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「幽落町おばけ駄菓子屋」と最推しの二人の話

※重大なネタバレを含みます。

大学進学を機に千葉から上京した御城彼方は、不動産屋に扮した猫目ジローに騙され、あの世とこの世の狭間にある・幽落町に住むこととなり、その大家で駄菓子屋の店主・水脈と共に未練を遺したこの世ならざぬ者を癒す問題を解決していく。
そんな物語である作品は、魅力の一つの実在(したものも含め)する都内(それ以外もある)を舞台にした部分である。

この作品に出会ったのは、高校卒業する前の1ヶ月程度の長期休暇であった。
そろそろホラー系のも読んでみようとフラっと本屋に立ち寄った際、本棚に表紙を目立たせるように置かれていたのがきっかけだった。
六七質先生が描く細やかな駄菓子、涼やかな印象持たせる雰囲気、その中で一際目立つ、水脈さんの存在。
それが購入する最大の理由だった。恐らくあらすじすら見ていなかった。いわゆるジャケ買い。

家に帰り、早速読み始めた。
一話完結で、しかも読みやすい薄さでもあった為、すぐに読み終わったというのもあるが、なによりも物語が面白かった。
一巻は、推しだと思えるキャラがいなかったが、それでも、キャラ一人一人が魅力的だったことは覚えている。

そして、なによりも今でも覚えているものの一つは、二巻に登場したキャラ・都築早馬という白い医者。
その言葉通り、髪や肌が雪のように白く、瞳が赤いという人間離れした特徴がある高身長の外科医。
まだ二巻では登場人物欄に無かった為、六七質先生が描いた見た目は分からなかったが、彼方に言った言葉にこの幽落町の最推しとなった。

「ならば、自分で未来を掴むべきだ。時代の流れなんぞに身を任せず、施設や他人などに頼らず、自ら道を切り開いてこそ、真に抗ったといえる」

その時の自分にはかなりすとんと来たようで、昔からそういう見た目が大性癖なのもあって、彼のことを異常なぐらいに好きすぎてしまっていた。
そして、この言葉の意味も後々、思っていた以上に重みのある意味だと知った際には、色んな感情が溢れて、しんどいとしか思えなくなったことも。

少しでも言葉を話せば心臓がバクバクしてしまう程大興奮するぐらいには。
先生がTwitterで都築さんは190cm以上あると呟いており、その方がハーレーを乗っているところを想像してください。死にます。(私が)
その時は、黒髪に黒のカラコンを入れていて、さらにメガネを掛けているのもあって、また違う印象を受ける彼でありましたが、あの姿も素敵すぎて。そして、大型免許を取りたいと、免許センターで順番待ちしている時読んで誓ったけれど、なかなか行けなさそうなのが現状。教官がきry)

そのキャラともう一人、同じぐらい好きすぎてどちらかを選べと言われても、選べないぐらい魅了されてしまったキャラがいる。
都築早馬の弟である、都築隼人という人物。

彼の魅力にズボッとハマってしまったのは、彼の初登場である、四巻二話「にくしみのつづき」の彼方の想像の中での話で、あの隅田川花火大会で兄弟が並んで見ている最中、それぞれ花火に対して賞賛している時の話。
都築さんが科学的視点で賞賛しているのに対して、風情がないと返す隼人さんに、俺なりの賞賛だが?と涼しい顔で返された時の隼人さんの反応。

少し不貞腐れる。

いや、可愛すぎるでしょ。

仕事の休憩中、何度か読み返している最中、不意に心の中で呟いた言葉。

何度も読んでいるうちに彼の魅力が分かってきたようだ。よく思ってくれた自分。今でも好きすぎて死にかけているぞ。いや、何度か死んでる。
てか、花火に対して死者を慰めるものだから、皆癒さればいいのにと、他人を想いやれる優しい方なんていると思います??花火にそんな想いで見たことが無かった。隅田川花火大会を見るまで花火大会なんていう大きな花火を見た覚えがないし、手持ち花火でもそんなふうに想ったことがない。
どんだけ清い心を持っている方なのか。そこも含めて素敵な方だと思った。自分のないものを持っているからこそ惹かれるというやつ。光属性じゃん。
そんな純粋で他人を想いやれる優しい青年に育ったの、都築さんの教育がいいからだと思います。ありがとうございます🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂🙇‍♂
その部分も漫画版で見たかったなー!!!!見たかったなー!!!
その四巻で三巻で都築さんがひとり、花火を見上げていた理由や意味が分かるわけですけれども、すごくしんどいですよね。その時はまだ当たり前となっていたと思われる隼人さんと一緒に花火大会に見に行けなくなったのだから。
見ていたと思われる場所に立つと同じように空を見上げて思い出す。


隼人さんの外見が描かれたのは、漫画版(六七質先生の含め)と六七質先生が都築兄弟の幼い頃ぐらいで、彼のきちんとしたのは描かれていなく、自分自身が描いたので補完し、目の保養にしているけれども、何度も言ってるけど、六七質先生が描いた隼人さんが見たいもっと浴びたい。何度も言ってるけど。(二回目)
描写されたのは原作の八巻の元の姿に戻った時で、そこでも何もかもしんどい、可愛いとなってしまうので、正気がある時の自分から見たら──いや、正気なんてどっかに捨てた。いつも狂ってる。とにかく可愛すぎる。
兄が凍れる美貌なのに、中性的な印象を受ける、人懐っこそうな外見ってことでしょ? 可愛すぎやしないか。

隼人さんの異形姿のモチーフが魍魎であると仰って以来、魍魎も好きになったり、元々レバーが好きだったのがもっと好きになった程。

それぐらいでは飽き足らず、隼人さんが上野好きだった(過去形なのは都築さんの発言から。でも、その頃は隼人さんが自身の身代わりになって異形になってしまい、元の姿に戻れるかどうかは分からなかった。そこでもうしんどい)ことから、上野に頻繁に行くぐらいに都築隼人という沼にズブズブ浸かっている状態。限界オタク。

幽落町にハマってから初めて行ったのは、四年前、別作品の「深海カフェ」のサイン本が神保町とは違う仕様になっていることがきっかけだった。
夏の暑い日の話。
かなりの方向音痴であるため、なかなかその本屋にありつけず、行ったり来たりを繰り返していたし、慰めて貰おうと待ち受けにしていた、漫画版四巻の六七質先生が描かれた、魅力溢れる都築さんを見てどうにかしていた(笑)
その時は、ついでに一巻三話「かくれんぼしましょう」に登場した旧博物館動物園駅を見に行ったりもした。感動的だった。本当に実在するんだなと。
そして、その翌年中が公開されるだなんて思いもしなかったことにも。

それからよく行くようになり、本を片手にスマホの地図アプリと睨めっこして、聖地巡りもしたりした。他の所でも言えることだが、幽落町だけでも上野はそこそこ登場していたこともあり、なにかと行っていた。
その中で、都築兄弟はこんな会話をしていたのかもしれないという妄想が広がり、見せられないよ!みたいな顔になっていた。楽しすぎた。

そこから派生して、上野が舞台、登場した作品を漁ることも並行していき、そこそこ上野に対して詳しくなったぐらいに、そして、あの兄弟の関係性に尊みを覚え、それに似た兄弟が登場するものを観ては、読んでは、尊い·····と手を合わせる毎日を送っているという、人生が180度変わった本。都築兄弟に人生を狂わされた。(かなりいい意味で)

#人生を変えた一冊

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