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VR・ARを使ったマーケティングリサーチ

この記事は、アイトラッキング編の続きになります。
まだ読まれていない方は、もしよければ先に読んでください。

VRやARは色々な業界で活用されており、研究成果も続々と発表されています。そこで、アイトラッキングの続編として、VRやARに関して取り上げたいと思います。

VR・ARとは?

VRとは、どういったものでしょうか?
NECのホームページでは、以下のような説明がされています(※1)。

VRは「Virtual Reality」の略で、日本では「仮想現実」とも呼ばれています。具体的には、専用のゴーグルで人間の視界を覆うように360°の映像を映すことで、実際にその空間にいるような感覚を得られる技術です。

一方、ARについては、NTTコミュニケーションズのホームページ上で、以下のような説明がされています(※2)。

AR(Augmented Reality)とは、仮想空間の情報やコンテンツを現実世界に重ね合わせて表示することなどにより、現実を拡張する技術や仕組みを指します。日本語では拡張現実と呼ばれます。

VRは専用のゴーグルなどを使って全体が仮想空間になる一方、ARはスマートフォンなどを用い、現実世界上に仮想空間が重なるイメージになります。

定義や説明だけでは分かりにくい点も多いと思うので、いくつか事例を紹介したいと思います。

実務での事例

●ゲーム
まずは、ゲームの分野について紹介します。
VRでもっとも有名なものとしては、PlayStation VRがあります。
専用のVR機器を使うことで視界全体がバーチャル空間になり、従来のゲームよりも没入感のある体験をすることができます。

また、ARで話題になったゲームと言えば、Pokemon Goでしょう。
現実世界にポケモンが現れ、そのポケモンを捕まえたり、バトルをすることができます。リリース直後には、多くの人がアプリをダウンロードし、ポケモンを捕まえに街を歩きました。

ポケモン以外にも、ピクミンやハリーポッターなどについても、ARを活用したスマホゲームが発表されています。

●旅行・観光
観光の分野は、VR・AR共に盛り上がっている分野の一つです。

気軽に旅行に行けない今の時代において、新技術を活用した国内・海外旅行の手法が模索されており、様々なサービスが提案されています。

例えば、VRを活用した事例として、「愛媛クラフトビールツーリズム」という取り組みがおこなわれました。
このツアーでは、愛媛のクラフトビールの魅力を、VRによるオンラインツアーで知ることができるようになっています。

ARを活用した事例としては、愛知県碧南市の「ARへきなん観光」があります。ARを使って、モデルコースや観光地の説明を知ることができます。

昨年、大阪では、ARも含めたデジタル技術を、観光に積極的に取り入れる実証実験もおこなわれました。

●その他の事例
ゲームや観光の他にも、賃貸物件の内覧や医療、教育の分野など、様々な分野でVR・ARの活用が進められています。

VR・ARに関する研究

VRやARに関する研究が最も発表されている分野としては、観光マーケティングが挙げられます。上述したように、観光分野はVR・ARが盛んに取り入れられている分野であるため、研究成果も多いのでしょう。

Journal of Travel Research誌やJournal of Vacation Marketing誌といった観光マーケティングの学術雑誌を検索すると、様々な観点から実施されたVR・ARの研究を知ることができます。

観光以外でも興味深い研究はいくつも発表されています。
例えば、Journal of Marketing誌に掲載された論文として、VRを使った新製品開発に関する研究があります(※3)。

余談ですが、この論文の著者の一人、ドイツのHomberg教授は、独創的な研究を数々と発表している研究者です。
これ以外にも面白い論文を発表しているので、他の論文も読んでみると研究のヒントを得られるかもしれません。

※1: NECホームページ参照
※2: NTTコミュニケーションズの「ITトレンド用語」参照
※3: Harz, N., Hohenberg, S., & Homburg, C. (2021). Virtual reality in new product development: Insights from pre-launch sales forecasting for durables. Journal of Marketing, 00222429211014902.

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