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この本はいかが 012

おとぎカンパニー
田丸雅智 光文社 2018年12月20日初版第1刷発行

ショートショートと言われる14の短編集です。全てベースが有名な童話になっています。もとの童話と新しい話の題名の関係は、例えば次のようになっています。
白雪姫→同期で1番。裸の王様→見えないラケット。眠り姫→眠らせ姫。
時代はほぼ現代で、会社のOL、学校の部活、少女、等普通の人が主人公です。もとの童話の流れに沿うような展開になりますが、結末は、愉快なもの、キュンとくるもの、ぞっとするもの、と読む人に様々な印象を残すと思います。もとの童話を知らなくても読みごたえがあります、とても短い中に詰め込まれている言葉や文章は、難解な言い回しはなくて、分かりやすいです。その分、濃度が高まっています。これらを与えてくれる作者の力量はすごいです。
おとぎカンパニーには、日本昔はなし編、ほかも出版されています。昔に読んだいろいろな童話を思い出しつつ、楽しく読むことが出来る本です。装画・本文イラストのすべてを担当しているusiのイラストは雰囲気がよく表現されていて大好きです。

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