きれいごとだけでは、ひとはこわれる。
きれいごとが嫌いだ。
いやいやお前のnoteも大概きれいごとだから!そう思った方もいるかもしれない。
一応弁解させてほしい。
わたしのnoteは、自分の体験談がベースだ。
万人に受け入れられる方法ではないかもしれないが、わたしが体験して得た気づきや方法を述べるようにしている。(つもりだ)
さて、自分のことを弁解したので改めて。
きれいごとが嫌いだ。
きれいごととはなんだろう。
コトバンクによると、
1 実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄。
2 手際よく美しく仕上げること。
だそうだ。
わたしの指すきれいごとは1の方だ。
人から聞いたことや、本で読んだことなど机上の空論をベースに『こうしたら全てうまくいくよ』と表面だけきれいな言葉で片付けようとすること。
つまりは、嘘に他ならない。
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今、わたしの会社では中堅社員と若手社員のあいだに深い溝ができている。
わたしはたまたま色々な方の話を聞くことができて、この問題がなぜここまで大きくなったのか理解することができた。
原因は、
『若手社員を洗脳している中堅社員がいる』
ことだった。
つまり、『あの中堅社員が変われば会社はもっとよくなるのに』『あの中堅社員の態度が悪い』ということを若手社員にうそぶいているのだ。
以前noteでも書いたことがあるのだが、このうそぶいている中堅社員の行動原理は、『彼女なりの正義』だ。自分は正しい、だからこうなるべき、と思って行動している。
そして『わたしは若手社員の味方。だから一瞬にがんばろう。かわっていこう。』と若手社員を手中に収めているのだ。
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右も左もわからない若手社員にとって、この中堅社員はヒーローに見えるだろう。
そしてヒーローの言うことは絶対で、間違っているのは他の中堅社員。だから他の中堅社員は悪なのだ。
悪は何をやっても悪い。
存在自体が悪。一緒の空間にいてはいけない。
若手社員は偽りのヒーローに毒され続け、悪と戦おうとするあまり、ついに自分の心を壊してしまった。
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偽りのヒーローが、わたしたち中堅社員に言った言葉はこうだ。
『わたしはどちらの肩を持つわけではない。仲良しごっこをするつもりではない。でも、このままじゃ可哀想だと思わないの?大人が変わらるべきじゃないの?』
さあ、みなさんはどう思いましたか?
うんうん、その通り。
そう思ったのではないでしょうか?
わたし、この人から3年間無視され続けました。
ある日突然。
そして今度はある日突然、何事もなかったかのように昔どおりの態度に戻りました。
他の中堅社員には今も無視されている人もいます。
乱暴な態度をとられている人もいます。
そんな人の言葉なんです。
でも若手社員にとってはヒーローなんです。
なぜなら、
わたしたちは彼女の悪口を言わないから。
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かなしいかな。
本当に正しいことをしている人たちが悪者になり、偽りの正しいことをしている人、裏では悪いことをしている人がヒーローになった。
もちろんわたしたちも至らない部分はある。
けれど、こんなのってないよ。
物事の表面だけしか、見えている面しか理解しないし、他の面を見ようとしない。
ラクをして、勝手に傷ついて、壊れて、壊されたと主張して。
わたしたちはこれ以上、どうすればいい?
壊れた若手が元気になるまで頑張るだろう。
彼女が壊れていい理由なんてないし、
わたしたちが彼女を壊したと思われたくないし。
でもその先は、きっと一緒には働けない。
どちらかがいなくならないと、解決しないレベルまで達してしまった。
そしてきっと、いなくなるのはわたしたちだ。
どんなに正しい行いをしていても、
結局は数が多い方が正しくなる。
そうやって偽りの仲間を増やしていけばいい。
きれいごとに壊される前に、
自分を守ろう。
牧 真姫子🍙エッセイスト(@makicome1986)