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【メンタル⑦】人生は周期的に動く
今回は直接メンタルに関することではないですが、メンタルを安定した状態に保つことに関わる話をしてみたいと思います。
いい時も悪い時も長くは続かない
私の40年以上の人生経験からすると、ずっといい、ずっと悪いということはなく、良かったり悪かったりの繰り返しなのかなと思います。
私の場合、例えば、嫌な上司がいたとしても、その上司と何十年も一緒ということはなく、2,3年経てば上司部下じゃなくなったり、別の人が間に入って直接やり取りすることがなくなったりしました。
もちろん、ずっと同じ上司部下の関係という人もたまに見かけますが、それでもその上の上司や同僚が変化することで、環境としては変わるのではないでしょうか。
嫌な上司や同僚に当たってしまったときには、一生この状態が続くのではないかと不安になることもあると思いますが、そんなときは「きっと1年もすれば変わるだろう」と思うようにしています。それだけで、少しは気が楽になります。
人間関係に限らず、なんだか嫌なことばかり続くなぁとか、仕事が上手く結果に結びつかなかったりして、気持ちが沈んだ日が続くことがあります。その時は、「あぁ、これからずっとこんな感じなんだろうか」と不安になったりもしますが、半年くらい経つと急に周囲の環境が変わったりして、気持ちが楽になったり、仕事でも評価されたりすることがあります。
自分がやっていることはそれほど変わらないのになぜそうなるのかわかりませんが、これがバイオリズムというものなのかも知れません。
変化しないことは実は難しい
よく、変化し続けることが重要だと言いますが、実は変化しないでいることは意外と難しいのではないかと思います。
福岡伸一さんが提唱した動的平衡という概念では、一見固形のように見える生物も、細胞レベルで常に入れ替わっていて、物質が平衡状態を保つことであたかも変化しないように見える状態を保っていると言われています。
熱力学ではエントロピー増大の法則というものがあって、ものごとは放っておくとより無秩序な状態になる(つまり散らかる)ということです。部屋を変化なくいつも綺麗な状態に保つのにはエネルギーがいるのです。
なので変化しないでいることは実はとても難しいことなのだと思います。
おそらくは誰もが変化し続けているのです。
なので、
「一生このままだとどうしよう」
とか
「私はどうせ変われない」
というのはありえなくて、むしろ
「私は絶対に変わることができる」
というのが自然なのではないでしょうか
この世の物事には周期がある
私は大学院で、地球温暖化予測の研究をしていました。地球の気候を再現した気候モデルというプログラムを使ってシミュレーションをするのですが、結果をみていて思ったのは、自然というのは周期的に変動するということです。
温暖化といっても一直線に温度が上がるのではなく、かならず上下に変動しながら上がっていきます。そしてその変動の中でもまた変動があります。
百年周期、十年周期、2,3年周期、年周期、月周期、日周期、時間周期・・・。
どんなに細かくしても、逆に大きくしても常に周期があるのです。
考えてみると自然の仕組みには全て周期があります。地震や火山の噴火なども周期的にやってきます。海の波も寄せては返す。生まれ変わると考えるならば、生まれてから死ぬまでの一生という周期もあります。
考えてみれば目に見える光は波の性質をもっていて、周期的な動きで出来上がっています。
周期に逆らわずに生きてみる
周期的な流れがあることを知ってから、私はいつもそのことを意識して生きてきました。
悪いことがあっても、きっと良くなる。
良いことがあっても、たまたまいいタイミングなだけ。
だけど、周期があっても少しずつ上向きに登っていく流れもあります。
地球の温度も過去には今よりずっと暑かったり寒かったりした時期があったそうです。それは何千年、下手をすると何億年も前のことですが、それもまた、周期的な動きの途中なのかも知れません。
だから長い目でみて、悪い時があってもまた良い時が来て、平均を取ると以前より少し上っていってるなとか、そんな感覚が得られればそれで良いのだと思うのです。
周期的な動きは、大きな川の流れのようで自分にはどうにもならないことです。それなら一生懸命その流れに抗ってエネルギーを使うより、流れされながら船の上で精一杯生きるほうが良い人生だったと言えるのかなと思います。