日シリのインタビューが中継で切られても仕方ない理由
日本シリーズが終わりましたが、MVPのインタビューがTBSの中継の中で入らずに終了したことが大きな話題になりました。
野球ファンの方の気持ちは分かります。そこまで観て日本シリーズが終わるところもありますからね。
スポーツ中継で良いパフォーマンスを見たら、その後で選手の言葉を聞きたくなるところに配慮してお立ち台を設けているのは日本のスポーツ文化だと思うんです。
あれ、メジャーリーグには無いですからね。
インタビューはありますけど
だからだと思うんですけど、このニュースを報じたＸへのコメントがTBSへの批判一色だったんですね。
インタビューを打ち切るなんてありえない
横浜ベイスターズの親会社をやっていた期間が暗黒時代だったのも納得
まぁこんな批判が大多数で。
気持ちは分かる。
ただ・・・
もう無理なんですよ。
そこのところをファンとして理解しなければいけないと思いました。
まず今の時代、スポーツ中継ってお金払って有料チャンネルで観るものなんですよ。
プロ野球中継ってもう殆ど地上波から姿を消しています。平成中期くらいまでであれば巨人戦が毎試合どこかで中継されていましたけど、徐々に減ってもうペナントレースではほぼありません。
これ別に野球に限ったことじゃなくて、Ｊリーグなんか中継されることはほぼありません。このまえルヴァンカップの決勝戦が中継されていて逆に驚いたくらいです。
むしろ最近スポーツ中継があるのってフィギュアスケートと駅伝が目立つくらいで、あとは世界大会とか単発の大会くらいなんですよ。
地上波のテレビ局にとってスポーツ中継って視聴率は稼げない、スポンサーは付かないというお荷物化している部分があります。
だから、プロ野球って今はチケットが取りづらいくらい現地観戦の人気は高まっている半面で、ファン以外からすると関心が著しく失われているということを受け止めなきゃいけない。
故にプロ野球を好きな人は地上波ではなくて、お金を払ってJsportsとかDAZNで観戦する形式に移行しています。
しかもね。
もうそんな感じになって久しいんですよ。
今に始まったことでは全くない。
今回の日本シリーズだって有料放送もしています。
中継しているんだから最後まで放送するのが筋だろうとか、何のためのサブチャンネルなんだという意見も分からなくはないですが、それはTBSが総合的に判断したことなんですよね。
スポーツ中継が地上波に不向きになる中で放送に踏み切り、無料で私たちを楽しませてくれている。
だから、私からするとありがとうっていう気持ちしかないです。
これがもし試合途中での放送終了だったら意見は変わったかもしれませんが、インタビューですしね。
全部見られたらそりゃ嬉しいですけど、無料で見られる機会を与えてくれたことを感謝する方が先に立つので仕方ない。今のプロ野球とスポーツ中継の立ち位置を見た時に私は素直にそう思いました。
まぁこれが野球以外のスポーツを取り扱った中継であったとしたら、その競技のファンはよりその感想を抱くと思います。だって、地上波で取り上げてもらえるなんてオリンピックの時くらいですから。
あとね。
地上波でのスポーツ中継が2024年に不向きな理由。
それは、他の番組に影響が出ないよう配慮せねばならない立ち位置だからです。
巨人戦の全盛期において野球中継は絶大な力を持っていましたので、放送時間を延長することが常でした。
そうすると、後に放送する予定のドラマもニュースもバラエティも全て放送時間が変わってしまっていたんです。
当時はビデオが普及していましたが、予約しても30分は野球中継、もう30分がドラマの前半が取れているみたいなことが頻発して、野球中継って非野球ファンからすると本当に迷惑な存在だったんですね。
だけど野球人気が高かったために、他の番組の視聴者からすると放送時間の延長っていう極めて横暴なやり方がまかり通ってしまっていた。
当然後続の番組のファン、特に巨人戦は日本テレビが多かったのでジャニーズ枠のドラマが影響を受けた関係から若い女性のアンチ野球を増やす結果になったんです。
時は流れて2024年になると、野球中継ってもはや地上波では「放送させていただく」立ち位置なんですよね。
だから、後続の放送予定の番組への迷惑なんて到底掛けられない。
そんなことしたら野球中継を延長させていた頃に作ってきたアンチ野球ファンたちがここぞとばかりに批判することになるわけです。
今じゃ彼らの方が立場強いですから、なんというか、因果応報としか言いようが無いです。
つまりね、放送時間を延長すれば後続の番組の視聴者からの批判は避けられず、延長しなければ野球ファンからの批判が待っている。
野球中継って、面倒な存在なんですよ。
数字が取れない上にファンが面倒で、新規ファン向けに色々と趣向を凝らせば画面がうるさいとか変なゲストを呼ぶなとかいろいろ言われてしまう。
私がテレビの担当者なら当然「もう野球中継はやりたくない」って思うでしょうね。
そうしたら困るのは誰かと言えば・・・
もうお分かりですよね。
結論として地上波でのスポーツ中継は放送していただいているものであって、感謝はしてもその方法や質に対して批判するようなものではない。
ちゃんと観たければお金を払えば済むことです。
今回の日本シリーズは視聴率が10％に到達していますので、言うほどお荷物っていう感じでもない結果にはなっていますが、野球黄金時代を支えてきた視聴者はこれから減り続けますので、この結果を受けて野球がかつてのように優先されることは無いでしょう。
また、サブチャンネルを用いた中継っていうのもどうなんでしょうね。単発のスポーツ中継をそこまで優遇するほどの措置を地上波側に求めてしまうと、野球が面倒な存在であることを更に立証する結果になってしまうのではないかとも思います。
最後に。
スポーツ中継は観たいけど、有料放送を観るほどの情熱は無い。だけどクオリティは求めるし、最後まで中継しないと許せない。今回のTBSとか論外である。
そういう方に朗報です。
実は2024年現在、全ての公式戦を追加の課金なしで完全中継している唯一のスポーツが存在するのをご存じでしょうか？
そう。
大相撲です。
NHKの受信料に対するスタンスはあるかと思いますがそこが論点じゃないので、そこが話したい人はごめんなさい。
ただ、大相撲に関しては今回日本シリーズの中継についてご不満な方のすべての要望を満たすことが出来るんですよ。
正直今の時代にお金を掛けずにこのクオリティのスポーツ中継をガッツリ観られるのって大相撲しかないんですね。
しかもタイミングがいいことに、今週末から大相撲九州場所が行われるので、日本シリーズでちょっと嫌な思いをした方は是非一度ご覧ください。
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