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【2021年版】はじめての360度フィードバック 導入ガイド

360度フィードバックとは、ある従業員に対して上司や関係する同僚など多方面からフィードバックを集めて従業員が自身の長所や短所を理解して、成長する為の「気づき」を得る仕組みの事です。
メリットがある反面、導入方法を誤ると逆効果になる場合もありますので、ここでは「はじめての360度フィードバック 導入ガイド」を解説していきます。


360度フィードバックとは

360度フィードバックは対象となる従業員の上司・部下・同僚など多方面からフィードバックを集める手法の事です。
記名制か匿名制かは実施企業の状況によって異なります。

これまで多くの企業は上司から部下への一方的な評価しか行ってきておらず一面的な視点でしか従業員を見てきませんでした。
その為、360度フィードバックは従来とは異なるアプローチと言えます。

360度フィードバックでは評価はしない

360度フィードバックは人事評価が目的ではありません。
「360度評価」と言葉が似ているので混同しますが目的が明確に違います。
360度フィードバックは基本的に評価に直結させません。
あくまで従業員の成長を促す能力開発が目的となります。

その意味では1on1ミーティングと目的が似ています。
1on1ミーティングについては詳しくはコチラご覧ください。


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360度フィードバックのメリット

360度フィードバックのメリットをまとめました。

1. 従業員の能力開発
多方面からのフィードバックを通じて精度の高い「気づき」を得て従業員の成長を促します。

2. コア コンピテンシーの認識
従業員それぞれの長所・短所を明らかにする事でハイ パフォーマーの特性を認識する事が出来るのでチームビルディングにも役立ちます。

3. チームワーク、心理的安全性の向上
はじめはギクシャクする事もあるかもしれませんが、ネガティブな事でも思い切ってフィードバックを行うとチームの信頼感がアップします。
ただしフィードバックの際にはリスペクト(尊敬)をベースとして行い、人格否定は絶対に行わないというルールを徹底するなど共通認識を持つ必要があります。

4. 顧客満足度の向上
従業員が「気づき」を得て成長する事で顧客満足度が高まります。また、顧客からフィードバックを受ける事が出来た場合、その内容に沿うことで顧客満足度の向上が期待できます。


360度フィードバックのデメリット

それでは逆に360度フィードバックのデメリットを見ていきましょう。

1. 評価に偏りが発生する可能性
ある従業員に仲の良い肯定的なメンバーだけからのフィードバックを集めてしまうと、十分に客観的な結果が得られません。
これを回避するために、バランスの良いフィードバックが出来るかを吟味してから、実行する事が重要です。

2. 矛盾するフィードバックの発生
フィードバックはどうしても主観的な内容になります。その為、矛盾したフィードバックが発生する場合があり、どちらが正しいかを判断するのは困難です。矛盾が発生した場合は1on1ミーティングなどの場を利用して状況を把握して対応を決める必要があります。

3. 実行リソースがかかる
従業員の人数やフィードバックする人数が増える程、集計・共有にはリソースが必要になります。これは360度フィードバックを行うツールを導入する事で解決可能です。
例としてSurvey Monkeyでは制約はありますが無料でもスタート可能です。
https://jp.surveymonkey.com/mp/360-employee-feedback-survey-example/

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360度フィードバックの導入方法

360度フィードバックの導入方法は、企業によって異なる点もありますが基本的なプロセスを説明します。

1. 質問リストの作成

まず、従業員に尋ねる質問リストを作成します。
多くの場合、リーダーシップ、マネージメント、コニュニケーションなどがテーマになります。5段階で選択や自由回答など形式は自由です。

NETFLIXの例では「スタート・ストップ・コンティニュー」をフィードバックします。これは従業員の誰か1人に対して「始めて欲しい事、やめて欲しい事、続けて欲しい事」を伝える手法です。

360 度フィードバックで尋ねるサンプル質問

<マネージャーへのフィードバックや次世代リーダーの素質を測る質問>
1. 対象者は問題解決が得意だと思いますか?
2. 対象者は他者を尊重する事が出来ていますか?
3. 対象者は正直で、倫理的で、信頼できる人物ですか?
4. 対象者は時間を有効に活用していますか?
5. 対象者は周りを目標に向けてモチベート出来ますか?
<コミュニケーションに関する質問>
1. 対象者はチームの一員としてうまく機能していますか?
2. 対象者は指示と手順に従っていますか?
3. 対象者は他者への共感と思いやりを示していますか?
4. 対象者は他者と有意義でポジティブな関係を過ごす事が出来ていますか?
5. 対象者は他の人からのフィードバックを素直に受け入れていますか?

2. フィードバックを行う範囲を決定

部署内のメンバー全員にフィードバックをするのか、部を超えて行うのか等を決めます。はじめは近い関係の人をフィードバックするのが良いので同じ部署のメンバーに行うのが良いでしょう。
慣れてきたらクライアントや顧客からフィードバックを集めるケースもあるので身近に頼めるクライアントがいる場合には検討します。

NETFLIXでは「従業員自身がフィードバックしたい人を任意で選ぶ」という方式を採用しています。(ただし2,3人にヌルいフィードバックを送ってお茶を濁す事は許されない文化です)

3. 質問リストの配布

実際に従業員にメールやスプレッドシート共有などで質問リストを配布します。

4. 集計

信頼できる第三者、多くは人事担当者や経営層がデータを集計します。
結果を従業員に共有しますが、その際に匿名か実名かの決まりは無いので実施企業の意向によります。
ただ可能であれば実名の方が望ましいです。
誰からのフィードバックか認識できた方が精度の高い「気づき」を得られる傾向にあり、匿名の場合は誰からのフィードバックか分からないので疑心暗鬼になる事も懸念されます。

また、360度フィードバックの目的である能力開発に役立てる為、共有時には長所と改善点を強調します。

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まとめ

360度フィードバックにより、従業員は自分の長所・短所を把握して行動改善のチャンスを得る事が出来ます。
従業員の成長や能力開発は企業にとっての推進力となるので効果的に360度フィードバックを導入してはいかがでしょうか。

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