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「小さいことにくよくよするな」

これは大昔に読んだやつで、内容ほとんど覚えてないので、今日のは読書感想文とは言えない。

ただ、こないだHSPについての本を読んで、ちょっと思い出したので記録しておこうかと。

本の内容はほとんど覚えてないんだけど、読んだ後の感想というか、自分がどういう心境になったかっていうのは、強烈に覚えてる。

だから。


この本は、私が中学に上がるか上がらないかくらいの頃、両親からもらった。

ハードカバーの単行本で、たしか、当時そこそこ流行ってたと思う。

両親が自主的にプレゼントをくれるなんて珍しかったので、まずびっくりした。

それからこのタイトルを見てまたびっくりした。

私はたぶん、その時まで、自分が小さいことにくよくよしてるつもりはなかった。

だから、両親が私のことをそう思ってるんだってことに、驚いた。

そのときの両親の顔色とか様子を見て、本当に私のことを思ってこの本をくれたんだってことはわかった。

私があまりに小さいことにくよくよして心配だから、この本読んでみなさいって、言われてはないけど、そう思ってたんだろうな。

だから私はとりあえず、私はそういう人間なんだなって飲み込んで、本を読んでみることにした。

もともと本を読むことは好きだったから、この本は、今まで読んだことないような大人向けの本だったけど、内容は理解できた。

内容は、確か、すべて小さなことだから、気にするのは意味ない、的なことが書いてたんじゃなかったかなー。

正直あまりピンとこなかったけど、当てはまる部分もないわけじゃなかったかな。

子供だったし、両親が割と真面目な顔で珍しいことをするもんだから、ああ、私はそういう人間なんだって確信して、そしてそれは、直さなきゃいけないんだ、って、思ったよ。

その前からもその後も、私は親から「そんなこと気にするんじゃない」「気にするからだめなんだ」「神経質な子だね」っていつも言われてた。

だから私は、小さいことを気にしない、大胆で、明るい性格を装った。

そうしないと、本来の自分の姿では、恥ずかしいと思ったから。

ずっと、就職するくらいまではそうだったかもな。

だけどきちんと就職して、自分の力で生活できるようになって、家も出て、自分一人で生きられるようになって、ちょっと変わった。

すごく楽になった。

今振り返って思うんだけど、学生時代はとにかく不安だった。

毎日毎日、生きてることが不安だった。

たぶんだけど、親の不安とか不機嫌を、私はものすごく感じ取っていたと思う。

両親はとてつもなく不仲で、母はいつも不幸そうな顔をして、父や祖母やママ友のグチを言っていたし、父はたまに帰ってきたと思ったら突然ブチ切れるので、私は母のグチを聞き、父がブチ切れないように顔色を窺っていた。

それに母がいつもお金の心配をしていて、お金がないお金がないと言っていたので、私はいつも生活が心配だった。

そんな感じだったから、私はいつも不安で、親が私を「神経質だ」というそもそもの原因て、自分たちだったんじゃないか、と思う。

自分たちの不安や不機嫌を、私が体現していたんじゃないか?

昔はそんなこと知らなかったけど、私はたぶんHSPの気質があるので、そんな環境で過ごしていたら、そりゃあHSPのよくない面を大発揮していただろうなと思うよ。

辛かった。自分を否定して生きているのはとてもつらい。

だからこの前、「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」を読んで、泣きそうになった。とても肯定してくれていたから。

反対にHSPの人にとっては、「小さいことにくよくよするな」って、NGワードの一つだと思う。

もちろんこの本はそんな、責める意味とか、嫌な意味で書いてないっていうのはわかるけどね。

ただ、あのときの私は、この言葉を言われたくなかった。

そんな、思い出のある本。

内容ほとんど覚えてないしな。

それに、今の私はあのときと違う。

もう一度読んでみようかなあ。

また、新たな感想が生まれるかも。







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