「結局、何も残らなかった」から抜け出す方法

やりたいことはたくさんある。

文章を書いたり、掃除をしたり、本を読んだり。
「あれもいいな」「これも試したいな」と思って、1冊目を読んで、2冊目を読んで、こっちの本もパラパラめくって…。
でも翌日になると、結局何も残っていない。

「あれ？ 何かやったはずなのに、ただ時間が過ぎただけじゃない？」

そういう虚しさに襲われることがある。
何かをやっていたはずなのに、成果も実感もない。
ただ「あわあわしてたなぁ」という感覚だけが残る。

これなら、価値ある1つのことに集中した方がいいんじゃないか？
『エッセンシャル思考』にも書いてある通り、あれもこれもと手を出すより、本当に価値のある1つに集中した方が、長期的には大きな成果につながる。

でも、ここで問題が出てくる。

「価値ある1つって、どうやって見つければいいの？」

「価値ある1つ」は簡単に見抜けない

「これが絶対に価値のあることだ」と、最初からわかるなら苦労しない。
でも実際は、やる前の段階ではなかなか見抜けないものだ。

「これが良さそう！」と思ってやってみても、意外と微妙だったり、逆に「適当にやってみたけど、思ったより良かった！」ということもある。
だから、最初から「これが価値ある1つだ」と決めるのは難しい。

まずは、いろいろ試してみる。
「とりあえずやってみる」ことが、価値ある1つを見つけるための第一歩になる。

やってみて「良かった」と思うことと「別にいらなかった」と思うこと

1日の終わりに、「今日は何をやって、どんな気持ちになったか？」を振り返ってみる。

その中で、
「これ、やってよかったな」と思うもの

「これは別にやらなくてもよかったな」と思うもの

この2つに分けて考えてみる。

例えば、僕の場合、最近クレンジングをちゃんとやってみたんだ。
それまでは適当に済ませていたんだけど、クレンジングジェルを使って、さらに洗顔を石鹸に変えて、ちゃんと泡立ててやるようにした。
そうしたら、肌の調子が明らかに変わった。

「おお、これ、やってよかったな」と思えた瞬間だった。

一方で、何冊も本を読んでみたけど、結局頭に残らなかったものもある。
「時間は使ったけど、これは別になくてもよかったかもな」と思うこともある。

こうやって、自分の中で「やってよかったこと」と「やらなくてもよかったこと」を整理していくと、少しずつ見えてくるものがある。

「価値ある1つ」は小さな手ごたえから生まれる

「価値ある1つ」って、ものすごく大きなことじゃなくてもいい。
「人生を根本から変えるような何か」じゃなくても、日常のちょっとしたことの中に、突破口はある。

長年放置していたシンクを掃除したら、気分がスッキリして、他の場所も片付ける気になった

肌のケアを丁寧にやるようになったら、鏡を見るのが楽しくなった

1日3ページだけ本を読む習慣を作ったら、意外と続いて、少しずつ知識が積み重なった

こういう小さな変化の積み重ねが、気づいたら「自分を変えてくれるもの」になっていく。

だから、最初から「これだ！」と決める必要はない。
「何か手ごたえがあること」を増やしていけば、その中から「価値ある1つ」が見えてくる。

「価値ある1つを探す」のではなく、「価値を感じることを増やす」

多くの人が、「何をすれば人生が変わるのか？」と考える。
でも、それを最初から見抜くのは難しい。

だから、「価値ある1つを探そう」と思うのではなく、「価値を感じることを増やそう」と考えた方がいい。

とにかく試してみる。
やってみて、何かしらの手ごたえがあったら、それを少しずつ深めてみる。
そうしているうちに、「これが自分にとっての価値ある1つだ」と思えるものが見つかる。

「人生を変える何かを探す」って、大げさに考えすぎると動けなくなる。
でも、「今日1日で、何か1つ手ごたえを感じることをやろう」と思えば、少しずつ前に進める。

「結局、何も残らなかった」から抜け出す方法

1.とにかくいろいろ試してみる。
最初から「価値ある1つのこと」を決めなくていい。

2.やった後に振り返る。「やってよかったこと」と「いらなかったこと」を分けてみる。

3.小さな手ごたえを積み重ねる。
その中から「価値ある1つのこと」が見えてくる

この流れを続けていけば、自然と「自分にとって本当に意味のあること」が見つかるはず。

「これをやれば人生が変わる！」みたいな劇的なことじゃなくてもいい。

ただ、「やってよかったな」と思えることを1つずつ積み重ねていく。

そうすれば、気づいたときには、ちゃんと前に進めているはず。

僕自身、まだ模索中だし、「結局何も残らなかったな」と思う日もある。

でも、その中で「これは良かった」と思えることが1つでもあれば、それでいいんじゃないかと思う。

あなたも、何か1つ、「やってよかったな」と思えることを見つけてみてほしい。
それが積み重なったとき、きっと「価値ある1つ」が見えてくるから。