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XO醤が違和感から感動に進化した瞬間

XO醤。
この字面からして、違和感の化身のようだと思いませんか?
アルファベットと漢字はどう並べても、全然なじまない。阿Q正伝とかも、すごく座りがわるくて気持ち悪い。例えるなら、お尻が半分落ちた状態で椅子に座っているようなもん。

スーパーの調味料コーナーに行っても、甜麺醤コチュジャンオイスターソース等等…
旨味凝縮調味料であり、入れれば確実に旨くなるのは何となく分かるんだけど、いまいち違いが分からない。違いが分からないまま買っても、この小瓶ひとつ使い切れる自信もないし…
そんな悶々とした思いを抱えて、何度も醤コーナーを通り過ぎてきた。

しかし、そんな私についにXO醤が手を差し伸べてきたのだ。

それは先日、近所のホテルランチを旦那と食べに行ったときのこと。ちょっとしたコース料理でランチにしてはかなり贅沢な食材がふんだんに使われていた。
丁寧にメニューも添えられていて「やったー!カニが出るって!」などとウキウキと待っていた。

「こちら、カニチリと蒸しパンでございます。ソースをつけてお召し上がりください」

チリに委ねられしカニは、今まで出会えなかったことを悔やむくらい、美味であった。
無言で食べ終え、次の皿を何食わぬ顔で待つけど、内心は次はどんな旨いものが〜と穏やかではない。

「こちら、ホタテとエビのXO醤炒めでございます」

照り照りと輝く大粒のホタテとエビ。片栗粉を纏ってXO醤の旨味をぎゅっと抱きしめていた。こちらも衝撃の旨さだった。

「このXO醤、何者なのだろうか…」
長年何となく疑問に思いつつ調べるまでしないタイプの問だったのだが、旨すぎてその秘密を知りたくなった。

代表的な材料(Wikipediaより)
干しエビ
干し貝柱
金華ハム
生姜
唐辛子
ニンニク
植物油

なるほど、これは旨くないはずがないじゃないか。旨味という旨味を独り占めじゃないか。

すごいな、XO醤。なんか、見直した。

そしてそして、XO醤という名前の由来は

XOとはブランデーの最高の等級を示すエクストラオールド(eXtra Old)からの命名である。あくまで高級感を持たせるための修飾語であり、実際には古く熟成させる工程はない。また、各種素材をブランデーにて加工した醤と思われることがあるがこれも誤解である(但し、風味づけとしてブランデーを使用している製造元もある)。中国語の「醤(ジャン)」はペースト状の調味料のこと。(Wikipediaより)

確かに最高だもんな。腑に落ちた。


字面だけを見てXO醤と向き合ってこなかった日々が悔やまれる。さっそく帰りに一瓶買って帰った。これで私も激ウマ野菜炒めが作れるわ…フフ…



と思ったけど、母からよく焼き文化を脈々と受け継いでいるため、シャキシャキ野菜炒めは多分一生作れないんだろうな、と思いながらしなしなXO醤炒めを食べました。

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