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エッセイは心によく効くと薬だと思う

気持ちが落ち込んでいる時やザワザワしている時に感情を大きく動かすのってすごく負担に感じませんか?

心を激しく揺さぶられるようなものを読む元気はないけれど、やっぱり本は読みたい。そんな時にピッタリなのがエッセイだと思います。

人の人生には奇想天外なことはそうそう起こりません。滅多に殺人事件に遭遇することもなければ、魔法学校から手紙が届くこともない。フィクション小説のようにページを捲るたびにハラハラドキドキするような毎日を過ごしている人って、そうそういないですよね。

人は皆、人生の大半は、いつもと変わらないありふれた日常を過ごしています。そんな日常の中で見つけたクスッと笑えるようなタネや考えたことを私たちに共有してくれているのがエッセイだと思います。

そんな風に、心にあまり波風を立てることなくホッコリとさせてくれるようなエッセイの中で、最近読んだものを紹介していきます。

阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし | 阿佐ヶ谷姉妹

ピンクのドレス姿がよく似合う、顔の似た女性2人のお笑いコンビの阿佐ヶ谷姉妹さんのエッセイです。

2人は少し前まで一緒に暮らしていて、その時の出来事や思い出、そして引っ越し騒動をエッセイとしてまとめています。

普段の2人のネタの雰囲気がそのまま文章になったような、全く嫌なところがなく、のほほんとした雰囲気にかなーり癒されます。

そして、やはりお笑い芸人なので、しょうもない出来事でも面白おかしくするのがとても上手!!相方の寝相が悪いという事象を何でこんなに面白く書けるんだ???

しっかり者のようでどこか抜けてるエリコさんのことも、猫のような生態を持つミホさんのことも大好きになれる一冊です。

さくらえび | さくらももこ

爆笑エッセイといったらこの人ですよね。

「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」の初期の3部作は、母の本棚にあって、実家で暮らしていた頃に読みました。

多分小学校高学年から中学生の頃だと思いますが、これが初めて読んだエッセイ本だったと思います。

それまでも本は大好きだったけど、クスッと笑うことや涙することはあっても、声を出したくなるほど笑ってしまうような文書って読んだことなかったんです。

さくらももこさんのエッセイは、まさに笑い出したくなるくらい面白い文章!!そして何でそんなにトホホな出来事が身の回りで起きるのか!まさにちびまる子ちゃん

「さくらえび」は、さくらさんが大人になり、子どもも生まれて、ご家族と暮らしている時期のエッセイですが、相変わらず面白い。

父ヒロシとさくらさんの掛け合いも面白いし、自分の正体を隠し続けようとするさくらさんと息子さんの攻防戦も面白い。

とにかく全部面白い!!!

くだらない出来事で爆笑したい時に何度でも読みたい本です。

ごはんぐるり | 西加奈子

西加奈子さんって、小説が激情的というか、一度「 i 」という小説を読んだ時に、あまりの文章の熱気と感情の激しさにやられて「面白いけれども、相当元気な時でないと、これは引っ張られすぎてしまう…」と思ったほどだったんです。

なので、本屋でエッセイを見つけた時にも「読んでみたいけど、また疲れ果ててしまうのではないか…」と一瞬手に取るのを躊躇しました。

でも、本のタイトルは「ごはんぐるり」。

食にまつわるエッセイは、いくら何でも激しすぎることはないだろう!!と、意を決して購入。そして、読了。

面白い。

関西弁の軽快なノリのおしゃべりを聞いているような、そんな雰囲気の文章で、(実際に文章でも、ちょこちょこも関西弁でツッコミ入れていて)、次も読みたい、その次も…とページを捲る手が止められなくなりました。

「桃を煮る人」もそうですが、食べ物を題材にした文書って、絶対的に優しくなると思っています。

だって、どんなに腹を立てていても、怒りながらご飯食べるのって結構難しい。温かいご飯食べている時は、ガチガチに固まった気持ちも、幾分かほぐれてます。

読みたいけど遠慮してた西加奈子さんの本がエッセイという形で読めてとてもハッピー!


涼しくなってきて、温かい飲み物が美味しくなってきた時期です。

お休みの日には、ホッとするような飲み物と本で心も体もほっこりとさせてみると、疲れた体もほぐれる気がしてきます。

年の瀬に向かってバタバタし始める時期であるけれど、心を癒しながら乗り越えてきいきましょうね。


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