夏目漱石「草枕」/絶望の中での生きる智慧
『少女ポリアンナ』という、世界名作劇場でアニメにもなったエレナ・ポーターによる児童小説がある。
孤児になったポリアンナは気難しい親戚に引き取られ、なかなかひどい仕打ちを受けるのだけど、亡き母から教わった「よかった探し」によって自分に起こる出来事を前向きに捉えて、その生きる姿勢が周囲の人の心を溶かしていく―――そんなストーリー。幼少の頃にこの本を読んだ時、これこそ生きる智慧、とそう思った。どんな事柄にもいい面と悪い面があって、だったらいい面だけみていたら得じゃない、そんな考え