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君に会いたい
私は双極性障害を患っている。
精神科に通い始めてもう4年が経って、この診断名がついてから1年が経とうとしている。
いまだに自分の病気と心とはうまく付き合うことができないままで、色々なことに振り回されてばかりいる。薬が変わればその度に副作用に悩まされ、吐き気や食欲不振があれば体重は激減する。抗うつ薬を多めに飲めば、躁状態に振り切ってしまって、眠気を感じることもなければ虚無感を感じることもなく忙しなく動き回る。そして喋る。体重増加傾向の副作用がある薬を飲めばその通りに体重は激増し、そのせいでこの2、3年は体格の見た目が安定しない。
双極性障害。つまり躁鬱。躁状態と鬱状態を繰り返す病気だ。私に綺麗に当てはまっている。自傷や自殺未遂をするほどに落ち込み、人に会うのもご飯を食べるのも嫌になる鬱状態の波が抜ければ、寝ている時間がもったいなくて常に何かしていなければ落ち着かず、頭の中はアイデアややりたいことで溢れてとにかく動くのが止まらない躁状態の波が来る。
私は今躁状態だ。自分でも分かるほどに忙しなく動き回っている。歯止めが効かないってこう言うことなんだななんて思いながら、薬で眠りに落ちているとき以外、体は常に何かをしている。
ふと、思った。
ほんとうのわたしはどこにいるんだろう?と。
死にたいと泣く私。何十錠もの薬を握り締めて座り込む私。不安になって過呼吸になる私。自分のことが許せなくて体を傷つけることしかできない私。やりたいことがどんどん溢れてくる私。寝ている時間がもったいないと思う私。喋りたいことが尽きない私。とにかく何かを買いたい私。
全て間違いなく私なのだけど、それらは病気の症状からくる私だ。じゃあ、ほんとうのわたしはどれだろう。
死にたいと思う私も、喋り倒して人に気味悪がられる私も、私だとは思いたくない。
病気になる前の私はどんなだったか、もうわからない。今の私はことあるごとに死にたいと思う私であり、寝る時間がもったいないと思う私である。
繰り返される躁と鬱の波の中で、本当の私を見失ってしまった。
こんなのが本当の自分だって認めたくない、と思ってしまう今。
いつか病気の波の中にいる自分も本当の自分の一部だと思えるようになった時、本当の自分は私にそっと手を振ってくれるだろうか。