ロエベはなぜここまで人気になったのか?
こんにちは。
牧 菜々子です。
ここ数年で、格段に人気が高まったハイブランド。
それが、ロエベです。
以前は、他のブランドほど認知度が高くありませんでした。
しかし今は、雑誌ではもちろん、街なかでもロエベのバッグを使っている人を見かける機会が増えました。
店員さんからも、「以前よりも問い合わせが増えました。」「幅広い層の方にご好評いただいております。」と、人気ぶりを示す発言が聞かれます。
「プレゼントですか?」
つまり、女性が女性に贈り合うほどにまで、ブランドとしての知名度が上がったのです。
どうして、ロエベは、ここまで人気になったのか。
以前と比べてガラッと変わったのが、有名人やインフルエンサーの所持率です。
王室御用達のイメージから、「ちょっと身近な憧れの人」が持っているイメージへ。
この、プロモーションのシフトが、大きな要因なのです。
王室御用達ブランド
ロエベは、スペイン発祥の、180年近く続く老舗ブランド。
ブルックスブラザーズの200年とまではいかないものの、ルイ・ヴィトンやグッチ、ボッテガ・ヴェネタよりも長い歴史を持つブランドです。
元々は、スペイン王室の御用達でした。
それを、スペイン内外の上流階級の人々からの要望で、王族以外にも販売するようになったのが、ロエベの始まりです。
ですから、「知る人ぞ知る」という位置づけのブランドで、他のブランドほど認知度は高くなかったのです。
有名人やインフルエンサーへの普及
ところが、近年は、広く一般の顧客に向けて製品を作るようになりました。
ブランドの存続を賭けた、方針転換です。
プロモーションの対象も、上流階級ではなく、有名人やインフルエンサーにシフトしました。
そうすると、まず、その有名人やインフルエンサーたちの間で、話題になります。
ロエベのバッグに魅了される有名人が、増えるのです。
そして、それを目にした一般の人たちへの認知度が上がります。
他の高級ブランドと同じように、バッグを購入する時に選択肢に上がるようになります。
「あの人が持っているから。」
そう思える対象の人が、身近になったのです。
親会社の方針
それを裏付けるかのように、ロエベの親会社「LVMH」のプレスリリースには、こんな記載があります。
「(親会社の方針として、)戦略的に、顧客の裾野を広げていく。
世界のラグジュアリーマーケットにおいて、もっと大きな地位を確立する。」
これが、2017年のことです。
そして、この方針が謳われた同じプレスリリースに、特にパフォーマンスの良かった系列ブランドとして、ロエベの名前が挙がっているのです。
戦略的に、顧客の裾野を広げる。
つまり、それまで対象ではなかった層を、顧客として取り込むこと。
それが、ロエベが担った役割だったのです。
プロモーションのシフトが大きな理由
ロエベはなぜ、ここまで人気になったのか?
その理由は、プロモーションの対象を、王族や上流階級の人たちではなく、有名人やインフルエンサーにシフトしたからです。
女優の本田翼さんをアンバサダーに迎えたのも、その一環でしょう。
「これでもか」というほど、親しみやすさを前面に出した人選です。
以前は、有名人も、ロエベにはそれほど注目していなかった。
ところが今は、20代向け雑誌non-noの専属モデル15名のうち、4名がロエベのアイテムを愛用するまでになっています。
男性アイドルがロエベのメンズ服を着ていると、SNS上で多くの男性が「ロエベだ!」と反応するまでになりました。
まさか、ロエベが、ここまでメジャーな存在になるとは。
以前だと、考えられなかったことです。
ブランド側のプロモーションのシフトによって、20代の若者にまで、ロエベのアイテムの魅力が伝わるようになった。
ロエベの認知度が上がり、人気になったのは、このプロモーションシフトが理由なのです。