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「あなたのことを思って」という悪魔の忠告
いまも言い継がれている昭和の迷信
私は21歳からフリーランスで編集、ライターの仕事をしています。
いわゆる「結婚適齢期」と一般的に言われる年齢のときは女性誌で大きな仕事を任されていたので、婚活や結婚とは無縁の仕事漬けの毎日を送っていました。
そんな私も44歳で無事に結婚をしたわけですが、独身時代は随分といろんなことを言われたなぁ……とぼんやりと思い出していました。
中でも一番言われたのは、
「独身時代に猫を飼うと一生結婚できないよ!」という言葉。
この昭和から伝わる迷信のような言葉で、まさか令和の時代に本気で忠告されるとは思ってもみませんでした。
猫との癒しの日々に水を差す悪魔の忠告
私が猫を飼い始めたのは、今から9年前。仕事で台湾に出張中にネットでなんとなく猫を検索していました。(疲れていたのね、私。)
すると何とも言えない可愛さの子猫が掲載されているペットショップのサイトにたどり着き、その勢いで台湾から電話をし、帰国したらすぐに会いに行くことになりました。
会ってすぐに「この子だ!」と確信し、その日のうちに我が家に連れて帰りました。
全く子猫を迎える準備をしていなかったので、ペットショップの方がいろいろと分けてくださり、アラフォー女の一人暮らしに猫が加わるという生活が始まりました。
どんなに疲れて帰ってきても「にゃー」
先輩から嫌なことを言われて帰っても「スリスリ」
私の30代は毎日生き残りをかけて戦場で戦うような感じで働いていたので、帰宅して玄関で猫が出迎えてくれた途端、緊張感がすぅーっと解放されていくようで、いつの間にか心からの私の癒しの存在になっていました。
そんな時に同じ編集部の先輩から言われたひとことは……
「独身時代に猫を飼うと結婚できなくなるよ!!!」
その先輩曰く、独身で猫を飼うと家を空けられなくなり、男性との出会いのチャンスがなくなるというものでした。
「……」。
それって昭和から言い継がれている迷信ですよね……。
もうそれって占いじゃないよね?
それと同時期に私は女性誌である男性占い師の連載を担当していました。仕事で会うたびに運気を教えてくれるのですが、私が猫を飼い始めたことを伝えると
「あーあ、もう今世での結婚は諦めた方がいいね」とピシャリ。
理由を聞くと、なんでも……独身時に猫を飼う女性は結婚できないという傾向があるそう。
って……いったいその傾向って何なの?
もうそれは占いでもなんでもありません。
その場は笑ってやり過ごしましたが、帰り道、その言葉を思い出して悶々……。
だいたい相談もしていないし、ましてアドバイスなんて求めてない。
一般論を装った頭ごなしの否定ほど不快なものはない。
自分のやりたいことが全部正解!
今になって思うのは、猫を飼ってから男性との出会いもあったし、その後、結婚もした。
夫も猫が好きだから、一緒に可愛がってくれるし、旅行に行くときはペットシッターが来てくれる。だから困ることなんてないし、猫に対しては日々愛情が増すばかり。
本当に猫を飼ってよかったって心から思っています。
『だからこそ、自分がやりたいことは何でもしてもいい!』
もうこの言葉に尽きると思うのです。
何かをするたびに周りから「あなたのことを思って」という親切にも似た悪魔の忠告なんて、マウント同然、無視していい!
自分の人生は、自分のやりたいことがすべて正解なんだから!
私はいまキャリアチェンジをしている最中なので、いろんな方が一般論としてアドバイスをくれることが多いのですが、
「あの仕事を辞めない方が良かったのに……」
なんて言う言葉もしばしば。
ええ、わかっていますって。
そんなことも踏まえたうえで、私がそうすることを選んだのだから!
自分の決断が何よりも正しいし、そこで起こったことの責任を取るのも自分。
いつでもやりたいことを、自分にさせてあげられる私でいたいと思います。
では、また明日お会いしましょう。
西村真紀