それでいいのか、TSUTAYA?
TSUTAYA、そして蔦屋書店の話です。
TSUTAYAといえば何をイメージするでしょうか?
レンタルCD
レンタルビデオ〜DVD
書店
カフェ併設書店
図書館運営(厳密には親会社のCCCなのかな?)
Tポイントカードは金融事業と括っていいのだろうか?
TSUTAYAは蔦屋書店がその歴史の始まりで、
大阪北部と京都を繋ぐ京阪沿線の大阪府の端枚方市に一号店がオープンしたのが1983年のこと。
そして、僕が少年期を過ごした守口市、枚方市と同じ京阪沿線で少し大阪寄り、にも蔦屋書店はあった。
なので、僕にとってのTSUTAYAは本屋としての蔦屋書店なのです。
それが、ずいぶん遠くまで来たものだなぁと思います。
蔦屋書店と名乗っていたローカルの本屋はある日突然看板が掛け替えられてTSUTAYAになり、
レンタルビデオ、レンタルCDなども展開して、全国へ出ていきます。
お金のない学生や新社会人にとって、CDを買わなくていいというのは画期的で、
それがTSUTAYAが発明したビジネスモデルでなかったとしても、日本国内で広めた功績は確実にあるんでしょう。
レンタルビデオに関してもしかり。
特にインターネットなんてなかった当時の独身男性には、色んな意味でなくてはならない生活必需スポットでした。
そんな僕らのTSUTAYAがなんだかお洒落をして、気取りだした(あくまで個人の感想です)のは平成に入ってどれくらい経ってからでしょう?
運営会社がCCCというよく分からない3文字略語になったのは、関西風に例えるならまさにイキってるなぁという変化の一つでしょう。
そして、音楽や映画が配信でもアクセス出来るようになるにつれて、
僕らのTSUTAYAはどんどん遠くへ行きます。
福岡県武雄市の市営図書館の運営をCCCが受託して、TSUTAYA図書館が華々しくデビューしたのは武雄市の目立ちたがり市長とのコラボもあって、何となく胡散臭いものを感じていて、
やがてまもなく図書館蔵書に余った古本を大量に仕入れてるの?という批判が出たことが、
当初の胡散臭いイメージが烙印のようにダメ押しされて、
TSUTAYAイコール大丈夫か?
という色眼鏡が定着してしまいました。
(あくまでも個人の感想です)
TSUTAYAのWebサイトは「ライフスタイル情報発信ポータル」と謳っているようなので、
その事業の多角展開もあって、もはや生まれた頃の蔦屋書店の心持ちは捨てたのかなぁなんて思わなくもないです。
それが表面化したと個人的に考えているのが、JR京浜東北線浦和駅の北口改札に隣接している蔦屋書店。
この店舗は、浦和駅に湘南新宿ラインの停車駅になったくらいのタイミングで駅ビルが増築改装された時に出来た店舗で、
彼らの店舗一覧によるとTSUTAYAではなく蔦屋書店を名乗っているようです。
確かに書籍販売だけに特化しているようですが、スターバックスと敷地を共有している最近の出店形態のようでもあります。
そして、もう一つこの店舗特有なのが(他に同様の形態があるのか僕が知らないだけかもしれません)、
駅改札への通路とも敷地を共有しているということです。
敷地を共有というと可愛い言い方ですが、その実態は書店敷地の中心のメイン通路がそのまま駅改札への通路になっていて、
メイン通路脇にある平積み棚に立ち止まって本を物色しようものなら、改札を出入りする乗客とぶつかりそうになり、
なんなら舌打ちされたりする。
特に夕方の通勤時間帯はひどくて、メイン通路が人が2人並んで歩くと一杯になるくらいの幅しかないため、この時間帯に本を見るのはほとんど不可能。
この状況で、
「蔦屋書店です、本屋でござい」
と本気で思っているとしたら、とんでもないことだし、
本気で思ってないとしても、書店業を軽く見てるんだろうな、としか思えない。
最初は、書店が増えることを喜んだものの、それはぬか喜びでしかなく、個人的にはここを本屋だとは認めたくない。
まさに当テキストのタイトルの
「それでいいのか、TSUTAYA」
を一番表しているのがこの蔦屋書店です。
むしろ、蔦屋書店なんて名乗らないで、単にTSUTAYAとしてもらった方が良かったかもしれない。
蔦屋書店を名乗るのであれば、本屋としての最低限の
「来店客がゆっくりと本を選べる」
そんな環境は用意して欲しい。
それでいいのか、TSUTAYA!?
〈了〉
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