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ヒデ(Hide)さんの闘病記です。
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#言語聴覚士

闘病記(31)ビバ!普通食

闘病記(31)ビバ!普通食

 ある日の午後、言語療法の時間。その嬉しい知らせは言語聴覚士Mさんの質問から始まった。
「赤松さん、もし今、お茶やお味噌汁に加えているとろみを入れなくても良くなって、飲食がある程度自由になったとしたら、お見舞いに来てくださった方と何を飲んでおしゃべりを楽しみますか?」
「コーラです。」
即答した。Mさんは目を大きく見開いて、 
「コーラなんですか?」
「そうですよ。いけませんか?」
「いえいえ。な

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闘病記(24)絶え間なく。惜しみなく。その②

闘病記(24)絶え間なく。惜しみなく。その②

 「話し相手のオーラが見える。」、「誰かの後について入ってきた子供の霊が見えている。」、「足音を聞いただけで、誰がやってくるのか見ないでもわかる。」と言った打ち明け話を友人からされたとして、あなたならどう応じるだろうか?「えーそうなの!?」、「いやいや、さすがにそれはないでしょう。」、「あ、、実は私もなの。」とか。自分は「いやいや、さすがにそれはないでしょう。」と口にしてしまう方だった。あの出来事

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闘病記(23)絶え間なく。惜しみなく。

闘病記(23)絶え間なく。惜しみなく。

パタピシパチ、パタピシパチ…。言語聴覚士、Mさんの指が、ハープを弾くように頬の上で動き、気持ちの良い刺激を与えてくれる。あまりの心地よさに、ついうとうとしかけて目を開けると鏡の中でMさんと目があった。
「本当に申し訳ないですね。指でマッサージまでしてもらって。これじゃぁ、リハビリと言うよりエステティックサロンですね。どうもありがとうございます。」そうお礼を言うと、
「いえいえ、いいんです。赤松さん

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