開放のソで見直すクラリネット奏法論⑤
さて前回は開放のソが定まらない、音程が上ずる解決法として、丹田で重心を取ることを書きました。今回は皆さんに、重心を丹田で取るやり方について、どうやったら分かりやすく伝わるか悩みに悩みまくってすっかり更新が遅くなってしまいました。
悩んだ結果、今回はこのトレーニングをご紹介したいと思います☺️
まず下の写真の様に足を大きく開いて、中腰の状態で解放のソを吹いてみましょう。
丹田を意識することをお忘れずに!
どうですか?
いつもより音程が上ずらなく、豊かで安定した音が出ませんか?
丹田で支えるとこんなに安定するんです。
先ほどの体制で踵を上げるのもお勧めです。辛いですが、バランスを取らなければ倒れてしまうので、丹田に重心をおいてバランスを取っていることを感じやすいと思います。
丹田で重心を取ると、安定する事は分かって頂けたと思います。
そもそも、おへそで重心を取るのと丹田で重心を取ること、違いって何なんでしょうか?
腹式呼吸の回では腹部の可動域を示すのに使ったトライアングルですが、今回の重心の話ともリンクします。
前回の腹式呼吸のノートはこちらから👉
https://note.com/maki_clarinette/n/n1f009da3b343
おへそで重心を取ると、地面と重心の距離が遠くなるので、身体を支える土台が不安定になります。また、どうしてもおへそから上の部位を中心に動かしてしまうので、下半身が連動しにくくなります。下半身まで使わずに演奏しようとすると腰が反り気味になりやすく、腰の部分の腹式呼吸が使いにくくなります。
逆に丹田で重心を取ると、地面と重心までの距離が短いので、バランスがとりやすくなり身体を支える土台が安定します。その結果、下半身ー丹田ー上半身が連動しやすくなります。
なるほど。丹田で重心を取ると、上半身と下半身が連動しやすくなり、呼吸の可動域を上げることもできるんですね。
もう一つ試して頂きたいのは、一番初めに紹介した足を開くトレーニングの姿勢で、跳躍のスタッカートの練習です。早速やってみましょう!
🤟🤟🤟
どうですか?
しっかり当てたい音程にビシッと当たりませんか?
丹田呼吸は息の圧力が高いため、しっかり音程の的に当たります。これは前回でお話に出した広瀬香美さんの仰っていた音程は下半身から作るというやつですね。
つまり、しっかり圧力が高い息でなければ、当てたい音程に音を当てることはできないのです。そしてその圧力の高い呼吸を作るためには、丹田呼吸が有利です。
ということは丹田重心で立って丹田呼吸ができるようになると、高い圧力の呼吸が手に入り、音程を安定させることができるということです。
他にも重心をどこに置いているかで、クラリネットを演奏する上での悩みのほとんどの根本に繋がっていたりします。また違う機会に書きますが、例えば腕の力の問題、上半身が固まったり、喉がしまったり、舌が上手く動かなかったりする問題など。
なーんだ。悩みが全部解決できちゃうじゃん!と思うのですが、それくらい重心って大事!!っていう事ですね。
余談ですが、ネックストラップを使うのもお勧めですよ。
足を大きく開いてするトレーニングはみんなの前でやるには少し恥ずかしい姿勢なので(笑)ぜひ個人で練習するときに取り入れていみてくだいね。
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