日本の文具メーカー パイロットコーポレーションのマーケティングトレース
先日ご飯を食べながらテレビを見ていたところ、日本が大好きな外国人があるテーマに沿って日本に勉強しに来ると言う番組をしていました。
その中で訪れていたのが今回取り上げたパイロットコーポレーションさんです。皆さん大好きフリクションボールペンやドクターグリップのほかに、長い歴史をかけて作り続けてきた万年筆などが有名な会社です。
その外国人は日本の万年筆にとても関心を持っており番組の中で製造工程などを紹介されておりました。
海外の方をまみりする製品を作れる会社ということで、一度マーケティングトレースを行ってみることにしました。
パイロットコーポレーションの歴史と概要
パイロットコーポレーションは、日本の老舗文具メーカーで、前身となる「並木製作所」は1918年1月に設立しています。特に万年筆に強く、長年にわたり高品質な文具を生産してきました。1926年には輸出業を開始し、海外市場への展開も早くから行っています。
市場分析
文具・事務用品・OAサプライ業界は、2022年度の市場規模が3986億円で、前年度比0.2%減少しています。この業界は、筆記具やファイルなどの文具とOA機器サプライ品を製造・販売しており、商品分野は非常に幅広いです。しかし、少子化やオフィス環境のデジタル化の影響を受けて、国内市場は縮小傾向にあります。
特に法人需要はコロナ禍以降、停滞している状況です。その一方で、万年筆や水性マーカー、ボールペンなどの特定の文具カテゴリーは比較的好調です。万年筆は、多彩なカラーインクをきっかけに消費者の関心を引き、市場拡大に寄与しています。2021年のボールペンの出荷金額も、前年と比べて17.3%増加し、745億4000万円に達しました。
※参考 https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0378
競合分析
パイロットコーポレーションは、コクヨやプラスといった総合型企業と競合しています。これらの企業は、事務用品から筆記用具、作業道具まで幅広い商品を展開しており、パイロットもこの市場で強い存在感を示しています。
コクヨはオフィス用品を幅広く取り扱い、カウネットなどのサービスで事務用品の販売を行っています。プラスは、事務家具から小物文具、さらには電子機器まで幅広いジャンルを手がけています。
具体的な戦術
パイロットは、海外事業を中心とした筆記具の事業拡大に力を入れています。また、第二の柱となる非筆記具事業を強化し、「書く」とその周辺の行動、「書く」とライフステージを掛け合わせて新たな価値を創造しています。具体的には、M&Aでマークスグループを子会社化し、手帳やノート、日記をはじめとするデザインステーショナリーや、革小物(スマートフォンケース、バッグ、メガネケースなど)といったライフスタイルプロダクトを主力としています。
成功要因
パイロットコーポレーションの成功要因は、長い歴史とブランド力を維持し続けたことにあると感じています。また、利益率の高さを維持しつつ、市場の変化に適応し、海外市場への積極展開を行った結果だと思いました。
ここからは私個人の提案意見となります。まずパイロットの利益率を確認したところ、文具刑事業者の中では群を抜く利益率の良さでした。さらにメーカーの中でも高い利益を残す企業だということがわかりました。逆にその利益を投資に回す方が良いのかなと考えました。
※参考 https://www.buffett-code.com/industries/155
自分がその企業のCMOなら
パイロットが新たな投資を行うとすれば、以下のマーケティング施策を考えました。
高級文具ラインの強化
例えばルイ・ヴィトンとのコラボレーションにより、限定版万年筆やボールペンを開発し、高級市場でのプレゼンスを強化します。ルイ・ヴィトンのデザインとパイロットの技術を融合させた製品は、限定性と高品質を兼ね備えた魅力的なアイテムとなります。
顧客が素材、デザイン、装飾を選べるカスタマイズサービスを提供します。例えば、イニシャルの刻印や特定の色や素材の選択肢を提供し、個々のニーズに応じた製品を提供することで、顧客満足度を高めます。
感想
パイロットコーポレーションについて調べる中で、同社の歴史やブランド力の高さを再認識しました。国内市場だけでなく、海外市場の重要性も感じました。これからも、変化する市場環境に対応しながら、日本の誇りとしてさらに発展していくことを期待しています。
この記事が、マーケティングを学んでいる皆さんにとって、パイロットコーポレーションの成功要因や市場環境の理解に役立つことを願っています。
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