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命の価値

「被害者はなんの遺言も残せず、やりたかったことも遂げられずに死んでいくのに、加害者は大切な人と面会できるし、場所によっては最後に食べたいご飯まで食べられる。」

はじめは、憤る。

一つの命を奪った人間に、人生の余暇を満喫する権利などない。と。

けど、せっかく生きてるんだったら、そして、もうすぐ死ぬって分かってるんだったら、死にたいように死なせてあげられればいいんじゃないか。

加害者のことを考えると、やっぱりそんなの理不尽だと思うけど、死刑囚の命も一つの命。

"人殺し"という点ではどこまでも憎いけど、"人間"という点ではどこまでも愛おしい。

でも、この良心の葛藤が、人としてのやさしさの塊なんじゃないか。

人のやさしさを知るならば、ひとつの命を大切にするのが人間だろう。


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