『「せっかくの披露宴なんで!はい!一生に一度なので!」』
「おめでとうございます。新郎の上司の、いけだまさしともうします。すてきな結婚生活を!」
(拍手)パチパチパチパチ
「えぇと…やまだ…りゅうじともうします。新郎の会社の同僚でございます。そうですね、ええ…おめでとうございます」
(拍手)パチパチパチパチ
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「それでは式場のスタッフがマイクを持って、お席を順にまわるということで、よろしいですか?」
「せっかくの披露宴なんで!はい!一生に一度なので!」
「…しょ、承知しました。円滑に回るよう、努力しますね…」
「いっそう楽しみになってきました!」
「ちなみに100人となりますと、かなりのお時間を要することになると思いますが…」
「ひとり1分なら100分ですよね?」
「えぇ…まあそうですが…」
「ではよろしくお願いします!」
「ちなみに段取りは、歓談中でよろしいですか?」
「あっ…えぇと…お酒に酔ってしまう方もいらっしゃるはずなので…」
「えぇ、そのとおりですね…」
「乾杯前にお願いします!」
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仕事の忙しさににかまけて
結婚式と披露宴の段取りを
妻にまかせっきりだったことを
俺はいま猛烈に後悔している
親族はともかく
会社関係と友人には
詫びを入れないとな