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2024年9月21日(土)  神奈川県立音楽堂 加藤訓子プロデュース        メタ・クセナキス 全3話 その3

「悪魔的、呪術的魅力が迸る演奏会」

演奏会解説 第3部・・・「プサッファ」

演奏は加藤訓子の独奏。同時にダンサーがステージフロントにて舞う👆      と言う構成のステージ。

第1部の、ルボンa、bと同じ感想を持ちます。即ち、

加藤訓子の出す音が、あまりに特徴的だったので、それは最初に書いておきましょう👆 1音1音が「重い」❣ 音のひとつひとつが、途轍もなく重く、大きく、そして明瞭👆 「打楽器の演奏は、こうでなくちゃ」という、まさに「お手本」となるような演奏👆

特に、このプサッファで特徴的だったのは、加藤訓子が足でペダルを踏んで発音していた、最後方のバスドラム👆 大型楽器とはいえ、ただ一つの楽器から出る音とは信じられないほど、大きく、重く、明瞭な音・・・加藤訓子の足の動きを見る限り、それ程力を込めているようには見えなかったのですが、出てきた音は、会場全体を震わせるのに充分でした💦

おそらくは後壁のバッフル効果を、上手に使用していたためと思われます👆ここで一つ、ある考えが頭をよぎりました。第2部のプレイアデス、11人の奏者の出す音は、凄まじい迫力で聴衆を圧倒していたのですが、もしも、音圧で圧倒的な迫力を紡ぎ出そうとしていたならば、

第2部のステージの楽器の配置、全体をあとほんの50cmほど、後壁によせていたら、バッフル効果で、さらに凄い音圧になったのではないか、という考えが浮かんだのです・・・が、加藤訓子のことですから、「この配置でのこの音圧がベスト👆」と計算した上での事だったかも知れません💦ともあれ、後壁のバッフル効果までを演奏会の音響効果として計算している事に、脱帽です👆

もう一つ、私が震えるほどに感動した事が、演奏会の最後に起こりました❣

全ての演奏が終了し、演奏者全員がステージに整列し、挨拶も終わり、全員がステージ袖に引き上げ終わった瞬間に、その感動は起こりました💦

加藤訓子を始め、演奏者全員、演奏会の最初から最後まで、一言も言葉を発しなかったのです👆・・・この事実に、私は感動で震えました💦💦

素晴らしいっ❣ これこそ「演奏会」👆

「演奏会」なのです。演奏が聴けさえすればよいのです。演奏以外のことをする必要などないのです👆 演奏以外のこと・・つまり「しゃべる」など、ないほうがよいのです👆

何故昨今は、演奏会と称していながら、演奏者が演奏をせずに「しゃべる」のでしょうか❓私は大いに疑問を持っています。言葉でお客さんに説明する必然性があればよいですが、必然を感じさせ、МCがきちんと演奏会の一部として機能しているМCを行っている人を、私は三人しか知りません👆

ジャズシンガー「海老原しのぶ」、打楽器奏者「新野将之」、それに打楽器グループ「どやどや楽団」の三人だけ👆それ以外の人のお喋りは、ハッキリ申し上げて聞いてられません💦しゃべり始めた途端に帰りたくなります👆

この点でも加藤訓子は日本の聴衆に「お手本」を示したと言えるでしょう👆

このシリーズの第2話では、ピンクフロイドの照明法について「メタ・クセナキス」との共通項を申し上げましたが、この「演奏者が言、喋らない事」も共通しています👆 ピンクフロイドは演奏会の最初から最後まで、メンバーの誰一人、一言もしゃべりませんでした🎵 素晴らしい🌺

読者の皆様にご紹介したいもう一つのこと

それは、作曲家の選び方👆

申し上げてきたように、「本物は10分の1」です。作曲家も「本物」は、有名作曲家の中でも10人に1人くらいしかいないのです👆

「本物の」作曲家は、コンセプト、つまり「何が言いたいのか」がはっきりしています👆 逆に言えば「コンセプトがはっきりと伝わってこない作品」しか書けない作曲家は「本物でない」のです👆

そして「コンセプトがはっきりと伝わってこない演奏会」は、演奏会として力を持ちません👆 作曲家選びを誤ると、そういう事態に陥ってしまうのです👆 加藤訓子は、作曲家選びも理に適っています👆

加藤訓子のプロジェクトが取り上げている作曲家は、イリャン・チャン、スティーヴ・ライヒ、クセナキス・・・「本物」の作曲家たちです👆それも、1度の演奏会で取り上げる作曲家は一人だけ・・・作曲家の、そして演奏会のコンセプトは「これ以上ないほど明確なコンセプト」となり、その演奏会は、大きな力で聴衆に音楽を訴える事ができるようになります👆

ちなみに読者の皆様のご興味にお応えしようと思います👆 ではいったい、「どの作曲家が本物なのか」・・・これについては、私のかつてのnote記事をご参照いただければ、ある程度のヒントにはなると思いますので、僭越ながらご紹介申し上げます💦

そのnote記事の題名は、

警告!この記事を読んではいけない 6   映像音楽作曲家への評価例

です👆

シリーズの最後に

加藤訓子とそのグループは、この10月、ヨーロッパツアーに出発します👆 私には出来ない事ですので、同じ音楽家として素直に悔しい気持ちもあり、同時に(こちらの方が大きいですが)、日本の演奏家集団が、今回、証明されたように、極めて高度な演奏を、ヨーロッパで披露してくれることには、同じ日本人として、大変気分がよいです👆

しかも、加藤訓子のプロジェクトが取り上げている作曲家は、イリャン・チャン、スティーヴ・ライヒ、クセナキス・・・「本物」の作曲家たちです👆さらに、ヨーロッパツアーでは、日本の作曲家、武満徹の「雨の樹」を演奏するそうな・・・

ヨーロッパの人々に、日本人作曲家の曲を紹介するならば、やはり最高度の作曲家を選んで欲しいと願いますが、武満徹・・・願ったり叶ったりです❣ 

ヨーロッパツアーは、素晴らしい成功を収めるに違いありません(^_-)-☆🎉

サインを頂きました❣

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