ものに宿るストーリー
#note100本ノック
Day 36
もう10年以上前の話です。
長男が3年生で次男がまだ保育園に通っていた頃だったかなあ。
おそろいの湯たんぽ
夜眠るときに寒くないように、ふたりにおそろいの湯たんぽを持たせていました。
古いものなので値が上がっているけど、当時1500円くらいだったと思います。
息子たちはおそろいのフリースのパジャマを着て、おそろいの湯たんぽを持って、眠る前の読み聞かせリクエストの絵本をそれぞれ持って、ベッドへGo!
それが毎晩、眠るときのルーティーンでした。
あの頃は時間に追われて必死でしかなかったけれど、いま思えば何ものにも替えがたいぽかぽかな時間でした…湯たんぽなだけに笑
ママの誕生日
わたしは冬生まれ。
前年までの2人はママの誕生日にお手紙をくれたり、絵を描いてくれたりしていたのですが、この年は包装紙に包まれたプレゼントを渡されたのです。
それが、こちら。
なんとふたりとおそろいの湯たんぽ!
わたしが息子たちに湯たんぽを購入したとき、確かに二人と一緒でした。そのときは車だったけど。ふたりは歩いてそのお店まで、ママへのプレゼントを買いに行ったとのこと。(ママが不在のときって言ってたけど、いつだったんだっけ)そしてお正月にもらったお年玉を出し合ってくれたんだそう。
そのお店まではたぶん家から800mくらい。おそらく小学生の兄、小さい弟の手を引いて歩いて出かけたんだろうな…小学生と保育園児、ちょっぴりな冒険。嬉しかったな〜。嬉しくてぎゅーってハグをした記憶があります。
その日から、湯たんぽを準備する時はママの分もいれて3つにお湯を入れるようになりました。
寝る前の読み聞かせをして、湯たんぽでぬくぬく…ほぼ毎日寝かしつけで寝落ちしてました。19:30くらいに寝ていたんだっけなあ。
10年以上経ち…
あれから10年以上が経ちました。
あの湯たんぽたちは、ひとつめに穴が空き、ふたつめに穴が空き、今年さいごのひとつも内部のゴムが劣化してしまって泣く泣く処分しました。
でも冬になるたびに必ず思い出します。息子たちからもらったおそろいの湯たんぽのこと。
先日、ICCEPET(地球市民を育む小学校外国語教育ネットワーキングミーティング)で、こんなことばを聞きました。
「もの」そのものではなく、
それに宿るストーリーが、人間に希望を与えてくれる、ということば。
そのお話は、What is your treasure?から、様々に思考を広げていく取り組みのなかで聞いたのですが、たからものって物質的な「もの」ではないのかもしれないですね。
湯たんぽそのものが存在しなくなっても、
そこに宿ったストーリーがわたしを温めていく。
そんなことを感じた冬の日でした。