8月3週目

『プロミシング・ヤング・ウーマン』

画像1

(C)Universal Pictures

『フリー・ガイ』

画像2

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『孤狼の血 LEVEL2』

画像3

(C)2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

今週一番良かったのは特になし…。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』、まったく興味がなかったのだが話題作のようなので一応観ておくべきか、と鑑賞。

キャリー・マリガンがとにかくかわいい。ガーリーな世界観が最初のタイトルコールから最後まで一貫しているのは良かった。「男性に対する復讐劇」モノって、女性のファッションや出で立ちまでもが男性的(クールな感じ)になってしまう印象があるのだが、本作はあくまでガーリーを通している点にポリシーを感じた。「かわいい恰好しているから殴られても当然」的なものに対するアンチテーゼだろうか。ただ、その一方で母親の趣味を押し付けられている感もかなりあって、事件をきっかけにそこで時間が止まってしまった、「いつまでも娘であること」へのメタファーとも受け取れる。

ただ、内容としては予想通りの(ポスターには「予想を鮮やかに裏切る」とあったけど)展開、映像的な仕掛けとか驚きもあまりなくてちょっと退屈だった。しかし前述したとおりキャリー・マリガンがかわいいので観ていられる。

『孤狼の血』は月初に試写で観てきた。前作の3年後が舞台となる完全オリジナルストーリーとのこと。今回、主人公の日岡(松坂桃李)と対峙する上林成浩を演じるのは俳優・鈴木亮平。猟奇的な演技はさすがの一言なのだが、とにかくちょっと長い。こういう類の映画って90分がベストだと思うのだが、本作は139分。必然性のある尺の長さなら全然良いのだが、カーチェイスやら中村梅雀のくだりやら、絶対に必要な要素だったのかとちょっと疑問。途中の小津カットみたいな回想シーンは面白かったが…。上林の残虐な殺害方法など過激さは前作より増しているが、それらの過剰な演出にはどうしても前作で殉職した「役所広司演じる大上の穴を埋めている」感があった。作品全体に重厚さが欠けていた気がする。ただ、とにかく派手だし出演陣も豪華なので前作よりもエンタメ感はあるだろう。西野七瀬の広島弁ばりばりな演技が良かった。

『フリー・ガイ』は某映画サイトで絶賛されていて、SNSでも評判が良く、ワイスピを観て以来、シネコンにまた行きたい…という謎の衝動に駆られていたため観に行った。

その昔、友人に誘われてディズニーの『魔法にかけられて』という作品を観に行ったことがあるのだが、そのとき以来の「あちゃ~失敗」だった。

まったく面白くなかった…。

とはいえ2時間近くある映画を途中居眠りすることもなく観ることができたので面白くないことはないのだと思うが、いや、いっそ寝ていた方が有意義だったかもしれない。「もうちょっと観たら面白くなるかも」「もう少しで面白くなる?」という淡い期待を抱き続けながら観た結果ついにその瞬間は訪れなかった。しいて言えば、戦闘する際にライトセーバーが出てきたことぐらいだろうか?こういうのをカジュアルに引用できてさすがディズニー配給だな、と感心した。

…子ども向け?というか、親が安心して子どもにみせられる作品。

とにかく優しい世界なのだ。優しすぎる。誰もひどい目にあわないし誰も傷つかない。これもポリティカル・コレクトネスの影響なのだろうか。物語のアイディアは良かったと思う。平凡なモブキャラが世界の危機を救うだなんてかなり夢があるし、作りようによっては平凡な我々にとってかなり共感できる作品になった可能性がある。それなのにあまりに現実味がない(ゲーム世界だから当然といえば当然なのだが)。良かった点といえばライアン・レイノルズの演技が光っていた点ぐらい。自我に目覚める前のガイの表情はすごくのっぺりしていてプログラムっぽいのだが、だんだんとその表情が豊かになっていく様はさすがだなと思った。

この作品、どう消化すれば良いのか分からなかったのでSNSで感想を検索してみたのだが、「泣けました!」「感動!」「笑える!」というのが並んでいたのであわててブラウザを閉じた。こういう作品があるのは別に良いし、好きな人がいるのも分かる。だが、メディアで全面プッシュされていてランキングでも首位を獲得し、高い評価を得ていることに疑問を感じている。今となっては自分の感性がちょっとおかしいのだろうかと疑問を感じている…。

そんな感じで今週もおわりました。



この記事が参加している募集

100JPYで発泡酒、500JPYでビールが買えます。よろしくお願いします。