推しの会社 〜君は、真に上質なニットを知っているかね?〜
私がアパレルデザイナーの村松啓市さんを初めて認識したのはnoteでした。
コロナ禍で在宅の時間が長かった頃、色んなクリエイターさんやデザイナーさんのnoteを読み巡っていて、その中で見かけた一人が村松さんです。
株式会社ウールスタジオのレディースブランドmuucとニットブランドAND WOOLのデザインをされています。
私自身、服が好きなほうではありつつ別段ファッションに詳しいわけでもありませんし、アパレルについて専門的に学んだわけでありません。
ただフォトグラファーとしてアパレルの撮影をさせていただくようになって久しいので、色んなメーカーさんが作った服に日常的にたくさん触れますし、素材の知識が少しづつ増えたり、縫製の良し悪しも見るようになったりしていきました。
1着の服が作られてお客様に購入されるまでには、繊維の工場から染色や加工の工場、縫製工場、メーカーさんから小売店さんなど、本当に多くの人が関わっていることも知りました。
何気なく着ているファストファッションは、果てしなく長い工程を経て、多くの人の手で作られているにしてはあまりにもコストに見合わない低価格であることを知りました。
それは海外の工場で非常に安い人件費で作られているからであること、高い技術を持つ日本の工場がどんどん減っていることなども、知りました。
そうした現状を知ってから村松さんが作った服に出会うと、本当に衝撃しかありませんでした。
レディースブランドmuuc(ムーク)は、日本の工場の高い技術と上質な素材によって作られています。
私は撮影の仕事を通して色んなメーカーさんの海外製の服にたくさん触れてきたので、muucの服がいかに上質かを本当に強く感じられました。
ファストファッションに慣れている人からすると高めの価格帯になりますが、国内でこだわって作られていて、工場に対して適正に利益分配されているからこその〝相応〟な価格帯です。
一般的にそうしたサステナブルなブランドはベーシックなデザインの服が多いのですが、村松さんのデザインはそうではなく、長く着られる普遍性や気品がありながらもしっかり尖っていて〝他にはない特別感〟があります。
サステナブルなだけではないし、上質で上品なだけではないし、尖っているだけでもない、このバランスが絶妙なんです。
また、ウールスタジオのもう一つのブランドAND WOOLも魅力に溢れています。
村松さんのnoteでも詳しく書かれていますが、AND WOOLはニットのブランドです。
上質な毛糸などを販売しながら、ニッター(編み手)さんを育てたり、就労支援事業所と共に手仕事をしていくなど雇用にも繋げたり、ニット文化を広げる活動をしています。
中でも、カシミヤ100%のシリーズは、編み立てから仕上げまで全て手作業で作られている定番人気アイテムです。
上質なホワイトカシミヤを撚糸した糸を使用し、昔ながらの手編み機を使って工業機械では再現できない繊細な調整をしながら人の手で編まれています。
持続可能な社会の実現に繋がる優れた「ソーシャルプロダクツ」に光を当てたソーシャルプロダクツ・アワード 2024のソーシャルプロダクツ賞も受賞しています。
私は敏感肌なので「ニットは痒くなる」という苦手意識があったのに、AND WOOLのニットは私の中の固定観念を完全に覆しました。肌を優しく包み込むような心地で、それはまさに革命。
そしてなんといっても村松さんは能力だけでなく人柄も素晴らしい方なので、ウールスタジオは私にとって〝推している会社〟であり〝推しがいる会社〟でもあるわけです。
村松さんとはコロナ禍に入っていたオンラインサロンの一つで知り合い、サロンを辞めた後も交流があり、今は微力ながらお仕事を手伝わせていただいています。
眺めるだけでも素敵な服がたくさんありますので、良ければショップを覗いてみてください。
バレンタインや歓送迎会や卒業式などのイベントが控えたこの時期、特別な日の装いにはmuucの服、大切な人への贈り物にはAND WOOLのニットをぜひお勧めします。