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酒と肴の記録

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シリーズ「酒と肴」をまとめたものです。日々の暮らしの中で拵えたおつまみと合わせたお酒を紹介しています。信州食材と豆料理への愛が適度に詰まっています。
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#エッセイ部門

太陽光の導入|酒と肴

暑さのせいでエアコンとビールが欠かせない今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか? 私は跳ね上がる電気代と酒代にゾッとして、ほんの少しだけ涼しくなれました。 それにしても、何でこんなに暑いんすかね。 気温上昇の原因は様々でしょうが、ここはひとつお天道様の使用者責任を追求し、反省を求めて懲役についてもらうのがいいと思います。アポロンに天照大神、ラーとかなんとか偽名を使い、世界各地に出没している太陽神。たまには庶民の暮らしを味わって頂きましょう。それに偉い人って、案外こう

作り置きだよ人生は|酒と肴

「喜怒哀楽」という四字熟語があります。 分解すると、喜びは最初だけで、その中心は怒りと哀しみ、人生なんてさっさと楽隠居したもん勝ち、そんな意味でしょうか。 出だしからの自棄っぱちには、もちろん理由があります。 あたし、先週すっごい頑張ったんですよ。 仕事絡みで連日の午前様、ノンアルで耐え抜きようやく明日はお休みって時に、 ご褒美の限定ビール(喜)が 売り切れ(怒)で、 代わりに買ったビールはぬるく(哀)って、 いっそ呑まずに寝ちまえば(楽)よかった そんな仕打ちだった

蒸かすか茹でるかとうもろこし|酒と肴

家人の買い物に付き合って、久し振りに訪れたショッピングセンター。広い敷地の一画に野菜の直売所がありまして、軽い気持ちで覗いたばっかりに、採れたての野菜と目が合いはたと困りました。 旬の野菜がどれもこれも新鮮で、しかもお値打ちなんです。 「僕たち、今が一番美味しいよ」 「私は採れたて、そのままイケます」 「この次に会えるのは、1年後かもね」 野菜たちからそんな声が聴こえる気がして、さんざん迷った結果、とうもろこしにキュウリ、実山椒を買って帰りました。 出来ることなら別け隔て

言葉選びと薬味探し|酒と肴

いや ばか だめ うふ あは これらの語尾に「ん」を加えると、昔ながらの艶な表現になります。 いやん ばかん だめん うふん あはん さらに「〜」を付け足すと、性の大らかさまで伝わってくるようです。 いや〜ん ばか〜ん だめ〜ん うふ〜ん あは〜ん 果たして誰がこの言葉を、表現を発明をしたのでしょうか。 ネットで調べても、初代・林家木久蔵師匠の名曲が出てくるばかりで、答えにたどり着けません。 素人の手慰みとは言え、表現手段に書くことを選びました。だから発明的な文章

呑めど暮らせど(フォー)|酒と肴 その百

ちょっとしたおつまみを用意して、ダラダラ呑むのが好きなんです。お行儀はよろしくありませんが、本やスマホをお供に、週末の夜はビールをやりながらのんびり過ごします。 読むのは主に食エッセイ。 お酒が出てくる話だとご機嫌になり、つい呑み過ぎてしまうのはご愛嬌。酔えば作者と同じ空間に居るような気がしてきて、酒場で他のお客さんの会話に思わずクスッとしてしまう様な、あんな感覚を味わっています。 そうそう、レシピもいいんですよね。 写真を見て、次回の晩酌に向けたメニューをあれこれ考えた

僕の姐さん(あんバタ)|酒と肴その九十九

私の心に住むマリー・アントワネット、気付けば長い付き合いになりました。出会いは、小学生の僕ちゃんの頃に見たベルばらの再放送ですから、もはや家族みたいなもんです。 ええ、ナンノコッチャですよね。 心のアントワネット様(専業主婦・永遠の37歳)は、日々の暮らしの中で生まれた別人格みたいなもんでして、悩める時や四季折々のタイミングに現れ、普段の私には無いご意見をくれる存在です。摂り過ぎたアルコールが魅せる幻って説もありますが、現実と同じくらい、ロマネスクも大事だと思いませんか?

芋さえあれば(マッシュポテトグラタン)|酒と肴 その八十四

富や名声は手に入らず、永遠の若さなんて望むべくもありません。だけど溢れるほどのジャガイモには恵まれました。 年に一度、お世話になった方の畑を訪れ、収穫のお手伝いをしています。 昔の仲間が集まって、掘れや洗えやの大騒ぎ。もちろんその後にお酒を酌み交わすのは、言わずもがなでございましょう。 とは言え、ここ数年はどうにもアレがナニでしたので、規模を縮小しての開催でした。今年は無事に年季も明けたので、満を持しての参戦です。 迎えた当日は晴天に恵まれ、汗と泥にまみれてのイモ活三昧