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映画版「Dr. コトー診療所」観てきたよ〜ファーストインプレッションを語ります

ここ数年、元旦には相方と映画を観に行くことが多いです。
箱根駅伝もやっていないし、テレビもつまらないし、みたいな理由で。

最近の元旦に観た映画では、2020年の元旦に観た「カツベン」が
まさにお正月映画だ!!
て風でとても印象に残っている。
終始笑いが絶えないストーリーで、すこしホロリとなって、
観終わった後も元気になれて、
あー笑った、今年も良い年になりそうだね!

さて、2023年の正月は何を観る?って話をしていて、これにしよう
と決めたのが「Dr.コト―診療所」
ドラマ版の熱烈なファンという訳ではないし、
シリーズ通して観たこともないかもだし、
何かの拍子に途切れ途切れに見ていたかなぁくらいの、
「ある日、医者のいない島に東京から1人の若い医師がやってきて。。。」
くらいは知っているぼんやりした観客なんだけど、
相方は吉岡秀隆さんは三丁目の夕日の茶川さんとして、
僕の世代だと北の国からの純として馴染みがあるから安心(?)
あ、それでもかなりぼんやりしてるなぁ。。

まぁ、とにかく泣ける良い話に違いない、ということで元旦の昼の部に
近所のシネコンに行ってきた。

ここからネタバレもありますので、未鑑賞の方はご注意ください。

いやぁ、吉岡さん、もといコト―先生の白髪にはびっくり。
あれは地毛なのか?役柄上の染白髪なのか?
まだ50前後だろうに、まぁ若白髪の人はいるしなぁ、
そんなことはいいけど。

見る前から心配だったのは、
「さっぱり白紙の状態で観た」ってことかしら。
相方も観終わってから、しばらく少し困ったと言ってたのは、
登場人物がほとんど馴染みがないので、
誰が誰で、これまでどんな経緯があったのか、なかったのか、
しばらく解らなかったそうだ。
それは僕も同じで、柴咲コウが当時から診療所の看護師さんだった、
くらいはうっすら覚えていたくらいだったけど、
まぁ、しばらく見ていたらそれなりにわかるくらいではあったので、
いいかな。

しかも、最後のドラマシリーズが2006年だったみたいで、
つまりあれから16年。
白紙の16年間のギャップはドラマ版からのファンの観客とも同じなんですよ。

正直、登場人物の若者たち、研修医のハント先生や看護師のナミさんとかは映画版ではじめて出てきたキャラだろうし、
東京から戻ってきていたタケヒロ君は、ドラマシリーズの時はまだ子供だったので青年になってからの演者さんは皆にとってもはじめての役者さんだろうし、何故医者を目指すことになったのか?などの背景は分からないけれど、父役の時任三郎とのぎくしゃくした親子関係にも、
「まぁ、過去に何かあったんだろうな」
と流しても問題なさそうだった。
むしろ、過去の経緯やそれぞれの登場人物への思い入れがないために、
かえって映画版を独立した作品としてフラットに楽しめたのかもしれない。

実際、レビューや感想をネットで調べてみると、
映画版はやらない方がよかった、
とか、結構否定的なものが多かったような気がしてます。
過去のドラマシリーズへの思い入れが強かっただけに、今作のまとめ方とか
成長したタケヒロの境遇とか、新しい登場人物の役割とか、
そういったものが「受け入れられん!」て感じの人も多かったのだろう。
だけど、ぼんやりしたファンからは全然問題なかったです。
はい。

タケヒロ君の医師の道を諦めた話も理解できたし、
ハント先生も、最初から嫌な奴とは思わなかったし、
家が開業医の人にしては、いたって普通の真っ当な考え方の人だなぁと思ったし、
「全員助けます!」というコト―先生に対して、
そんなキレイ事言ったって出来るわけないんだから、と憤ってトリアージュをコト―先生に求めるところも、
「まぁそんな考えもあるわなぁ」
と納得のいく範囲でした。

一箇所、ちょっとやり過ぎというか、ちょっと引っ張り過ぎだろ、と笑ってしまうしかなかったシーンがあって、そこはマイナスポイントだった。
それは、最後の台風で土砂崩れがあって、次々と負傷者がが診療所の運ばれてくる、先に述べたトリアージュをハント先生が求めるクライマックスシーンなのだけど、
やがて、コト―先生とハント先生、看護師のアヤカさんとナミさんのたった4名だけでは手に負えなくなってきて、そこへ重傷者のおじさんが運ばれてきて
「もうアカン、無理やろ〜!どうすんねん」
となってからの、ひたすらに心臓マッサージをするシーン。
いやぁ、長い、そして地獄。
本当にあんな場面に出くわしたら、全部ひっくり返して逃げ出したくなるくらいの修羅場。
そんな時に限ってさらに悪いことは重なって、
密かに病魔と闘っていたコト―先生が倒れてしまい、アヤカさんも切迫早産で倒れて、
ハント先生が代わって心臓マッサージを絶望感の中でひたすらやるけど、
もう無理、ダメでしょ、やり過ぎ、そんなシーン。
ホント、最後は笑うしかないようなシーンでした。
もう少しなんとか整理して出来なかったのかなぁ。
やり過ぎで、「あんなのある訳ないやん!」って逆効果だったと思う。

それにしても、全体的にはとても良かった。

やっぱり医療って大切だよな、
もっと都心部だけに医療が集中するのではなく、
こういう無医村への対策も自治体任せにするのではなくて、
支援する仕組みを国の制度として政府が予算を手厚く確保してやっていって欲しい
そして、志があって医者になろうという若者が、経済的に厳しいのであれば、それを支援する制度、医療従事者になるための経済的負担を限りなくゼロにするような制度の充実をして欲しい、
などを切に願うくらいには、メッセージは伝わってきた。

そして、やっぱり感涙の涙が出てくるよね、コト―先生のような真摯に生きている人の姿を見ると。
もうね、冒頭のコト―先生が大自然の中を自転車を駆って往診に回るシーンだけで涙が出てきたから。
あぁ、こうやってコト―先生、一時も休まずに19年間もこの島のために頑張ってきたんだなぁって。
単純過ぎるかなぁ。いいんです。

最後のシーンはどうでしょうね。
そして、1年半後くらいのシーンになって
赤ちゃんがはじめて立ち上がる、あぁアヤカさんが無事出産を終えたんだ、
そしてそれを暖かく見守る家族や診療所のみんな、
ハント先生もいた!
そうかハント先生、最後は「恐れ入りました」という感じで運ばれていくコト―先生に静かに頭を下げていたしね、島にしばらく残ることにしたんだね、
コト―先生、やっぱりあのまま亡くなってしまったのか。。。
そんな風に一瞬思ったところへ、ソフトフォーカスのぼんやりとしカメラワークのまま、よちよち歩きの赤ちゃんが入っていくのが診察室、
そしてそこにはコト―先生が、コト―先生の差し出す指を握る赤ちゃん、
そして赤ちゃんを抱き上げるコト―先生。
あぁ、コト―先生助かったのかぁ!良かった。
と思ったのもつかの間。
本当はどっち?どうしてこんなぼんやりとしたフォーカスのカメラワークなの?
本当はやっぱり亡くなってしまったけど、コトー先生の想いだけが残っているの?
赤ちゃんも本当は産まれたの?
え?どっち?

うーん、確かに考えれば考える程、モヤモヤはする。
だけど、僕としては、コト―先生は助かった。
ということにしておこうかなと思います。
その方が夢があっていいよね。

ということで、Dr.コト―診療所 映画版の鑑賞後ファーストインプレッションをnoteしておきました。

読んでいただいてありがとうございました!


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