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山岡瑞子監督の映像作品「Maelstrom」に惹き込まれた

昨夜、山岡瑞子監督の「Maelstrom」を観た。

記録写真と映像のコラージュに、監督本人が語りを続けるという79分の作品。自らの人生を見つめた「セルフ・ポートレート」だ。子どもの頃からの自分の中に渦巻く葛藤、家族との関係、社会への問いかけ、自分はどうしたいのか。

NYのアートスクールを卒業後、事故で脊髄を損傷し、突然車椅子の人生になった。健常者とは住む世界が違うという絶望。障がいと社会の関わり。日本の窮屈さ。葛藤を抱える作者がますます巨大な渦に飲み込まれる。

電動車椅子で、一人暮らしをし、仕事をし、映画を学ぶ。海外へ飛び、留学する。行動を言葉にすると流れるようだが、常に深い葛藤と自らへの問いかけがある。

強圧的だったという母がゴツゴツした手で自分の足をさすってくれた。家長だが家族を傍観するだけだった父が病み、他界し、後悔と謝罪が自然と溢れた。

自分も変わり、家族も変わり、社会も変わる。それらが変わったのか、自分自身が変化したのか。混乱は幾重にも重なり、現実は変化していく。同じ時間は決して戻らない。

肉体と精神と人間関係の混乱にありながら、作者は自分から何かを吐き出し、表現するアーティストとして歩みを進めようとしている。

自分を見つめ、苦しみ吐き出した作品。制作に5年半かかった。弱いものも、強いものもない。ひとりの人として、どう人生に向き合うか。それを追体験させてもらった。

今日がアップリンク吉祥寺での最終上映日。
監督のトークイベントもあるので、ぜひ!



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わん吉
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