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映画3本立て『劇場版 マーダー★ミステリー』『梟 -フクロウ-』『わたしの見ている世界が全て』

U-NEXTの配信で映画3本立てを観たので簡単に感想を。


1本目
『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』

まず、タイトルが長い!
「劇場版」とあるし、「探偵・斑目瑞男の事件簿」ともあるので、これはテレビドラマシリーズなのかな?
ルックはテレビドラマそのまんま。
(後で調べたらやはりテレビドラマシリーズらしい)

これも知らなかったけれど、マーダーミステリーというゲームがあって、人狼ゲームとかそういうのと同じで渋谷や新宿などの繁華街にゲームが楽しめる場所があるようだ。ふーん。

さて、こちらの方は「全部アドリブ、台本なし」ということで、各自の人物設定だけが決まっていて、あとは完全アドリブで犯人当てをしていくらしい。
ふむ、映画やドラマとなると尺も決まっているので、果たしてどこまでガチでアドリブなのかは疑問が残るが、確かにそうなんだろうな、という感じは少しあった。
登場人物は探偵役の劇団ひとりを除き7人がある奇祭が行われる村の有力者の晩餐に集まり、そこで連続殺人が起こる。
さて、犯人は誰か?
役者の皆さんはさすがというかそれなりにシリアスに演じられているが、どうも劇団ひとりの芝居が大げさな顔芸のいつものコントそのもので、興ざめだ。
劇団ひとりは嫌いじゃないが、この劇場版では浮いていないか?
いや、もともとがこういうものだったのか。
頑張って最後まで観たが、正直あんまり面白くなかったな。
本編終了後の特別映像、撮影舞台裏の方が面白かった。

***

2本目
『梟 -フクロウ-』

映画ポスターの瞳を針で刺される寸前のイメージが強すぎて、韓国のホラー映画だとずっと思っていたら全然違うというのと、評価がすごく高かったので観てみたが、なるほど納得の面白さだった。

舞台は明から清に勢力が移る時代の朝鮮が舞台。
朝鮮国は文化的にも政治的にも中国の支配下にあり、清国に人質の取られていた王子が帰国し、これまで通り明との関係を続けたい国王と、明がとっくに滅ぼされ時代は新しい清に移り変わっていることを目の当たりにして、朝鮮も変わるべきだと主張する王子の対立の中、王子が突然の病死を遂げる。
しかし、それは清との新しい関係を受け入れられない国王の仕組んだ暗殺劇で、それを、目撃していたのが宮廷に仕えていた主人公で盲目の鍼医ギョンス。
ギョンスには見えていないだろうと、仲間の医者が彼の眼の前で王子に毒を塗った鍼を打ち病死に見せかけたが、まさにタイトルの梟の如く実はギョンスは暗闇の中では少しだけ目が見えるという。
さて、暗殺を目撃したギョンスはどうする?
そこからもさらに二転三転するが、脚本もよく出来ていて飽きさせない2時間だった。
古代朝鮮の時代劇にさらに主人公が盲目の鍼師って、地味だろうな、どうかなぁと少し心配していたが、全然そんなことはなかった。
うん、これは90点超え。

***

3本目
『私の見ている世界が全て』

これは、観ていてイタい、身に覚えがなくもないのでとてもイタい映画だった。

舞台は寂れた地方の田舎町の商店とうどん屋が一緒になった店。
父親はとっくにおらず、母親がなくなり葬儀で集まった4人兄弟姉妹。
長男と出戻りの長女が店を継いでいて、末っ子の次男は大学を出て4年経っても就職もせずフリーターで閉じこもっている。
主人公は都会から戻ってきた次女のハルカ。
彼女がとにかくイタい。
自分ではバリバリ仕事が出来ると思っていて、実際、学生時代に中心になって立ち上げたプロジェクトが成功して起業している、なんなら周りの人間を見下している。
うん、若い頃に仕事が出来る人間が陥りそうな感じだ。
だけど、当然その成功も一人の力ではなく、彼女を補佐するチームがあってのこと。
しかし、そんなことは気にしない。
付いてこれないヤツはさっさと辞めればいい、そんな姿勢が暗黙の(いや明白な)パワハラとなり、人がどんどん去っていくがそんな事には当然気づいていないが、ある日一緒にビジネスを立ち上げたと思っていた上司からやんわりと批判され、だったら辞めて独立してやるとばかりさっさと退職する。

そんな時に、子どもたちが実家の店を継ぐことになったが、新しく会社を興すための資金づくりに店を売却しようと提案するハルカ。
地元で踏ん張っていた長男も長女も次男もそれぞれ事情を抱えていて、それぞれがどん詰まりだったので、その話に渋々ながら者、断固としてそんなことはさせない、親の残した店は俺が守ると意固地になる者。
実家の話も自分の都合と金銭的な損得だけで、これまで通り強引に話を進めようとする次女の言動が、兄弟姉妹に波風を立てる。

最後の方では少し自分の言動に気づいたようなハルカだが、物語はハッピーエンドでは終わらない。
まぁ、どうにかはなるんだろうが、それにしてもイタい。
タイトルはハルカの視点なんだな。
若さゆえの暴走というか。
外資系のコンサルティング会社とか、あんな感じの若者がゴロゴロいそうだ。
丸の内を肩で風きって歩いてたりして、怖い。。。
ハルカの場合は、おそらく30を少し過ぎたくらいの設定なんだろうが、その時点で気付けて良かったのかもしれない。
家族がこんなことにならなかったり、一人っ子だったりしたらずっと気付かないまま年老いたとしたら。
「お前を中心に地球は回ってんじゃないんだよ」
とかいつか言われたりして。
あぁ、考えただけで恐ろしい。

***

順位をつけるとすると、
『梟』>『わたしの見ている世界が全て』>>>>『劇場版 マーダーミステリー・・・』
ですね。

<了>

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