日本史授業脚本「28 大阪会議」
「明治六年の政変」でバラバラになった維新の政治家たち。「五箇条の御誓文」に掲げられた「会議を開いて話し合いで決めよ」という方針のもと、再結成が図られます。
下野していた板垣退助と木戸孝允に、政府のトップ大久保利通が復帰要請します。頑固な大久保利通ですが、ここは板垣退助のいる大阪まで出向き、彼の要望を受け入れる形で臨みました。
板垣退助が自由民権運動を扇動するのは、大久保利通にとってもやりにくいですからね。それに、立憲国家を目指していくゴールは大久保も板垣も同じですから、話し合いの余地はあるということでしょう。
また大久保は、岩倉使節団で欧州視察中に、木戸だけが外国人女性にモテ過ぎたせいでギクシャクした関係になった経緯がありました。でも、木戸の政治家としての才能には敬意を払っていて、いざ政府を去られてしまうとその大きさに気づいたのかもしれません。
そんな政治家同士が互いの意見をぶつけ合った結果、立憲国家へのさらなる一歩を踏み出すことになりました。そしてそれを「詔」の形で発表するところに、日本らしい誠実さを感じます。
「民選議会を作りたい」という板垣退助の意見、「三権分立を形にしたい」「地方情勢に耳を傾けて欲しい」という木戸孝允の意見、を大久保利通がまとめて「詔」という「天皇のお言葉」の形で国民に約束しました。
立場や思いは違っても、目指す方向は同じ。そんな優秀な政治家たちが「話し合い」で「調和を図り」決めたことを、「最も誠実な形で国民に示す」ことにしたのです。
そこには、「自らの保身」や「特定の人たちの利権」、「個人的な名誉」のためではなく、この国の発展や国民の幸せを考えてぶつかり合う政治家たちの姿があります。これこそ「政治」だと思うのですが…。
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