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グローバルに働く⑤現地の従業員に信頼を得るには

私はメーカーに勤務する40代のサラリーマンです。グローバルな働き方をご紹介したいと思います。

私は、この12年くらい海外ビジネスを担当してきました。

中南米向けに現地法人を通じたビジネスのほか、海外のお客様向けの直接営業で世界を飛び回り。さらには現地駐在員の経験もあります。

日本生まれ、日本育ちの私がどうやって世界を股にかけるビジネスマンになったかをご紹介します。


フレンドリーな南米の人々

南米の人たちは基本フレンドリーです。もちろん人にもよりますが、欧米人と比較しても人懐っこく感じることが多いです。
私の中では特にコロンビア人は陽気で、言葉も慣習もまだまだ不慣れな私をとっても温かく迎えてくれました。

ランチはちゃんと誘ってくれて、おすすめ料理を教えてくれたりするのは嬉しいです。ちなみに私が好きだったコロンビア料理はアヒアコというイモのスープ。コロンビア料理は濃い系のが多いので、優しい味が好きでした。

ただ、みんな話し好きなので1時間たっぷりおしゃべりして、その後はカフェにいってまたおしゃべり。下手をすると2時間くらいランチタイムに使います。
スペイン語がわからなかった当初はそれに付き合うのが正直辛かった(今思えば先に帰ればいいのですが、そこが日本人ですね)

ペルー人も優しいです。突き抜けた陽気さはないけれど、素朴で心優しい人たちが多い印象。ブラジルなどに比べるとまだ経済発展が進んでないという理由もあるかもしれないですが、やはりアンデスの血が濃い人たちの方が人懐っこいように思います。

信頼関係をつくるには

フレンドリーなのは良いけれど、信頼関係を築くのはまた別の話です。私がやったのは、「彼に相談してみよう」と思ってもらえるように努力することでした。
そのためにやったのは、兎に角話を聞くことです
何か相談に来たら、一生懸命に聞く。ちょっとおかしいなと思うことがあってもあまり否定しない。その上で、自分に何かできることがあればできるだけ手助けをしてあげる。

実際、日本から来ている私にできることは少なからずあります。現地の幹部社員に意見をいうこともできましたし、日本にいる同僚に最新の製品情報や、他国の商談状況を問い合わせることもできました。

私が日本に戻った後、若手社員がスペインに転居したいので、スペインの子会社に口をきいてくれないか、と相談がありました。私は、スペインに駐在していた知り合いに相談し、面接を受けられるようにお願いしました。相談に来た彼とは就業後に彼の将来について良く話し合った仲でしたし、実際彼はとても優秀なエンジニアだったので、私も自信を持って推薦することができました。
彼はその後、無事に入社できたそうです。

信頼関係は、何をやるにもとても大切なものであり、これは国が変わっても同じです。

論理やヒエラルキーに頼ったマネジメントもありますが、私の中ではこの信頼関係を重視したマネジメントはとても良い経験でした。

価値観に触れる

少し話は脱線しますが、私は今カウンセリングの勉強をしています。カウンセリングの前提として重要なポイントの一つにクライエントとの信頼関係作り(ラポールの形成)があります。

信頼関係がないと、クライエントは本音で話してくれないので、カウンセリングも表面的な対応にならざるを得ません。表面的な対応だと、問題が解決したように見えてもクライエントの悩みは続くということになってしまいます。

そもそも、信頼関係がなければクライエントは継続して通ってくれないと思うので、カウンセリング自体が成り立たないと言えるかも知れません。

結局は仕事も人間関係ですので、持続可能な状態で組織を効果的に動かしていくには、この信頼関係が欠かせないのだと私は思います。

今どき、流れ作業のごとく同じことをやっていれば未来永劫給料がもらえるような仕事は少ないでしょう。そうだとすると、従業員一人一人がなにを大切にしているのか、その価値観に触れることはその人の能力を活かすために経るべき一つのプロセスだと思います。そして、価値観に触れるための前提条件が信頼関係なのではないでしょうか。


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