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日本史授業脚本「42.大日本帝国憲法公布」
憲法改正論議が高まりつつある現在。護憲派の人たちの中には、「大日本帝国憲法」を戦争に導いた酷い憲法のように印象操作する人たちがいます。
「日本国憲法」改正の必要性については、いろいろな議論があって然るべきだと思いますが、現憲法を素晴らしいものと見せるために、前憲法を印象操作で貶めるのはやめてもらいたいですね。
今の私たちは、「大日本帝国憲法がどのような経緯でできたのか」、「どのような国家を目指して作られたのか」など、大日本帝国憲法の詳細を知らずに雰囲気だけで否定してしまう傾向があるように感じます。
学校の教科書でも、大日本帝国憲法は「欽定憲法」で、日本国憲法は「民定憲法」という説明をしますが、「欽定」とは何なのか、「民定」とは何なのかをきちんと説明することはありません。
「欽定とは天皇が決めたもの(上から押しつけた)」で「民定とは国民が決めたもの(民主的)」みたいな理解で授業している先生も多いのではないでしょうか。
でも、冷静に考えてみて下さい。現憲法のどこに「国民(国民の代表)が決めた」部分があるのでしょうか?最後に衆議院と貴族院で議決して成立したというくらいですよね。
少なくともどこにも「民主的」な過程はなかったはずです。結局雰囲気です。
逆に「欽定」も、「天皇が好き勝手に決めたもの」という意味ではない。そもそも、天皇は政治的な発言はできないのが日本の政治の基本です。
「権威」と「権力」の分離という考え方を学ばないから、こんな恥ずかしい説明をしてしまうんです。
「欽定」とは、「日本の国体(八紘一宇)」の精神に則った憲法かどうか、天皇が見届ける中で議論がなされた憲法ということです。
「国民の幸福」を実現するのが「天皇の希望」であり、そうなるように天皇が見届けて作ったということです。まさに「民本主義」ですね。
日本の国家システムの基本を理解することなく、大日本帝国憲法を説明しようとするから、「総攬」や「輔弼」や「協賛」という言葉も間違った解釈になるのです。
「天皇が好き勝手やれる」みたいな。また、内閣や議会は天皇の命令に従うだけだってね。
こんなバカみたいな説明を、学校や塾の先生が平気でしちゃうと「不幸な子どもたち」が増えていくわけですよ。
そうならないためにも、「大日本帝国憲法」の審議過程とその内容についてしっかりと理解できる授業にしたいですね。
そして、現憲法の改正に関しても、その基礎となる「国家観」「正しい憲法比較」を生徒たちに与えた上で、判断させるべきだと思います。
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