与えられた機会を利用して自分を磨く時間にする
おはようございます。まこてぃです。
ここ数日は気圧変動のせいか、映画の見過ぎなのか、神経痛がひどいのでなるべくネットから離れて生活をしています。調べたら神経痛は50代以降に多く見られるそうですが、私は10代の頃からよく神経痛になっているんですよね。(笑)
どうでもいい話でした。
では、最近読んだ本をまとめておきます。
150、『逆境を越えてゆく者へ』 新渡戸 稲造(著), 実業之日本社(編集)
コロナショックによって人生の逆境に立ち向かおうとしている人が多くなる時代に読むことができて良かった。いくつか共有したい言葉があったので引用しておく。
すべて禍いや不幸は不意に起こるものである。慌てず落ち着いて前後を考え、物事の軽重を比較して対処法を考えることが大切である。やみくもに大変大変と騒ぐとますます逆境に深入りしてしまう。
辛いこと苦しいことに遭遇したら、これは天が自分の力を試す機会を与えたものだ、この機会を利用して腕を磨こう――そう思えば百難もなんのそのという気持ちになる。 この勇気が起これば、辛苦に耐えることがかえっておもしろくなり、逆境は怖くないばかりでなく順境のように思えてくる。
これだけでなく、継続力を身に着けるためには原則を持たなければならないが、実際に行動することは簡単なことから始める。という教えや、徳を積むことについても書かれている。
徳を積むとは、毎日善い行いをするということ。お金などの物質的なものは今すぐ積むことが難しくても、善い行動は今すぐからできるもの。
人のことを羨んだり妬んだりするのではなく、「善」を意識して生きていきたいと思った。
151、『死ぬ瞬間―死とその過程について』 エリザベス キューブラー・ロス(著)
ターミナルケアの聖書と言われている終末期患者の死に対する5段解説。医療従事者にとっては言わずと知れた人だが、遠藤周作さんが著書の中で絶賛していたので改めて読んでみた。
実際に私も現役の時に難しいターミナルケアの事例もあったが、こういった本を読んで勉強していたら少しは違う観点を持てたのかな、とか思った。人間はみんな死に向かって生きているけど、不治の病を宣告されて死に直面したとき、その時の感情は本人にしかわからない。家族や医療者が寄り添って患者の話を聴く行為が大事なんだなと。日本だけでなく、他の国でも看護師は不足していることを知った。
外国では病院牧師がいて、死に関する思想についても宗教によって異なるが、日本人の多くは無信仰なので、怒りや癒しの矛先が難しいのかもしれない。
152、『天国はまだ遠く』 瀬尾 まいこ(著)
仕事や人間関係において疲れてしまった23歳の女性は、仕事を辞めるという勇気がなく、自殺を図ろうと山奥の民宿へたどり着く。そこで民宿を営んでいる30歳の男性と出会い、食事を提供してもらったり、自然の中で暮らしていく中で、生きることの快感を得ていく。
死にたいと思うことがあっても、結局は死ぬことができない。自然や人間と触れ合うことで、自分の新たな感性に気付く。
特別幸せなことがなくても、自然と共存し、人間らしく生きていければそれだけで幸せなことだな。と改めて生きることについて考える本だった。
153、『饗宴』 プラトン(著), 中澤 務(翻訳)
古代ギリシャの哲学者プラトンが、愛の神エロスについて物語のように描いている。饗宴(当時の社交のための宴会、寝椅子に横になりながら酒を交わしたりする)にて、5人の人物がそれぞれのエロス神の偉大さについて演説をしていく。
ギリシャ神話について知識がないと、1回だけではなかなか難しくて理解できない。でもギリシャ神話について勉強してみたくなった。
5人の演説では色んな視点でエロスについて語られていて面白い。後半はソクラテスによる演説であるが、これが難しい。
古代ギリシャにおいても同性愛に似たような関係がみられたようだが、現代とは概念が異なっていて興味深かった。
154、『労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱』 ブレイディ みかこ(著)
ブレグジットが話題になりベストセラーになっていたので読んでみた。
英国在住の著者の労働者階級からみた英国の現状について生の声も交えながら書かれている。一般的な歴史よりもさらに深い英国の歴史について、著者の学習記録のようにまとめられているので、英国の基礎知識がまずは必要だなと思う。
155、『建築家、走る』 隈 研吾(著)
歌舞伎座の歴代の建築や、20世紀の建築様式などが分かる。隈さんは、世界で活躍している建築家であり、名前はよく聞くがどんな人かまではよく知らなかった。建築家はもっと単純な仕事なのかなと思っていたが、ただ設計をするだけでなく関係者たちとのコミュニケーションをはじめ、自分の信念や哲学・思想など色んな分野において知識や意見を持っていないと成り立たないんだな、ということが分かった。
また、各国の国民性もあるため、他国の人たちの文化や性格なども見極めながら役割や道筋を立てていかなければいけないということが書かれており、自分が今まで生きてきた世界や価値観が全てではなく、常に色んな価値観を吸収していくことは大事だな、と思わされた。
156、『妄想とツッコミでよむ万葉集』 三宅香帆(著), 相澤いくえ(イラスト)
phaさんがTwitterでオススメしてて買った。関西人の著者が現代風にわかりやすく万葉集の解説をしている。著者の年齢がほぼ一緒でびっくり。こうやって現代人に向けて発信し、伝えてくれる人がいることで、1000年以上も語り継がれていくんだなあ。感謝。
157、『トウガラシの世界史 - 辛くて熱い「食卓革命」』 山本 紀夫(著)
トウガラシといえば、インドや中国、韓国などを思い浮かべる人が多いと思うが、トウガラシの原産地は中南米(コロンビア周辺)で、そこからヨーロッパを始め、世界各国に広がっていく。
種子を媒介する動物の中で、鳥は辛みを感じないらしく好んでトウガラシを食べる。また種子自体も変性させないので、鳥が一番の媒介者だったり。歴史の学びも多く、読み応えのある本。
トウガラシやパプリカにはレモンの何倍ものビタミンCを含んでいる。また、辛み成分のカプサイシンは胃腸の働きを活発にし、脳内モルヒネと呼ばれるエンドルフィンの分泌も促すことで、疲労や痛みを和らげ、ストレスの解消にもなる。読んでいるとだんだん唾液が出てきて、辛いものが食べたくなる。
158、『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』 メイソン・カリー(著)
作家や作曲家、学者など有名な偉人の1日について簡潔に書かれているだけ。私たちの日常と変わらない生活を送っている人もいれば、変わった生活をしている人もいて面白い。ほとんどの偉人に共通しているのは1日のルーティンが決まっていて、そのルーティンが崩れることを嫌う人が多いなということ。特に作曲家は神経がセンシティブなようで、多くは山奥小屋などの静かな場所にこもり、頻繁に散歩もしている。家族はもちろん近所の人たちにまで騒音を立てないように警告するなど、徹底ぶりがすごい。妻のサポートも欠かせなかった。散歩においては作曲家意外の偉人の多くが行っており、そこでクリエイティブな発想が生まれていたのだそう。
159、『結婚』 末井 昭(著)
末井さんの本はほとんど読んできたが、この本は夫婦のあり方や家族についても書かれており、子育てなどに悩んでいる人にもオススメしたい。結婚や家族って色んな形があっていいなと思わされる。
神父の千石さんの話が面白く「女は男を愛せない」というのがよかった。聖書の内容も出てきて、愛とは、愛している人と愛される人がいるから成り立つものだ的なところが印象的だった。愛されたい、こうして欲しい、というのはエゴである。みんなで協力して子育てをしていく、拡大家族の形は素敵だなと思う。
末井さんと美子ちゃんの関係も「絶対に嘘をつかない」という約束があり、生活も変わっているがそれがまた理想的だなと思った。
外出自粛によって週末のインプットの時間が捗った方も多いのではないでしょうか。生活のルーティンを考えたり、自分と向き合ったりする良いタイミングです。世間の騒動に惑わされず、ゆっくりとご自愛くださいね。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
MAKO