何もやりたくない時は、飽きるまでなんもしない。
皆さん、緊急事態宣言が始まってから1ヶ月が経とうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。
自ら望んで自由な生活ができる環境での引きこもりではなく、様々な制限がある中での引きこもりとなると、やはり窮屈さを感じます。
会いたい人には会えず、いきたい場所にも行けず、ひたすら自分だけと向き合っているのはしんどくなってきますよね。
ただ、このような状況になり世界が変わり、生活が変わっていく中で、自分自身がこれからどうやって生きていきたいのか、考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
今まで理想にしていた生活環境は、現実的ではなくなってくるかもしれません。もしかしたら想像もできないような未来が待っているかもしれない。
私たちがこれから生きていく上で必要とする自分の信念を考え直す期間にしていけたらいいなと思います。
170、『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』 ルシア・ベルリン(著), 岸本 佐知子(翻訳)
初めて翻訳された短編集。自伝かと思って読んでいたから、なんで時系列がばらばらなんだろって思ってた。(笑)
著者の人生と重なる部分もあるらしく、1人の女性が幼い頃からの虐待やいじめ、アルコール依存などを乗り越え、生きていく様子が描かれている。想像力を豊かにしてくれる。そして最後まで細かく描写がされていないので、自分であれこれと想像を膨らますこともできる。
特別大きなことを成し遂げた人ではないのかもしれないが、読んでいると物語に引き込まれていく感じで面白かった。
171、『劇場』 又吉 直樹(著)
祖母が貸してくれたので半日かけてゆっくり読んだ。又吉さんの世界観が見れた気がして面白い。
主人公の永田はただのヒモ男でどうしようもないな、と最初は思ったけど素直じゃなくてひねくれ者だけど、本当は優しさを秘めているということを恋人の沙希は理解してくれている。そんな彼女だけど、人間というのはずっと強く生きていくことはできなくて、自分にも大切な相手に対しても嘘を付けなくなるときがくる。自分が幸せであれる場所で生きていくことが人間にとっても幸せな生き方だなと思った。
「演劇でできることは、すべて現実でもできるねん。」
という言葉が響いた。人生は演劇のように自分で創造していくことができる。現実は自分でつくっていかなければいけないということかな。
読みやすくて感情も揺さぶられる。とてもいい小説だった。
172、『ブルーデイブック―誰でも落ち込む日がある。』 ブラッドリー・トレバー・グリーヴ(著), 石田 享(翻訳)
オススメに出てきてレビュー評価良さげだったので購入。中身は1ページ一言だけど、励まされる。動物の写真は、表情がなんとも言えない可愛さで親しみを感じさせてくれる。疲れた時にすっと読みたくなる本。
173、『雪沼とその周辺』 堀江 敏幸(著)
芥川賞など数々受賞している小説家。先日知り合った方に紹介してもらった。「送り火」はセンター試験にも出題されていたらしい。
短編になっているが、それぞれに雪沼という田舎の地方が出てくるし、人物が重なる部分もある。描写が細かくて、想像を掻き立たされる。小説家って人間や自然など目の前のものを、すごく細かいところまで観察しているのかなあ。そしてそれを言語化して読み手に伝えるって本当にすごいなと思った。
174、『Disneyプリンセス愛の言葉』 ウォルト・ディズニー・ジャパン(監修)
プリンセスが王子様と出会ってハッピーエンドで終わる物語。その中でプリンセスたちがレディとして、美しく生きていくためのアドバイスが書かれている。恋に忙しい女性にとって、前向きになれる本。
175、『檸檬』 梶井 基次郎(著)
ずっと気になっていたが、難しそうでなかなか読む気にはならず。友人に紹介されてついに読んだ。
1回目はよく理解できずまま読み終えてしまった。短編なのでもう一度じっくり読んでみると、憂鬱とした気分の中にも単明に光る黄色い檸檬が、心を晴らしてくれるような気分になった。普段の日常の中でも、その時によって自分の中で光って見えるものは変わっていく。そんな些細な日常の喜びを探してみたいと思った。
4月はなかなか読書をする気にならず、時には何もしたくない日を過ごすこともありました。
何もしたくない日には、「私ってどうしようもないな」とか落ち込みます。
しかし、何もしたくな日にはとことん何もしなければいいのです。
何もせず、飽きるまでだらだらと過ごします。
動きたくなったらまたやりたいことをやる。
自分のやりたいことだけやって、毎日を生きていければそれだけで十分なのではないかな、と思っています。
皆さんにとって素敵な日々になりますように。
MAKO