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U-18W杯オープニングラウンドアメリカ戦。日本野球を体現したランダウンプレー
※問題のランダウンプレーは1:28辺り〜
WBSC U-18W杯。
3日、日本が優勝候補アメリカを破ってオープニングラウンド3連勝を飾った。
今回のメンバー選考。
先日観戦した高校日本代表×大学日本代表の試合で感じたが、打撃で苦戦してしまうのではないかと。
パワーヒッターに森田大翔(履正社)。他の選手は中距離打者と言われるような選手達が名を連ねた。
WBCでは大谷翔平、吉田正尚、村上宗隆という最強クリーンナップが海外のパワーピッチャーに対し、力負けしなかった。
日本野球はスモールベースボールという概念はもしかしたらもう過去の話かもしれない。
力で勝つ野球に今後日本の野球もなっていくのではないか。いや、そうしないと今後勝てないのかもしれない。
しかし、その不安を払拭するような活躍を高校日本代表はこの3戦で見せている。
アメリカ戦で先発した前田悠伍(大阪桐蔭)はストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップを織り交ぜ、アメリカ打線から三振の山を築いた。
打撃では寺地隆成(明徳義塾)が3安打1打点の活躍。本職はキャッチャーだが、国際大会ではファーストとして出場。今や日本代表に欠かせないリードオフマンとなっている。
さらに今大会絶好調なのが、緒方漣(横浜)。
初戦のスペイン戦で3打数3安打。2戦目のパナマ戦でも3打数3安打と手がつけられない状態。
アメリカ戦では初の3番打者として出場し、2打数1安打2四死球。この3試合で出塁してない打席はなんと1打席のみ。
今回のキーマンになりそうだ。
そんなここまで好調の日本代表。
昨日のアメリカ戦で印象に残るプレーがあった。
4回裏アメリカ代表の攻撃。0アウト2塁の場面で起きたランダウンプレーだ。
4番打者の打球はピッチャーゴロ。捕球した前田くんは飛び出していた2塁ランナーを追い込む。
その後、挟殺プレイが行われ、2塁ベース上には2塁ランナーと打者走者がいる状態となる。
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こうなった時、さあ守備側はどうしないといけないのか。
基本的に前を走っているランナーが優先。
同じベース上に2人のランナーがいる場合は、基本的にホームベースに近いランナー、つまり前を入っているランナーに占有権が与えられる。
だからこの場合2塁走者に占有権が与えられる。
ボールをつかんだサードの山田脩也(仙台育英)はもちろんこのルールを理解しているため、2塁走者→打者走者をタッチし、打者走者はアウト。
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しかし、2塁走者は自分がアウトになったと勘違いしたのだろう。
飛び出してしまう。
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2塁ベースの占有権は2塁ランナーにある。
そのため飛び出した瞬間、占有権はなくなる。
状況を察知したセカンドの緒方が指示をし、山田は再び2塁走者を追いかけ、タッチ。
見事ダブルプレーが成立したのだった。
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高校時代に自分はよく挟殺プレイの練習をしていた。
いかに早くランナーをアウトにし、打者走者をできる限り先の塁まで行かせないことが重要。
しかし、今回のように同じベース上に2人いることを想定した練習はやってこなかった。
緒方、山田は状況を把握し、咄嗟にこうしたクレバーなプレーができた。
練習はもちろん大切。しかし、ただこなす練習だけではなく、いろいろな状況を想定した練習をこなした選手が日本代表の座を勝ち取れるんだなとあのプレーを見て感じた。
1回表日本の攻撃、1アウトランナー1.2塁の場面で4番の小林隼翔(広陵)がピッチャーゴロ。
ゴロを捕ったアメリカのピッチャーは3塁に送球したが、サードはベースにつかず捕球。その後ベースの位置を確認して踏んでアウトにした。
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捕球優先ならまだしも少しヒヤッとする場面。
国際大会では意思疎通の誤りが大きなミスプレーを生む。
まだまだオープニングラウンド。
油断はできない。
日本はこの国際大会で優勝したことがない。
今回のランダウンプレーのような緻密な野球。ミスをしない日本野球を貫き通すことが初優勝の近道になりそうだ。
今回はU-12日本代表監督を務めた井端弘和氏の本を紹介します。
先月台湾で行われたWBSCU-12W杯では3位決定戦でベネズエラに敗れ、4位という結果になりましたが、「結束!侍ジャパン(jsports )」で見た彼のチームを指揮、鼓舞する姿に惹かれチョイスしました。是非、ご覧ください。