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生きる勇気を!ゲートキーパー養成講座。

私のしているいくつかのお仕事の中に、行政のゲートキーパー養成講座のお仕事があります。

現在市町村で計画を立てて、自殺予防対策としてゲートキーパー養成講座を開催している地域が増えています。

ゲートキーパーとは、悩みを抱えて死にたいと考えている人を、社会につなぎ留め自殺を食い止める人のこと。


ゲートキーパー養成講座では『傾聴』も練習します。

『聴く』は目と耳と心で話をきく。


人は、傾聴されることで「ここに居てもいいんだ」と安心します。

人は、自分の気持ちがしっかり語れた時にはじめて、自分の考えを変えることが出来ます。「よし!もう少し生きてみよう!」

人は、しっかり自分の気持ちを傾聴で受け止めてもらえた経験から「大切にしてもらえた。自分は大切にされても良い存在なんだ」と感じます。

そしてそれが自分自身でも「自分を大切にしよう」「自分の命も大切にしよう」に繋がっていくのです。


内閣府の国民意識調査(2007)ではこれまで1回以上「本気で死にたい」と考えたことがある人の割合は調査対象者の2割だったそうです。


幼い頃の私の家族は色々な問題を抱えていました。

ちいちゃな私と祖父母を抱えた母はとても辛い想いをしていたと思います。

大人になって母に当時の事を一度だけ聞いたことがあります。

当時何かの手続きで役所に行った時、若い女性の職員さんがとても親身になって話を聴いてくれたそうです。当時の制度や法律では、抱えていた家族の問題を何も解決できる提案は無かったけれど、その若い女性の職員さんに親身になって話を聴いてもらっているうちに「前を向いて頑張ろう」と勇気が湧いて来たそうです。


私は以前、市役所の家庭児童相談室の家庭相談員として7年勤めていました。

0~18歳の子どもとその家族に関わる相談を受けるのが当時の私のお仕事。その頃母が話してくれた話でした。


1人の相談員が、相談者の状況を劇的に一気に解決することはできません。けれど「一緒に解決の糸口を見つける事は出来る!」

「たとえ相談者が諦めても、私だけは諦めない!」

「相談者の幸せを私は絶対諦めない!!」

とにかく誠実に一生懸命、心を込めて話を聴く。

幼い私とその家族に、困難を乗り越える勇気を与えてくれた役所の彼女のように。私も誰かの勇気になれたら…。そんな恩返しのような心持ちで。


ゲートキーパーは「今は苦しい状況だけど、自分を信じて生きてみよう!」と思える勇気やきっかけをくれる人。

あなたの「おはようございます」の笑顔や、「ありがとうございます」の笑顔、「大丈夫ですか?」の思いやりが誰かの生きる勇気に繋がっていく。。。

皆さんの笑顔や何気ない思いやりにはそんな素敵なパワーがあるのです☆

大切な大切な皆さん。自分と自分の命も大切に。。。


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