100均で宝物を買う方法
平安時代の貴族を現代に連れてきて、100均で買い物して帰らせる。もしそんなことができたら、その貴族にとって100均で買ったものは宝物になる。間違いなく。
「先祖代々受け継がれしピーラー」になるだろう。
つまり、物の価値は買う人の価値観で変わるということ。
100均で「安物買いの銭失い」になってしまうのは、商品のせいじゃない。買う側の問題だ。
ダイソーの自動ドアの前で一度立ち止まって心に誓ってから入店するといい「生涯大切にする宝物を探そう」と。
「とりあえず100均で買っておこう」そんなテキトーな気持ちじゃダメ。
お皿もお箸も、一生使い続けるつもりで買えば、それは間違いなく宝物になる。
ホームセンターで働いていた時、文具用品コーナーで父と子が買い物をしていた。
父は言った「消しゴムか、下敷き、どっちか選べ。クリスマスプレゼントだ。」
少年はキャラクターの消しゴムと下敷きを手に取っていつまでも吟味していた…。
おそらくその子のうちにサンタさんは来ないのだろう。ホームセンターの80円の消しゴムが彼にとっての年に一度のクリスマスプレゼント。
外食でチキンライスを頼む歌があったけど、80円の消しゴムはもっと悲惨だ。歌にもならない。だけど彼にとっては、その時買った消しゴムが大切な宝物になったはずだ。
親になってみて、物の大切さを伝えるにはどうしたらいいのか悩む。
子供は買い与えれば、買い与えるほど、容赦なく物の価値を見失っていく。
消しゴムか下敷きか、吟味していた彼の視線を忘れたくないなと思う。
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