においてリリサのポージングの無限のバリエーションが生かせなかった描写には目から鱗が落ち、囲みが続かない原因にまで繋げるのは見事。一方、終盤のラブコメ描写も絡めた”被写体が生きた人間である”ということを理解するという場面においては、レイヤーとカメラマンにそこまでの関係性を求めるのは酷であるようにも思えたが、”良い表情”を突き詰めようとするなら現実でもさもありなんな要素なのだろうか。ここからの方向性はこれまでと同様の視聴感ではなくなる可能性はあるが、ラブコメ度はマシマシなので注目していきたい。


<8位> 妻、小学生になる。

評価:A+

お気に入りキャラ:新島貴恵/白石万理華

なにはさておき悠木碧さんでなければここまでのクオリティには至らなかったであろうことは明白。掛け値なしに賛辞の言葉を贈りたい。10年間の喪失感をようやく埋めることができた父娘と死後によその家庭の子供に魂が憑依した妻の家族としての絆は、歪んだ形ではありながら離れがたいものとしてお互いを固く結び付け、時に大いに涙腺を刺激された。こういう話は1クールできちんとその結末までを描き切ってくれるかが重要になるが、その点も抜かりなくこのような作品がもっと増えてほしいと願ってやまない。その”間違った選択”が迎える帰結点は予想はできていたものの、これが”正しい結末”であったと確信できる然るべきものであった。唯一、圭介が好意を寄せてくれた相手と再婚しなかった点は賛否が分かれそうだが、現実的には再婚する方が自然だった気はする。話としてはより綺麗になったかもしれないが、その選択を責めることは自分にはできそうにない。


<7位> 結婚するって、本当ですか

評価:A+

お気に入りキャラ:海山ナオ

新しく開設されるアラスカのアンカレッジ支店に飛ばされないために、人付き合いの苦手な男女同士が疑似的な婚約をしてしまったら予想外に周りが盛り上ってしまってなんやかんやという話。ぎこちないながらも女性の方からの提案でしかも年上の先輩からというのが至極解釈一致であり、年下の後輩からでもそれはそれで萌えただろうけど、このアイデアならやはり男性側が年下の方がグッとくる(同人誌的な意味でも)。と言いつつ、実は主人公の幼馴染の方が好みだったのだが、”そういう展開”がほぼ皆無だったのは残念ではあり、一応ヒロインにモヤモヤ感を与えるという最低限の仕事はしたもののちょっと思わせぶりな存在だったかなとは思う。とはいえ、二人が徐々にお互いを強く意識するようになって本当の結婚に至るまでの過程は終始頬が緩んでしまうような甘々加減であり、やはり1クールできちんと話を完結させる素晴らしさバフ効果を改めて実感した次第である。


<6位> アオのハコ

評価:A+

お気に入りキャラ:蝶野雛

とにかく絵柄が美麗で作画が雄弁に語りかけてくる作品。演出においては原作の決めゴマを大事にしているということで、おそらく原作を読んでいるときと変わらない感覚で視聴できているのだろう(未読勢)。一方、シナリオ面はテンプレ展開の域に留まるもので、メインヒロインの千夏が主人公の大喜と同居するという要素は今後の制約デメリットの方が大きくなりそうで今のところ懐疑的。サブヒロインの雛についても、新体操部の期待の星の美少女としてチヤホヤされている描写は微妙に解釈不一致で、隠れファンが多いという描写に留めるぐらいが個人的には望ましかった。とはいえ、これほどの至高の作画クオリティで連続2クール放送できるのは驚きであり、ストーリーの真骨頂はここからなのでというメッセージであることを大いに期待している。雛派としては、花火大会の河原において大喜が戻るのをずっと一人で待っていてくれた時点で優勝。健気で一途ってやっぱ大正義。


<5位> アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season

評価:S-

お気に入りキャラ:芹沢あさひ 田中摩美々 桑山千雪 樋口円香

2期ではストーリーの質がグッと上がったように感じ、アンティーカの咲耶、アルストの千雪、放クラの智代子など、個人の心の暗い部分にフューチャーすることで結果的にユニット全体の絆の話に昇華していく手法は実に見事。特にアンティーカ回はED曲「橙より未来」のイントロを感情のクライマックスに重ねる演出が最の高であり、思わず溜息が出てしまった。新規ユニットのストレイライトとノクチルも抜群の存在感を示し、特にノクチルのデビューライブでの「口パクじゃないじゃん、練習してきたの」は大人目線からはうわぁ…だけどカッコ良すぎた。ポリゴン・ピクチュアズのお家芸の3DCG技術を駆使したライブシーンも相変わらず素晴らしく、各々の微妙なモーション差はもちろん、汗で髪が顔に張り付く様子まで忠実に表現してくれた日には本当に頭が下がる思い。音響も臨場感にこだわって調整されていたようだし、これは劇場で鑑賞する価値は大いにあったと少し後悔。


<4位> オーイ!とんぼ 

評価:S-

お気に入りキャラ:大井とんぼ 五十嵐一賀

遂に島を出て外の世界に飛び出したとんぼの衝撃デビュー。新しいコーチがとんぼを型に嵌めようとして闇落ちさせてしまうというような展開にならなかったのは一安心。九州女子選手権においては、同年代のライバルたちと初めての真剣勝負をすることになったが、”競技としてのゴルフ”が丁寧に描写され、勝ちたいという欲やそこから生じるプレッシャー、そしてそれを乗り越えた時の喜びなど、島での”遊びのゴルフ”では味わえなかった神髄にとんぼが踏み入っていく描写は見事。そして、ひのきが(半ば父親から強要された)勝利に執着するあまりに不正を犯してしまうものの、ライバルたちのゴルファーとしての姿勢に心打たれ、自分もそうなりたいと強く願うまでになるシナリオには大いに涙腺を刺激された。「ゴルフは紳士淑女を育てるスポーツ」という作中の言葉、それを伝えようとする作者の愛が伝わる限り、今後も本作品の素晴らしさは揺らぐことはないだろう。


<3位> MFゴースト 2nd Season

評価:S-

お気に入りキャラ:片桐夏向(カナタ・リヴィントン) 北原望

MFG第2戦・芦ノ湖GTでは”雨と霧”という悪条件を味方につけて非力なトヨタ86とライバル車との性能差をカバーし善戦。MFG第3戦・ザ・ペニンシュラ真鶴ではターボ化され300馬力にパワーアップしたことでいよいよ真の実力の発揮かと思いきや、左肘を痛めシフト操作にハンデを抱えての出走となるなど、圧倒的なパフォーマンス力を誇るが故にいかに悪条件を乗り越えるかという展開が常に付いて回るのはお約束。そこに微塵もストレスを感じないと言えば嘘になってしまうが、MFGは全5戦ということなのでトータルで勝負できれば十分である。”片桐夏向はぶっちゃけどこでも速い”という作中の解説は本当にぶっちゃけすぎだが、これまでは低速区間で勝負せざるを得なかったからこそテクニカルな面が際立っていたというのは伝説に相応しい逸話。ストーリーも相変わらずのぶった切り具合だが、当然のように3期も予定されているとのことなので気長に続きを待ちたい。


<2位> ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ 豊穣の女神篇

評価:S

お気に入りキャラ:ヘスティア

ここまで来たら信者しか残っていないだろうから細かい説明は省いても大丈夫だよねと言わんばかりの演出の数々であると感じるのは間違っているだろうか。それはさておき、この先の展開も含めた原作勢なればこその評価であることは重々承知しているが、酒場で働く町娘のシルと美の女神のフレイヤの秘めたる関係性を描くシナリオは至高の一言であり、序盤から登場していたヒロインによる壮大な伏線には当時大いに衝撃を受けたことを覚えている。”思慕”や”憧憬”という要素は物語のメインテーマでもあるためどのシナリオでも欠かせないものとはなっているが、これだけ長きに渡って秘め続けた一途な想いはやはり特別視せざるを得ないもの。今後の放送予定は2025年初春になるということで全てを踏まえた感想が述べられないのは非常に残念なのだが、物語序盤で感じていた無限の可能性に原点回帰を果たせたというのが嘘偽りのない自分の本心である。


<1位> 村井の恋

評価:S

お気に入りキャラ:田中彩乃

作画・演出的には『ギャグマンガ日和』に毛が生えたレベルなのだが(色々と失礼)、それでも十分満足できてしまうという現実を目の当たりにすると演出云々について語るのって実は不毛な議論なのではとすら思えてくるのはなんとも罪深い(実際、意味が無いなんてことはないだろうが)。序盤から中盤にかけては村井のピュアなアプローチと田中先生鉄仮面の鉄子の乙女ゲームでの推しにまつわる裏の顔をどうにかして隠し通すというギャグテイストな展開でコミカルな笑いを堪能し、終盤にはバツイチ学年主任とのまさかの争奪戦も交え教師と学生の禁断の恋について真面目にラブコメしてなんか良い話にまとめてしまうというシームレスな流れに、もはや春夏秋冬ひととせネタであれだけ騒いでいたのが懐かしいレベルであった。なぜこれがそこまで面白かったのかは上手く説明できないがとにかく面白かったということだけはハッキリしており、一言で言って本当に面白かった(語彙力)。


<劇場版2位> ふれる。

評価:A

お気に入りキャラ:―

秩父三部作のタッグによる最新作。中でも『空青』はかつて過ごした青春時代を思い起こさせるような大人視点の物語がストーリーの主題の一つとなっており、その年齢層にジャストフィットした自分としては当時最高峰の評価を贈ったが、今回も20歳になった幼馴染トリオが少年期からの不思議な心の繋がりに一端のけじめをつけそれぞれの道を歩いていくまでの物語となっており、三部作と共に年月を重ねてきた人々にそのまま寄り添ってくれるような安心感が心地良い。当初の予想よりも成分高めだった恋愛描写も現実あるあるではありながら、だからこそ積極的に共感性羞恥を煽られるような塩梅に劇場内でもだえ苦しんだ場面もしばしば。現実的な心の痛みとファンタジーの融合という点で一貫しているこれらのシリーズにおいて、心地良い場面だけを繋ぎ合わせるだけでは得られないこの感情もまた、名作たり得るには不可欠な要素だと改めて実感した次第である。


<劇場版1位> BanG Dream! It's MyGO!!!!! 後編 : うたう、僕らになれるうた & FILM LIVE

評価:S+

お気に入りキャラ:千早愛音(ただし箱推し気味)

作中のライブ時の「私たち、皆迷子で…すごく仲良しでもなくて…でも、今ここにいる」というともりの一連の言葉にもあったように、「MyGO!!!!!」はどこまでいっても”バンド”であることに本作品の魅力が凝縮されているとつくづく実感する。この言葉をどのように受け止めたかは、その時の周りのメンバーの表情がそれぞれ物語っているが、友情でもない、ましてや絆という言葉にはまだほど遠い”僕ら”であるからこそ、そのむき出しの感情は見る者の心に響き、こんなにも”カッコいい”と思わされてしまうのだ。新規映像の「FILM LIVE」もそんな彼女らの”今”を存分に味わえるものであり、「壱雫空ひとしずく」を待望のライブ映像として見ることができたのには感無量であった。そして、そよのベースヘッドを8の字に揺らしながら優雅に演奏するスタイルと愛音あのんの周りに必死に食らいついていく姿との組み合わせの妙もあり、「MyGO!!!!!」の下手側は個人的に熱いゾーンであることも記しておく。


<2024秋アニメ総評>

まずは以前より自分の記事を読んでくれていた奇特な方に向けて、この場を借りて弁解をさせていただきたい。かねてより、いかにしてアニメ作品の視聴数を絞っていくかという課題を挙げさせていただき、今期からはかなり本気でそれを実践すると意気込んではいたものの、終わってみればいつもと変わらず30作品程度の視聴数となってしまった件についてである。

どうにもこの「30作品程度」という数字は、自分にとって現在の各クールのアニメ作品の放送本数の高止まり傾向に対する最適解に近い数字のようで、「これは見ておきたい」という基準を貫いてしまえば必然的にそのぐらいの数字に収束するようなのだ。とはいえ、そこをなんとか絞るようにするという趣旨であったはずなのでこれも自分の怠慢と言われればそれまでなのだが、今期については年末の比較的時間に余裕のある時期の執筆になる見込みであったからこそ甘えてしまった部分はあったように思う。

であるので、来期からは「20作品程度」とはいかずとも「25作品程度」までは頑張って絞れればいいなと思っている。でも、それだけまだ面白いと感じる作品が多いということなので、ある意味喜ぶべきことなのかもしれない。その辺りの匙加減は流動的ということで、今後も生暖かく見守っていただけると幸いである。

さて、今期の総評に移るが、今期の特徴としては「完結作品」がかなり多かったことが挙げられる。自分が視聴した中から具体的な作品名を挙げると、「1クール完結作品」として『村井の恋』『結婚するって、本当ですか』『妻、小学生になる。』『ネガポジアングラー』、「2クール以上完結作品」として『ラブライブ!スーパースター!!』『戦国妖狐 千魔混沌編』『多数欠』があった。「2クール以上完結作品」については、いわゆる「シリーズ作品」と「連続2クール作品」は区別しなければいけないかもしれないが、物語の最初から最後までを完全アニメ化してくれたという1点においては共通であり、アニメファンとしては非常に喜ばしいことに違いはない。その他、『BLEACH 千年血戦篇』についても、物語の完結までアニメ化してくれることが確定しているので同様の扱いだといえるだろう。

特に原作がある作品については、アニメ化という経済的効果を鑑みるとどうしても作品の旬の段階でそれを行いたくなる気持ちはすごくよく分かる。であるので、まだ作品が完結していない段階でのアニメ化になるのは致し方無い部分もあるかと思うのだが、それきりになって続きは原作で読んでねという状態になっている作品はそれこそ星の数ほど存在する。そんな中で、物語の最初から最後までを完全アニメ化してくれる作品というものには、アニメファンとして絶大な価値を置いており、今期の各作品の感想の中でも何度もそれは述べさせていただいた次第である。

つまるところ、原作者の立場からも「1クール完結作品」あるいは「2クール完結作品」として相応しい物語の尺を逆算して全体を構成するというのも、アニメ化を誘導するためには求められている技術と言うこともでき、様々な大人の事情はあろうがそういう作品が増えていってくれるのを願っている。

続いて、恒例となっている今期のお気に入りだった楽曲の紹介であるが、今期のベストは『アオのハコ』のOP「Same Blue」である。

この選曲については、ほぼ満場一致で納得していただけるのではと思っているのだが、個人的にはOfficial髭男dism史上最高傑作と評したいぐらいであり、毎回のように作品の世界観をしっかり掘り下げ、アニメの主題歌としてではなくても成り立ちそうな秀逸な歌詞にきちんと落とし込んでくれる姿勢には頭が上がらない。そして、OP映像もこれだけで一つのドラマとして成り立っているぐらい爽やかなアオハル感を美麗かつ躍動感に溢れた演出で魅せてくれる珠玉の出来映えとなっており、毎回のように惚れ直していた。とにかく、ダントツの優勝である。

よそ見する暇もない忙しい世界を
走るように恋をしている
あなたという季節の中で

Official髭男dism「Same Blue」@『アオのハコ』

続いて、映像は用意できないのだが『アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season』におけるアンティーカの「橙より未来」(第7話ED)、ノクチルの「未来へのSign」(第11話ED)、イルミネーションスターズの「星の数だけ」(第12話挿入歌)も特にお気に入りだった。本作品については、それ以外の楽曲も押し並べてレベルが高かった。さらにそれをポリゴン・ピクチュアズのお家芸である3DCG技術を駆使したライブシーンで臨場感マシマシで魅せてくれていたのは上記の感想でも述べたとおりである。特にハロウィンライブにおける普段とは違う組み合わせのユニットによるパフォーマンスについては、本当に現地でライブに参戦しているかのような錯覚に陥ってしまうほどだった。

そしてセットでお気に入りだったのが、『結婚するって、本当ですか』のOP「キラキラ」とED「つまりは」。本楽曲については、主人公とヒロインを演じた声優が歌ってみたバージョンも公開されており、作品の世界観に寄り添った楽曲の良さを改めてしみじみと実感することができた。

『甘神さんちの縁結び』のED「君に恋を結んで」も素晴らしかった。本作品については、視聴継続のボーダーラインにいたことは上記の感想でも述べたとおりだが、結局キャラソンCDも買ってしまうぐらいにはハマってしまった笑 楽曲の良さもさることながら、こういう少数精鋭でこだわって作ったみたいな映像もとても良い。それにつけても、若山詩音ボイスはクセになる。

どことなく古き良き時代を思い起こさせるような『らんま1/2』のED「あんたなんて。」もお気に入りだった。これについては、リメイク作品ということもあってあえてその方向性を狙ったというのも、もしかしてあったのかもしれない。

最後に挙げるのは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ 豊穣の女神篇』のOP「少年」である。5期では物語の序盤への原点回帰を果たしたかのような感覚になったというのは上記の感想でも述べたとおりだが、その感覚にそのまま寄り添ったかのような楽曲タイトルと歌詞、そして映像からは、「GReeeeN(グリーン)」から「GRe4N BOYZ(グリーンボーイズ)」へと改称し、再出発を果たしたアーティストとのシンクロ具合も垣間見え、これ以上ない新たな冒険の幕開けを演出してくれた。


なんだかんだ、今回もいつもと変わらないぐらいの文章量にはなってしまいましたが、それはそれで充実感があって良かったなと改めて感じています。槇原敬之さんの往年の名曲「遠く遠く」の歌詞にもあるように、「大事なのは”変わってくこと””変わらずにいること”」という言葉を胸に、これからも一介のアニメファンで居続けられたならこんなに幸せなことはありません。それでは、今年も大変お世話になりました。皆さんも、どうぞ良いお年をお迎えください。


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