取材の段取り 日本と海外
私は長くヨーロッパで取材執筆兼コーディネーターや時に通訳などやってきて、今日本で少し取材のお仕事もしています。
ヨーロッパでは、ライターと名乗りながらもその仕事内容は、企画出し、物件出し、取材のアポ取り、日程の調節、時にタイアップのための交渉、取材、時にカメラマンさん、編集者さんと現地の人との通訳、執筆、校正…。取り忘れの写真を後で私が撮りに行ったこともあったっけ。
執筆の仕事は最も時間がかからない部分という時点で、もはやライターではありません。コーディネーター兼ライターでしょうか。でも大体とても楽しくやっていました。
難しいポイントは日程決めとアポ取り。決定権のある人となかなか連絡が取れなかったり、取材クルーが日本から来る時は日程短めで取材をいっぱい詰め込まなければならず、取材先を回りやすいように固める必要があって、それを考えるのが難しかったかも。
いかに効率よく、でも現地の人の機嫌を損ねたら取材拒否になりかねないので、感じよく協力してもらえるように組み立てていくかが大事でした。その辺は最初、現地人の夫によく助けてもらっていました。
現地の人にとっては、めんどくさい取材陣の都合をどうやったら受け入れてもらえるか、やっぱり現地の人だから夫はよく分かっていました。私が知ってた日本のやり方だけでは難しかったと思います。
そして、取材でやらなければならないことは抑えつつ、細かい段取りは決めていませんでした。それは取材される人たちのやりやすさもあるし、話してみなければ分からないこともあるから。一方的ではなく柔軟に。
そうこれ!「柔軟さ」。海外では常に必要なんだけど、日本でこれほど不必要なものってある?!私と同じで海外に一定期間いた人、思いませんか?
無駄に身に沁みついた「柔軟さ」、結構これで苦しめられてる日本生活。仕事以外でもね。
日本での取材のお仕事は、ディレクターさんによってかなり細かく決まっています。私がするのは取材と執筆、校正で、当日のスケジュールもすでに細かく決まっています。事前にきれいな書類にまとまっていて。
楽…なのかな?
時にそれは生産性がものすごく悪くて、もっとこうやったらいいんじゃないかなと思うことがあるけど、組織のやり方は変えられないし、エネルギーを注ぐのはそこじゃないと思っています。
もっと新しいやり方でライティングで世の中に貢献できないかな、と思う今日この頃。