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冬に並ぶ
硬く乾いた海風に俯く、ほったらかしの乾燥花と
ぬか床の奥で黙り込む大根と
誰もいない夜に惰性で揺れる渚を
遠くからひっそりと眺めている、冬。
彼は独りで、相容れない。
秋は香りだけを残して颯爽と去り
ひと息つく前に、凛とたたずむ冬と対面させられる。
冬は、決して短くなったり長くなったり無くなったりしない。
彼には自信があるから。
冬は、微笑んだり、睨んだり、咳き込んだりもしない。
彼は、理論的だから。
皆は、彼を嫌い、避けようとする。
彼が、彼らしく居ればいるほど。
彼には、そういった寂しさがある。
冬に対してこんな雰囲気を感じる。特に、最近はより一層。
秋から冬へ。
季節の変わり目だし中間テストもあるこの時期は、負の感情への感度が高くなる。
趣味に励み、戯れてたあの頃はもう遠く昔のようで、
もっぱら勉強と、ストレス発散のゲームだけ。朝の絶望感、拮抗感にも慣れてくる。
夏休みのラジオ体操で散々聞いてた、
「新しい朝が来た、希望の朝だ♪」
みたいなのが思い浮かぶ。失笑と同時にむせ返る。
こんな暮らし方では、季節に対してももちろん嫌になる。
でも、なぜか冬にはそれで片付けられない、無視したくない何かを感じてる気がする。
冬について書きたくなるような。
彩りのない木々、乾いた空気、強い風。
どの要素を挙げても、凛とした寂しさばかりなのに。
で、冬の寂しさについて書いてみてようやく分かった。
自分みたい。
ただ周りを冷やすだけの、意義の分からなくて虚しい存在。
もちろん、私は凛としてなどいないけど。
なるほど。
でもこう考えると何か、ぽっと大きなお友達ができた感覚。
それも、相手が季節って。
いつでも居てくれる、触れられる。少し安心感を感じるような。
寂しいのかな
こんなぼてっと湿った文章では好くないので、
冬の素敵なところを。
ふと外を眺めてぱっと冬を感じたとき、冬それ自体が持つ彩り、艶やかさはない。
でも、だからといって魅力がないわけじゃないように思える。
どこか日本的な、慎ましいうつくしさ、みたいな印象を受けるし
少なくとも、私は冬に対して親近感や安心感を感じる。
また、季節=イベント のようで、
”いつも”との差を楽しむもの。
そう考えると、
冬の寂しさもまた、さっと過ぎ去るきせつのいろどり。
穏やかな春を想いながら暮らすのも悪じゃないしね。
ん。
ここから私の素敵なところもついでに見出そうっていう魂胆だったけど、やっぱり無理っぽい。
方向性が曖昧過ぎて、何を言いたいのかさっぱりさっぱり分からない文章になってしまったけど、
人以外の”もの”にも、いくらかの関係を築いてみることはありなのかなって思う。
ものほど真面目で愛らしい、粋な対象はないですよ。
季節に、世界に何かを見出そうとすることは、それに歩み寄ろうとすること。
孤独な世界はその手を振り払えたりしない。
やわらかい水彩筆のように、しっとりと参りましょう。
それでは👋