雨音、リズム、そして語感。
今朝の天気は曇り空。うっすらと降る小雨も、どこか穏やかで爽やかな感じがしました。
「ポツポツ、ポツポツ」
傘に雨が小気味よく当たる音が好きです。軽やかでリズミカルな心地よさは土砂降りの雨では得られません。雨がポツポツと傘に当たる間隔は一定ではないところも、アクセントになっていて面白い。雨雫が時間の線でつながると、まるで「音楽」のような豊かな響きが感じられてくるのは不思議です。
雨音に集中していると気持ちがスッと落ち着いてきて、どこか「静けさ」を感じてきます。耳をふさいでいないのに静かに感じる。静けさとは物理的な「無音」を意味するのではなく、むしろ自分と外側がなめらかにつながっていく時に生まれる「現象」だと思えてきます。閉じられた静と開かれた静。
「ポツポツ、ポツ…。ポツッ、ポツッ…。ポツポツ…」
そんな小気味よい音が頭の中でリフレインしていると、なぜか「パチパチ、パチパチ」という音が重なってきて、焚き火のイメージが頭に浮かんできました。
「ポツポツ(Potsupotsu)」と「パチパチ(Pachipachi)」
Pという子音には「何かが弾ける」ニュアンスを感じます。あたたかさ、やわらかさ、力強さ、爽やかさが調和しているような音。それが"P"。
言葉が身体に響いてゆく感覚。言葉を発するとき、発した言葉は自分の中で響いています。何度も何度も口にしていると、身体に響いて、やがて心にも響いていくような気がしています。
言葉の「語感」を大切にする。意識を変えようとするのではなく、口にする言葉を変えてみる。言葉の語感が変われば、語感に導かれて意識も変わっていくのかもしれません。
ポツポツ雨の日に無性に聴きたくなるピアノ曲が『雨の踊り子』です。