(約800文字です)
気がつけば、8月最終日。
先月、タープ泊生還直後に起きた母の緊急入院から始まった怒涛の夏が終わろうとしている。
ICUで一時は覚悟をするように、と医師に告げられた。
幸い、処置が早く数日で普通病棟へ移ることができたのだが、、、。
かつてないほど母に生気がない。
背中を丸め、ただ、ただ、一点を見つめている。
食べず、夜も眠らない。
すっかり細くなってしまった腕。
諦観したような姿勢に不安を掻き立てられた。
口からエクトプラズムがはみ出ている。
まだ、ちょっと早いよ。
とにかく少しでも食べて欲しい。
「何か欲しいものない?」
「、、、何もいらないの」
と、だけポツリ。
私がお産で入院中、一度も顔を出した事はなかった。出産後もである。
かつて定期検診を勧められても、「病院に行くと殺されるから」とお医者様に面と向かって言っていた。
震災後に結婚した私の夫とは、3回位しか会ったことはない。
当然、夫の家族と会った事もない。
常に我が道を行く母。
それが、、、
すっかり物分かりの良い年寄り然として、娘に向かって拝むように手を合わせている。
ヤバい
とにかく記録的な酷暑の中、毎日、病院へ通った。
すっかり気分はあの世の住人と化している母に
活を入れなければならない。
そんな想いからだったのだが、無事
還ってきた。
長期入院が予想されたので、貴重品を預かるよう母から頼まれていたので
「ちゃんと預かってるからね」
と告げた瞬間、
母の目に光が戻った。
それ以来、、、
病院食が美味しくない、と言いながらも食べるようになった。
夜は眠剤を出してもらい、眠るようになった。
あれよあれよとお医者様も驚くスピードで回復を遂げ、予定より早く、元気いっぱい退院したのである。
しおらしさは完全消失し、戻るなり鰻が食べたいと宣い、前にもまして強烈なダメ出しを娘に繰り出してくる。
、、、こっちが逝ってしまいそうだ。
本日も反動により、鹿乃子餅、シュークリームのダブル喰いで、私はモヤモヤをかき消している。
一ヶ月ぶりの投稿は、そんな愚痴で終わるのであった。